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2018年3月5日月曜日

冬芽の輝き

私はそれほどとは思っていないのですが、ほとんどの盆栽関係の方々は、この冬は寒かったとおっしゃる。このブログをお読みくださっているみなさんはどうだったのでしょうね?

なにはともあれ盆栽界では、国風展が終了するころになると新しい季節がやってきた感じがして、作業的にも植替えなどを意識するようになって、日一日と春の気分が濃くなってくるようです。

数日前に気がついたのですが、庭の冬囲いの中でも特別に風が当たらず日当たりのいい場所に置かれている紅千鳥の取木素材(樹高6.0cm)の冬芽が色づいて鮮やかさが増してきたようです。

冬のあいだ中、寒さや乾燥から芽を守るためにガッチリと自らをガードしてきた冬芽(ふゆめ・とうが)も、いい環境に馴染んでくると少しずつその堅いガードをゆるめてきます。

これから先の一ヶ月ほどは、一年中でも特別の季節です。たった数ミリほどのちいさな冬芽の色彩の変化にさえ心が動かされます。盆栽人はとってはとてもじっとしてはいられません!

2017年12月3日日曜日

移動式紅葉一石二鳥

数年前に、当時としては太さも樹高も大きめの舞姫の素材苗を3本ほど、口径1尺(30㎝)の大きな仕立鉢に植えて思いっきり伸ばしっ放しにしてみました。もちろ水はけのいいようにゴロ土をたっぷりと入れて、ぜんたいに粗目の赤玉土でざっくりと植えました。

すると、植えたその年はたいしてえ目立った成長はしませんでしたが、2年目以後の生育には目を見張るものがありました。やはりある程度鉢内に根が張ってからのほうが養分の摂取がうまくいくようです。


















3年間徒長させておいた結果、足元は子供の手首くらいに太くなり、樹高は1mに近いほどに成長しました。当初私はこれらの模様の面白い処に取木をかけて盆栽素材をゲットする狙いだったのですが、この紅葉の見事さを見た私は、もう一つの欲張った目的を思いつたのです。

来年にはこの鉢植えをあと10鉢ほど増やし、春の芽出し時、若葉の季節、さらには秋の紅葉の時期など、その都度見ごろによって庭のあちらこちらに移動してたら楽しいだろうと。


紅葉の色彩は個々の鉢の栄養状態や健康状態、さらには日照条件によって微妙に変化するはずですから、普段から培養状態を意識的に違えておけば楽しさも倍増するでしょう。

盆栽素材の肥培と移動式紅葉の生垣とでもいいましょうか、欲張った計画は来年にむけてすでに走り始めたようです。

では!

2009年8月14日金曜日

草もの盆栽

草もの盆栽の魅力は、なんといってもその季節感
春には春らしく、秋には秋らしく、四季の時々を感じさせてくれます

もちろん樹木の盆栽にも四季それぞれの姿がありますが
草もの盆栽はさらに季節を先取りした形で、繊細にしかも鮮やかにその息吹きを放ってくれます

ですから、秋から早春にかけて常緑の松類を飾る場合など
添える草ものによって、季節のイメージをより鮮明に演出することができるのです

例えば姫ススキをならば晩秋だし、霜に当たって色づいたシダ類ならば冬
さらにフキノトウや福寿草なら早春の色が濃厚となるでしょう

うれしいことに草ものは樹木の盆栽に比べ培養法も簡単なので
樹木の盆栽は難しくってというかたがたでも、上手に育てることができますね

とはいえ草ものといえど盆栽の重要な一ジャンル
盆栽人は盆栽人らしく、侘びさびのきいたキラリと光る草もの盆栽に挑戦していただきたいと思います



鉢の間口4.0cmの矢竹



手篭式の間口5.0cmの黄金シダ

草もの盆栽培養の要点

1 鉢はなるべく浅めで小さめのものを選定する(鉢が目立ってはいけない)

2 水も肥料も少なめに管理し、なるべく徒長させない(肥料は水肥を年数回)

3 徒長を避けるため日当たりのいい置き場で培養する

4 添え物として使用する場合を考慮して、サイズとイメージの異なった鉢で一品種を数鉢培養すると便利

5 四季を通じて楽しめるように、見ごろの異なった品種が揃っていれば最高

2005年5月1日日曜日

鬼も十八

(緑風盆栽展より)


