2003年5月31日土曜日

さつき展示会



私の住む千葉県松戸市にはさつき盆栽愛好会があります
私も設立発起人の一人として立ち上げに参加しました
30数年前のことです(月日の経つのは早いもんですね)

設立時に一番の若造でしたが、30数年経ったいまでも会員60名の中で
若い方から数えて4番目くらいです
これっておかしいですね

趣味の多様化も一因でしょうが、とにかく高齢化が進んでいます
若いのいないかなーッ

向かって左が花の部で一位、右が二位の作品です
きれいでしょ

さつきはミニ盆栽にも仕立てられます
挑戦してください!

2003年5月30日金曜日

ざくろの花



捩幹(ねじかん)ざくろに花芽がたくさん付いています
ふつう盆栽では枝のつくりを優先させるので、小枝の摘み込みを頻繁に行います
そのために花芽をつけることがむずかしい

このミニ盆栽はたしか今年の春仕入れたものです
以前の持ち主が昨年夏以降の芽を摘んでいなかったのでしょう

水を切らさないように注意して実を成らせたいですね
ざくろの実成りの風情は郷愁を誘います

子供の頃、熟れてはじけたざくろの実をよく食べました
渋みをおびた甘さが口いっぱいにひろがり種をプーッと勢いよくほき出す

透明な紅い実は腕白小僧の目にも美しいと感じられました
みなさんんも思い出があるでしょ

2003年5月29日木曜日

女性専科講習会

今日は、何度もご紹介した茨城県龍ヶ崎市久保台地区公民館での
女性専科盆栽講習会です

私は午前8時半に家を出ました
約束の時間は10時です
車の流れは順調で珍しく15分ほど前に到着です

まず前回のテーマであった姫りんごの受粉から結実までの成果を検証
3分の2の人が成功
小指の先ほどに大きくなった姫りんごの実に強い愛着を感じていました

さて、今日のテーマは「山もみじの葉刈り」
彼女(一人だけ彼氏)らにとって、もみじの葉を刈り取るのは初めての経験です
ビックリしていました

早くも満一年間のお付き合いになりました
彼女らの自然を観る目は確実に変化しつつあります

盆栽を友とすることによって
身近な自然をより能動的に受けとめ
積極的にそれらと融合していこうとする繊細な神経が磨かれます

葉刈りの勉強をした彼女らは植物の持つ不屈の生命力を知り
また一段ステップを上がりました

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2003年5月27日火曜日

木村名人



盆栽界で名人と言えばなんといっても木村正彦氏です
みなさんんもご存知ですね
その整形技術は神業と呼ぶにふさわしく神秘的でさえあります
一名「針金の魔術師」とも呼ばれています

前列真ん中、水色のワイシャツ姿が木村さんです
5月25日に松戸市の盆栽愛好会で訪問したときの記念撮影です

木村さんは名人にありがちないわゆる変人奇人型の人ではありません
穏やかで平明な人柄です
愛好家の初歩的な質問などにもじつに懇切丁寧に答えてくれます

私も年に数回は木村さんを含む少人数で食事をしたり飲みにいったりする機会があります
アルコールはあまり強くはありませんが、唄はうまいですよー

この日、庭でお茶をご馳走になり
名人とじかに盆栽の話をされたみなさんはほんとうに嬉しそうでした
案内役の私も甲斐がありました

2003年5月26日月曜日

総会

このところ盆栽関係団体の総会続きです

さる5月19日は日本盆栽協同組合の総会、22日は日本水石組合と続き
今日は(社)日本盆栽協会の総会でした

一昨年の国風盆栽展において、会場に飾られた盆栽の一鉢が突然枯れ死してしまいました
主催者と出品者との話し合いは不調に終わり、結果は裁判に持ち込まれ
一審の判決は出ましたが、それに納得しない被告側はただちに上級裁判所に控訴し
戦いの真っ最中です

冬の寒いさなかに行われる展示会においては、暖房による水切れを注意せねばなりません
鉢の中はもちろん枝葉に霧水を絶やさぬようにします
しかし万全の体制を敷いているにもかかわらずその盆栽は、会期中に急速に樹勢が落ち手当ての甲斐もなく枯れ死してしまいました

