今日のつれづれ草のこの長い題名の理由は
先月の末に、顔知りのセミプロさんから水石を三点譲ってもらったところからお話しなければなりません
さて、それらの商談の中で話を聞いてみると、その三点はある方から販売を委託されたものだということです
そしてそのある方とは、私とも顔知りでそこそこの交際ある隣市のSさんだというじゃありませんか
「じゃあ宮本さん、Sさんに携帯して直に相場を交渉すれば」
と言ってくれたので、Sさんと電話で交渉して話がとんとん進んで譲っていただいたわけですが
翌日から我が家の座敷に置かれた幸太郎、佐治川、貴船の三点が目に入る度
なんか以前どっかでお目にかかったことがあると思えてならなくなったのです
思い出せないけど、どっかでお目にかかってる気がするな
最初はそんな気がするな程度だったんですが、そのうちにだんだん確信に近くなってきました
でもはっきりした記憶にたどりつけない以上は
ただただ漫然とながめているだしかできませんでした
そして数日の後、名石の採れる鳥取県の佐治川付近とは
どのような環境なのだろうかと、「佐治川石」と何気なくキーワードを入れてググってみたんです
すると検索の10位くらいに、「佐治川石の鑑賞」というページが出現しています
うーん、こりゃしめた、と思ってクリックして見るとなんだか見たようなページが現れました
よく見ると、2004/2/27の盆栽つれづれ草のページで
何と、この佐治川石を教材にして水石鑑賞の解説しているじゃありませんか
こりゃ、驚いた!びっくりした!
この佐治川石は以前私の所有物だったんだ
それも11年も前に!
ということで、私の気のせいは本物だったんですね
もちろんその証拠は出ましたが11年前の記憶は戻りませんがね
まさに「光陰矢の如し」
時間を大切にしなくっちゃ!
ということで、11年前と今の画像を見比べてみてください
気のせいか現在の方が時代感と色つやがよくなっているようですね
2015年9月16日水曜日
2007年7月11日水曜日
佐治川名石・一期一会
名品との出会いは一期一会という言葉で表現されますね
一生に一度のチャンス
また人は縁ともいいます
幸運に恵まれあこがれの名品をてにしたときに、縁があったんだ、と
今日ご紹介する水石は、私が20数年も前に一度出会って熱望したがそのときは果たせず
胸の中にわずかではあるが、しっかりと抱き続けてきた情熱がもたらしてくれたもの
この佐治川石は、盆栽界においてまさしく「巨人」と謳われた
磯崎種吉翁の愛された名石です
私がこの佐治川石に出会ったころには翁はまだ健在でしたが
あれから20数年の歳月を経てこの石を手に入れることができるとは
まさしく、縁としか表現しようがないほどに感無量です

佐治川石 間口56×奥行22×高さ11cm
スケールの大きな景観です
海に鋭く突き出した峻険な断崖と見立てる風景でしょう
断崖の下辺は荒波に浸食されており、洞窟状に着き抜けた奇観を前にすると
太古の昔から絶え間なく繰り返された自然の力の前に、ただただ息を呑むばかりです

佐治川特有の寂びた味わいの肌目がこの厳しい景観にぴったりです
まったくのウブ石、さすがは盆栽界の巨人と謳われた種吉翁の遺愛石です

この石の見どころのひとつ
海に突き出した岩壁の下辺が、波の浸食により洞窟状に抜けた箇所
洞窟の天井部分に刻まれた、侵食の爪痕の残る岩肌の厳しさです

この佐治川石の最大のポイント、自然界の造形の妙といえる先端部
石全体の流れと重みをこの一点が支えることにより、世にも奇抜な景が形づくられているのです

裏返した姿
ということで、ともかく盆栽屋という家業は幸せですね
20年以上も前の思いを今になって遂げ、子供のように嬉しがることができるのですから
ちなみに、この佐治川石を正式に鑑賞するには水盤を用います
機会があったらまたご紹介しましょう
では
一生に一度のチャンス
また人は縁ともいいます
幸運に恵まれあこがれの名品をてにしたときに、縁があったんだ、と
今日ご紹介する水石は、私が20数年も前に一度出会って熱望したがそのときは果たせず
胸の中にわずかではあるが、しっかりと抱き続けてきた情熱がもたらしてくれたもの
この佐治川石は、盆栽界においてまさしく「巨人」と謳われた
磯崎種吉翁の愛された名石です
私がこの佐治川石に出会ったころには翁はまだ健在でしたが
あれから20数年の歳月を経てこの石を手に入れることができるとは
まさしく、縁としか表現しようがないほどに感無量です