盆栽を鬼に例えると叱られるかもしれませんが
もっとも美しい見ごろはどの樹種にもありあます
しかも毎年「鬼も十八」の時期が訪れるのですから、持ち主も張り合いです

この藤の盆栽は今の時期こそ「鬼も十八番茶も出ごろ」です
藤棚の下に緋毛氈(ひもうせん)を敷いて花見に興じるとびっきりの美人群・・・
華やかな連想にひたれる一時です

四季折々にいろんな樹種の出番があって、盆栽界は鑑賞する対象には事欠きません
そう思うと、四季のはっきりした日本の気候は盆栽人にとって天の恵みです
そして、もし日本の国がこういう気候でなかったら、日本人は四季に敏感な国民性を持たず
盆栽文化は生まれなかったでしょう

2004年4月7日水曜日

季節と気候

今年の桜の花は例年いなく楽しめる期間が長かったのは
開花の時期が早かったのがかえって幸いしたようです

盆栽も、雑木の植替えに始り今は松柏の植替えシーズンに入り
同時に雑木類の芽摘みが忙しい頃となっています

盆栽人は季節や気候に敏感だといわれますが
季節の移ろいに正直な植物を相手にしているのですから、これは当たり前のことですし
それらに無頓着だったら、まず盆栽を育てるのは無理でしょう

盆栽人は寒い暑い、晴れだ曇りだと、たんに自分の都合で言っているわけではなく
常に盆栽のことを念頭に入れながら時候の挨拶をしているんですね
そのあたりが、盆栽を趣味としない人たちとは一味も二味も違ってます

なにせ毎日の盆栽棚の観察から私達は季節を敏感に感じ取れるのです
そんなわけで、初心者のみなさん、、季節と気候に敏感になる、これが盆栽上達の秘訣です



取り木三年目の山もみじの株立ち
そろそろ芽摘みによって樹形を整えるまでに成長しました

2003年9月30日火曜日

実物の季節感



早い秋がやってきました
関東では朝晩かなり涼しく、まさに中秋の感じですが

一昨夜は大阪
昨夜は名古屋
同業者と二晩連続で電話で話す機会がありましたが
西の方は夜まで蒸し暑かったようです

ところで、そろそろ実物盆栽に色が出てきました
写真の梅もどきも赤と黄色に染まってとてもきれいです

霜の季節に真っ赤になった梅もどきも鮮やかですが
深緑の葉影に赤と黄色のまだら模様の今の姿も
中秋の季節感があって、捨てがたいものです

実物は秋
しかしそれだけでは単純です
初秋、中秋、晩秋と区分けして、もっと季節の移り変わりに敏感になれば
盆栽生活もより楽しくなるでしょう

2003年4月28日月曜日

緑風盆栽展より

上野グリーンクラブで開催される緑風盆栽展の搬入日(26日)の風景より



この時期ならではの出品作品です
写真撮影の順を待っているいるのです
花の咲き具合もちょうどいいですね
細幹ながら持ち込みの古い木です

ちなみに鉢も中国製の100年以上前の逸品です
卓台も鉢や木姿と調和したものを使っています
おそらくメインの席に飾られ、みなさんを楽しませてくれるでしょう


五葉松の石付です
深山幽谷の春
そんな風景を感じさせてくれます

盆栽にとって季節感は大切な要素です

2002年10月4日金曜日

飾り棚・二席


盆栽の席飾りに挑戦するのに、まず覚えやすいところから入ります
このセットの盆栽飾り棚は、初心者にもとても使いやすいものです

本体は二段になっています
手前が脇板です(写真の加減で大きく見えますが、もっと小さい)


まず本体の使い方(脇板を使うと点数が増えて、いきなりでは難しい)

盆栽の向きにあわせて、左右どちらでも使えます
まず半懸崖の山もみじを置いてみます

左の空間に添えるものを考えます
大きさ
季節感
情景
などを考慮に入れます


茅舎石(くずやいし)を置いてみます
里の秋が表現できました、これで立派な一席です
(もう少し紅葉しているといいですね)