管理不行き届きを主張する原告の出品者
枯れ死の原因は展示以前の管理が原因、と主張する訴えられた側の主催者
双方の主張は真正面からぶつかっています
いずれにしても、展示会での盆栽の枯れ死に至る因果関係を解明することはかなり難しいことでしょう

そのような背景を抱えての今回の総会です
関係者の関心も高く、かなり激しい質疑の応答がありました

おおらかな盆栽界においては、ことの是非が裁判まで持ち込まれたのは前代未聞ですね
私は話し合い路線がいいな~と考えています

それはともかく、みなさんも展示会に出品する場合は展示物にタップリと水をやっておくことです
しばらく植替えしていないものは数時間腰水して、根の芯まで水が行き渡るようにします
もちろん主催者は水やり担当を決め、最大限の注意を怠ってはなりません









2003年5月25日日曜日

盆栽見学旅行



日本盆栽協会松戸支部の年に一度の盆栽見学日帰り旅行
今年は栃木県の古松園さんと埼玉県の木村正彦さんのお棚拝見です

総勢20名の内、女性が5名参加
「針金の魔術師」と異名をとる木村名人も
松戸の女性会員に囲まれてまんざらでもなさそうです

いくつになっても女性は女性、得ですナーッ
それに元気もいい
それに比べて男性会員は遠慮ぎみでおとなしいね

天候にも恵まれ楽しい一日でした

2003年5月15日木曜日

こだわり派

市内の旧い盆友の○○さんは新しい盆栽に接すると根元を指差して
「いい根張りしてるね」とか「ここに根張りがない、残念だね」とか、即座に根張りの批評をします
それからおもむろに全体の姿の評論に入るのが○○さんのやり方です

人によって盆栽要素の幹、枝、根張りなどへのこだわりの順序が違うようです
枝順にもっともこだわる人もいますね
あなたはどっち派ですか?

私はこのようなこだわり派(ベテランに多い)の愛好家に接すると
盆栽を観るときには、まず全体の姿から受ける第一印象をもっと大切にしてもらいたいなーッ
と常に思います

単純に、素晴らしいー、きれいだー、きたないーでもいいから
理屈でなく感覚的なことばを発してもらいたいんです

盆栽を観るとき、素直で新鮮な感性をもっとだいじにしようー!

根張りや枝順などの部分の細かい考察は、そのあとでじっくりすればいいですね

2003年5月14日水曜日

身近な自然

野山はもちろん街のなかでも一年のうちで一番緑が目に付く季節です
散歩のおりなどに人さまの庭をながめながら
いろいろと批評している自分に気がつくことがあります

住宅地の印象は各家の庭の手入れによって決まると思えます
手入れの行き届いた庭を持つ家並みが続くと、落ち着いた豊かな街に見えます
高級な家が並んでいることだけが高級住宅街の条件ではないようです

私の住む松戸市の隣に流山市があります
明治維新の戊辰戦争の折、新撰組の隊長近藤勇が官軍に処刑された街で知られています
江戸川べりの小さなひっそりとした古い市です

そこに江戸川台という街があります
江戸川台には「塀は生垣に限る」という約束があるそうで
すべての家の垣根は生垣です

30年以上前に造成された街なので、今となると家の造作は高級とばかりはいえません
しかし、家々はよく手入れされた生垣と庭を持っています
こんな落ち着いた街に住んでみたい、と思うようないい街です

街路樹や公園、庭や生垣、それに盆栽
街のなかの身近な緑は、なにより手入れが大切です
手入れが行き届いてこそ私達の目を楽しませてくれます

ブロック塀沿いに置かれたガーディニングのプランタンの中身がグッタリしおれている
そんな光景に出会うと、悲哀さえ感じます

さあーさーッ、我が家も、手入れだ、手入れだ!

