2022年2月25日金曜日

楓(個性的な樹形)

山もみじと唐楓は雑木盆栽の王者といって過言でなく、その人気と価値観は盆栽界の評価において、ゆるぎのない地位にあるといえるでしょう。
さて、今日ご紹介するのは小品ながらご覧の通古さ古さと迫力に満ちた双幹です。 


楓双幹 樹高14×左右17㎝


6~7年、愛好家さんよりお預かりして盆栽屋.comの棚に居たのですが、つい先頃あるものと交換して私の所有物になりました。
まあ樹形としては盤状根張りの双幹といっていいと思います。


足元の直径は約10㎝と迫力満点。根張りもほどよく動いており。躍動感に溢れています。この数年、太らすことに専念した成果がにじみ出ているといえましょう。


正面の変更も考えられますが、やはり立ち上がりの力からいって、従来通りの正面を採用すべきですね。
以後、あと一ヶ月くらいで植え替え予定。枝も根もかなりの追い込みと成るでしょう。
その作業の様子など、またご紹介いたします。

2022年2月8日火曜日

紅幸太郎石



北海道の日高山脈を流れる沙流川に産する幸太郎石は、その色彩の多様さと石質の良さで知られています。
時として、黒、青、赤、紫などまるで捏ね合せたのでは思うほどに多様な混じり方をして、私達に自然界の神秘性を見せつけていくれます。


最近入手した紅幸太郎石、かなり気に入っています。

 

間口35×奥17×高さ13㎝で雄大な景を表現するのに適した量感があります。


主峰と副峰のバランスが絶妙、前後の位置関係も遠近感にとむ。


後ろ姿。主峰と副峰の重なり具合が迫力ある姿の源です。


真上からの図。


水石界の常識で許される範囲の加工は施されています。
それにしても高等技術ですね。
人工のマイナス点も養石による時代感による味わいが救ってくれます。

 

2022年2月6日日曜日

五葉松(銀性八房)

その培養の歴史は明治時代はおろか江戸後期まで遡るほどに長い歴史を持つといわれている銀性八房五葉松。現代においても息の長い人気を誇っています。
この人気の秘密は、何といっても緑の濃いあの美しい葉の性質と強壮な樹勢に
あるといえましょう。


特に近年の気候の温暖化の影響による暑さにもよく適応してくれますから、盆栽界にとってはこの上ない樹種といえましょう。


正面に細い枝を抜いた小さな傷があります。数年で
埋まるくらいの軽微なものですから気にしないでも大丈夫!


今までに未だ本格的な樹形作りの段階までは達していなかったので、この数年のうちに枝配りのきほんを整えるつもりです。


正面やや左方面から眺める。



この樹種の特徴として、葉の吹込みがわりと簡単なのでこの程度の葉透かしが可能です。


このまま2作もすれば枝棚はびっしりと吹き込んでくるでしょう。
その時には全体の姿にさらに充実感が出てくること、もちろんです。