佐治川石 間口56×奥行22×高さ11cm
スケールの大きな景観です
海に鋭く突き出した峻険な断崖と見立てる風景でしょう
断崖の下辺は荒波に浸食されており、洞窟状に着き抜けた奇観を前にすると
太古の昔から絶え間なく繰り返された自然の力の前に、ただただ息を呑むばかりです

佐治川特有の寂びた味わいの肌目がこの厳しい景観にぴったりです
まったくのウブ石、さすがは盆栽界の巨人と謳われた種吉翁の遺愛石です

この石の見どころのひとつ
海に突き出した岩壁の下辺が、波の浸食により洞窟状に抜けた箇所
洞窟の天井部分に刻まれた、侵食の爪痕の残る岩肌の厳しさです

この佐治川石の最大のポイント、自然界の造形の妙といえる先端部
石全体の流れと重みをこの一点が支えることにより、世にも奇抜な景が形づくられているのです

裏返した姿
ということで、ともかく盆栽屋という家業は幸せですね
20年以上も前の思いを今になって遂げ、子供のように嬉しがることができるのですから
ちなみに、この佐治川石を正式に鑑賞するには水盤を用います
機会があったらまたご紹介しましょう
では
2004年11月27日土曜日
佐治川石の見立て
最近手に入れた佐治川産の石
みなさんも盆栽を手に入れたときは、見付け(正面)を変更したりしますね
水石でも同じ作業をすることがあるんです

求めたときの正面
一見して姿(すがたいし)のような立ち石の状態です

やや右前方から

裏側から
同感じましたか?
はっきり言って、図(絵)が出ていませんね
何がなんだか、つまり何を訴えようとしているのか判然としません
テーマが明確でないためですね
表現しようとすることがらが伝わってこないのです

あっちこっちと手の中で転がしてみると、この角度に山が見えました
主峰と副峰のある双子山です
うーん、なかなかイイ
佐治川石の特徴である「厳しさ」も出ています
でも、台座を作ったときのことを考慮しると
石の底部が大きすぎて邪魔ですね、思うような台座は無理かもしれない

思い切って裏返し
う、う、う!?
茅舎風の図が見えてきましたね
いけるかもしれない

屋根の角度を試してみます
この角度がイイ!!
茅舎風の「雨宿り石」の図がはっきりとしました
これに決定です

裏側も変化があります

「雨宿り石」というのは天然自然にできた屋根の張り出した巌のことです
自分が小さくなってこの石の庇の下に、驟雨を避けて入ってみてください
それが水石鑑賞の基本です
ちなみに、水石の道も「古さ」を最重要視することは盆栽と同じ
この佐治川石は「川から上がって」50年以上の歳月は優に経っているでしょう
帯びた時代感がそれを物語っています
みなさんも盆栽を手に入れたときは、見付け(正面)を変更したりしますね
水石でも同じ作業をすることがあるんです

求めたときの正面
一見して姿(すがたいし)のような立ち石の状態です

やや右前方から

裏側から
同感じましたか?
はっきり言って、図(絵)が出ていませんね
何がなんだか、つまり何を訴えようとしているのか判然としません
テーマが明確でないためですね
表現しようとすることがらが伝わってこないのです

あっちこっちと手の中で転がしてみると、この角度に山が見えました
主峰と副峰のある双子山です
うーん、なかなかイイ
佐治川石の特徴である「厳しさ」も出ています
でも、台座を作ったときのことを考慮しると
石の底部が大きすぎて邪魔ですね、思うような台座は無理かもしれない