2003年5月13日火曜日

柳の小品



柳は春から夏にかけての風物詩ともいえる植物です
盆栽としても昔から文人趣味の人々に愛されてきました
しかし、昨日巡り会ったこの木のような本格的な盆栽樹形のものはめったにありません

たくましい立ち上がり、力強い幹模様ともみごとです
とくに、元から下垂し、再び空を掴むように上昇している一の枝の表情は
松柏盆栽に匹敵する迫力があります

現代盆栽の作風では、繊細さの中にも天然自然の生命力の力強さと
しっかしした構図を求められます
まさにそのお手本のような作品です

さて、昨日のつれづれ草で俳句のことをお話しましたね
今日は自作の句はやめて歳時記から気に入った句を紹介します

やなぎから 日のくれかかる 野道かな   蕪村

橋落ちて うしろ淋しき 柳かな        子規

2003年5月12日月曜日

春の句

きょう仕入れに出かけて柳の小品盆栽に巡り会いました
それも本格的樹形の半懸崖です
持ち込みも古く、思わず「ヤッターッ!」と心の中で叫びました
柳の本格盆栽は珍しいんです

近日中に頒布コーナーに掲載しますので楽しみにしていてください

ところで、その柳の盆栽をしげしげと眺めながら思い出したことがありました
私は20代の後半に知人に誘われ、柄にもなくある句会へ半年ほど参加したことがあります
その句会であるとき、芽柳、うららか、春風の三つの春の季語が取り上げられてました

そのときの句だけはなぜかいまでも覚えているのです
柳の盆栽を眺めながら思い出したのはその俳句です

ここまで言ってしまったので我が駄句をご紹介しましょう
ちなみに私の創作活動は、その半年間で終わったまま現在に至っています

春風や 園児の列の みぎひだり

芽柳や 堤はるかに 七曲り

読経の ふとおかしくて うららなり

参加者の誰も誉めてくれなかったことも覚えていますが
どうしてこの三句だけ記憶しているのかも不思議なんです

春風や たがのはづれし 桶のざま   真砂女

辛うじて 芽やなぎ水に とどきけり   万太郎

行き合うて 隔たる堤 うららかに    汀女

歳時記より抜粋しました
やはり情景がいきいきとしてますね

お恥ずかしいーッ!

2003年5月11日日曜日

クチナシの蕾



渡哲也が唄った「くちなしの花」の歌詞にあるように、くちなしの花は白色です
一重と八重咲きのものがあって、八重咲きのものは結実しません

白い清楚な花が咲き終わると結実し、親指大の丸い実が成ります
青い実は秋に向けて次第に色を帯びて橙色になります
昔、その実は餅菓子などの着色に用いられました

小品盆栽に向く種類は小葉性(こばしょう)の一重咲きです
厚みがあり小さく形のよい葉が好まれます

深く切り込んでも芽ふきがいいので、形を整えるのは楽です
水や肥料は大好きです
ただ寒さに弱いので、冬は保護室に取り込んでやります
植替えは4月中旬から5月中旬頃行います

2003年5月6日火曜日

梅の実



梅の実が一つ、かなり大きくなってます
いくらか赤味をおびていますね

梅の実に気がついたかみさんが、つれづれ草の題材にと持ち出しておいてくれたのです

あなたも来年は挑戦してみてください
でもせいぜい数個にしてくださいね
数が少ない方が木もいためないし、風情もあります

2003年5月2日金曜日

狛犬(こまいぬ)



きのう久しぶりに布施弁天へ参詣にいってみました
隣の柏市の北のはずれの田園地帯にあって、高台にある本堂から200メートル先には
若草色の利根川の土手が長々と東西に横たわっています

何度も訪れている場所ですが、今日は境内に幾つもある小さなお堂や水舎の柱の彫刻に注意してみました
天井に近い柱に狛犬の彫刻があります
材質はけやきです

かわいい顔をしていますね
雲と牡丹の花があしらわれています
江戸末期の建物ですから約200年経っています

けやきは長持ちするんですね
狛犬も盆栽と同じように時代感が満ちています

幾つかのお堂を眺めてみると、狛犬の顔の表情やデザインがそれぞれ違いますし
手の込み具合も違います

どんな小さなことでもよく観察するとけっこうおもしろいものです
盆栽展を見学して、小さな草物盆栽の可憐さが一番印象に残った経験があります
狛犬を見ながらそんなことを思い出していました