2003年6月13日金曜日

プロのセリ 2

100人以上のプロが集まる大オークションで
手のひらに乗るような小鉢の傷や真贋をどうやって見分けると思いますか?

一つは事前のチェックです(下見という)
もう一つはセリ人への信頼感です

セリ人がある程度の高値からセリ始めると、後ろの方にいる人も
その小鉢がホンモノで傷のない上物と認めて、安心して買いに入ります

いい加減のようですが、多いときは1,000点もの品が集まるオークションでは
目当てのもの全てを覚えていられないし、下見での目こぼしもあります

ですから、セリ人の責任は非常に重たーいッ!
のであります

10年ほど前の大オークションでのことです

あるセリ人が平安東福寺の贋物(がんぶつ)をホンモノと見誤って
高値からセリはじめ、おまけに自分で落札してしまいました

脇にいた私は、贋物であることを初めから見抜いていましたが
口出しはできません、「目違いその場限り」の不文律があります

そのセリ人は後で誰かに言われたのか自分で気がついたのか
とにかくこっそり出品者に強談判して、返品してしまいました


それはたちまち知れ渡り、そのセリ人が信頼を失ったのはもちろんです
偽物とホンモノと見誤ったからだけではありません
(間違いはつきものです)
何よりも「目違いその場限り」の原則を自ら覆したからです

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