思い切って裏返し
う、う、う!?
茅舎風の図が見えてきましたね
いけるかもしれない

屋根の角度を試してみます
この角度がイイ!!
茅舎風の「雨宿り石」の図がはっきりとしました
これに決定です

裏側も変化があります

「雨宿り石」というのは天然自然にできた屋根の張り出した巌のことです
自分が小さくなってこの石の庇の下に、驟雨を避けて入ってみてください
それが水石鑑賞の基本です
ちなみに、水石の道も「古さ」を最重要視することは盆栽と同じ
この佐治川石は「川から上がって」50年以上の歳月は優に経っているでしょう
帯びた時代感がそれを物語っています
2004年2月27日金曜日
佐治川石の鑑賞
現在の水石界は盆栽界と姉妹関係にあるとはいえ、一応別ジャンルとされています
最近、そうですね、およそこの30年くらいの間に
業界も区別がより明確になってきて、水石界が次第に独立してきたといえます
それ以前は、ほとんどの盆栽屋が水石を扱っていましたが、今ではごく少数派になりました
水石を主に扱う盆栽屋の中には、水石専門の業者となる人も出現してきたからです
ところで、二つの業界にはちょっと面白い傾向があります
お話したように、盆栽屋の中で水石を商う業者は少数派ですが、います
また、盆栽屋のほとんどが水石に興味があります
商品としての水石は扱わなくとも、個人の趣味や飾りの必要性から
水石を一つも持たない盆栽屋はいないのです
ところが、水石専門業者で盆栽を扱う人はほとんど皆無ですし
趣味的にでも盆栽を持っている人もほとんど見たことがありません
ことの是非でなく、傾向として、非常に興味のあることです
この要因はいろいろに考えられますが、その話題はまたの機会にしましょう
さて佐治川の遠山石の鑑賞です

佐治川遠山石 (Sajigawa-ishi) 間口40×奥行15×高さ5.5cm
穏やかな頂をもった遠山石
頂からなだらかな山々が連なり、末端はいつしか中央の盆地からせりあがった平野へ溶けこんでいます
日本各地に見られる穏やかな風景です
佐治川石独特の石の目が大地の起伏を表し、景観は非常にデリケートです
持ち込みの古さも申し分ありません

石の肌合いもよく見えます
斜めの筋が佐治川石の特徴です

穏やかなふくらみを持った山裾

ここでも斜めの筋が複雑な地形を表現して魅力的です

後ろ姿

中央前面の低い盆地を囲んだ全景がよくわかります

石の底部

これほどに薄型の石の台座が宙に浮かしても外れません
高度な技術、理想の台座です
最近、そうですね、およそこの30年くらいの間に
業界も区別がより明確になってきて、水石界が次第に独立してきたといえます
それ以前は、ほとんどの盆栽屋が水石を扱っていましたが、今ではごく少数派になりました
水石を主に扱う盆栽屋の中には、水石専門の業者となる人も出現してきたからです
ところで、二つの業界にはちょっと面白い傾向があります
お話したように、盆栽屋の中で水石を商う業者は少数派ですが、います
また、盆栽屋のほとんどが水石に興味があります
商品としての水石は扱わなくとも、個人の趣味や飾りの必要性から
水石を一つも持たない盆栽屋はいないのです
ところが、水石専門業者で盆栽を扱う人はほとんど皆無ですし
趣味的にでも盆栽を持っている人もほとんど見たことがありません
ことの是非でなく、傾向として、非常に興味のあることです
この要因はいろいろに考えられますが、その話題はまたの機会にしましょう
さて佐治川の遠山石の鑑賞です

佐治川遠山石 (Sajigawa-ishi) 間口40×奥行15×高さ5.5cm
穏やかな頂をもった遠山石
頂からなだらかな山々が連なり、末端はいつしか中央の盆地からせりあがった平野へ溶けこんでいます
日本各地に見られる穏やかな風景です
佐治川石独特の石の目が大地の起伏を表し、景観は非常にデリケートです
持ち込みの古さも申し分ありません

石の肌合いもよく見えます
斜めの筋が佐治川石の特徴です

穏やかなふくらみを持った山裾

ここでも斜めの筋が複雑な地形を表現して魅力的です

後ろ姿

中央前面の低い盆地を囲んだ全景がよくわかります

石の底部

これほどに薄型の石の台座が宙に浮かしても外れません
高度な技術、理想の台座です
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