脇板の代わりに地板を使って、草ものを追加しました
3点になると、ぐ~んと奥行きが出ますね、これで一席

以上二席出来ました
簡単でしょ、あなたも挑戦してみましょう

反省点(あくまで厳しく)
草物にもっと秋を感じさせるものが欲しかった(ないので間に合わせ)
草物の地板がやや大き目です

おいおいに脇板の使い方も勉強していきます

2002年10月2日水曜日

秋の飾り 2

いい気になってもう一席
山もみじの自然樹形のミニ盆栽と茅舎石(くずやいし)とで
秋の山里の風景を演出してみましょう

ここでみなさんが間違えやすいのは、山もみじの(勝手)流れです
この山もみじは鉢の右側に植わっていて、しかも右の方に幹が傾いています

ですから、一見してつい右に添え物を置きがちです
でもよ~くこのもみじを観察してください
幹は斜めに右に向かっていますが、頭の方は左に向かってかぶさるようなかっこうをしていますね

この木の流れは左向きなんです
いまのままでは、山もみじが添え物の石にお尻を向けているように見えます


このように飾るのが正解です
もみじは幹の途中から左に向かって、家の方へと枝を伸ばしつつあります
これで山もみじと茅舎石(くずやいし)の創り出す空間に、安定感が生まれました

木の向きの勉強でした
(写真が暗くて惜しかったです)

2002年10月1日火曜日

秋の飾り 1


ハゼが紅葉し始めました、飾ってみましょう

1)まずは鉢だけで飾ります
  きれいですね、これだけでも眺められますね
  しかし我々は、盆栽人です
  これでは盆栽が裸足のような感じです


2)カリンの地板(じいた)を敷いてみました
  どうですか?
  かなりお洒落な感じになりましたね
  錦糸に輝く紅葉の風景が見えてきました


3)茅舎石(くずやいし)を添えてみたらどうでしよう
  これで一席になりました
  秋深い山村の集落にやってきたような情景が
  身近に再現されました
  
  添え物は石でなくともいいのですが
  盆栽界においては、ハゼは普通、草物の扱いになることが多いので
  添え物に草ではなく、石を使いました
   
  滝石(たきいし)でもいいですね
  山深き滝の周囲の景色が紅葉している図
  皆さんは旅行先などで一度は接しているはずですね
  

2002年9月25日水曜日

席の季節感

(日本盆栽協会東京支部展より)

みなさんはこのミニ盆栽の一席から季節がわかりますか?
盆栽の鉢の一つ一つを見ると
冬ではなさそうです
早春でもなさそうです

梅雨のころかな?
夏かな?
初秋かな?

くらいしかわからないと思います

盆栽の席飾りにおいて、季節感の表現はもっとも大切な要素の一つです
俳句と同じように「季語」が必要なんです

この席の「季語」は主木の右下にある2ツの木の実(なんの木の実だったかうっかり忘れました)です
(画像ではわかりにくいですね)
木の実イコール秋、それも中秋以後の季節でしょう

こうやって盆栽を飾るときには、季節感を大切にします
キーワードは「季語」です

特に常緑の松類などは季節がわかりにくいですね
そんなときでも、添え物や掛け軸などで季節感を表します

2002年8月9日金曜日

短冊



私が持っている短冊(たんざく)の一枚を紹介します

床の間で盆栽を正式に飾るときに、主木(しゅぼく)と添え物の雰囲気に合わせて
掛け軸を使うことがあります
それは絵であったり時には文字であったりします

しかし、掛け軸となるとかける場所の問題や出し入れやの面倒さもあります
その点短冊は気軽にどこへでも飾れます

この短冊には「木更津甚句」という千葉県の民謡の詞の一部が仮名文字で書かれています
昔のお座敷唄なので芸者さんの紙人形が貼り付けてあります

この短冊の雰囲気は盆栽には合いませんが
例えば四季の俳句や漢詩に一節などを書いたものなら
盆栽に添えて情感や季節感を深めるのにいいでしょう

夏の草もの盆栽でしたら「古池や蛙飛びこむ水の音」 芭蕉
松柏盆栽でしたら「松陰や寝ござ一つの夏座敷」 一茶
などがおもしろそうですね

こんな風にして盆栽を生活の一部にして
そこにチョッピリ味付けをして楽しむのも一興です