名品との出会いは一期一会という言葉で表現されますね
一生に一度のチャンス
また人は縁ともいいます
幸運に恵まれあこがれの名品をてにしたときに、縁があったんだ、と
今日ご紹介する水石は、私が20数年も前に一度出会って熱望したがそのときは果たせず
胸の中にわずかではあるが、しっかりと抱き続けてきた情熱がもたらしてくれたもの
この佐治川石は、盆栽界においてまさしく「巨人」と謳われた
磯崎種吉翁の愛された名石です
私がこの佐治川石に出会ったころには翁はまだ健在でしたが
あれから20数年の歳月を経てこの石を手に入れることができるとは
まさしく、縁としか表現しようがないほどに感無量です
佐治川石 間口56×奥行22×高さ11cm
スケールの大きな景観です
海に鋭く突き出した峻険な断崖と見立てる風景でしょう
断崖の下辺は荒波に浸食されており、洞窟状に着き抜けた奇観を前にすると
太古の昔から絶え間なく繰り返された自然の力の前に、ただただ息を呑むばかりです
佐治川特有の寂びた味わいの肌目がこの厳しい景観にぴったりです
まったくのウブ石、さすがは盆栽界の巨人と謳われた種吉翁の遺愛石です
この石の見どころのひとつ
海に突き出した岩壁の下辺が、波の浸食により洞窟状に抜けた箇所
洞窟の天井部分に刻まれた、侵食の爪痕の残る岩肌の厳しさです
この佐治川石の最大のポイント、自然界の造形の妙といえる先端部
石全体の流れと重みをこの一点が支えることにより、世にも奇抜な景が形づくられているのです
裏返した姿
ということで、ともかく盆栽屋という家業は幸せですね
20年以上も前の思いを今になって遂げ、子供のように嬉しがることができるのですから
ちなみに、この佐治川石を正式に鑑賞するには水盤を用います
機会があったらまたご紹介しましょう
では
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