2016年7月26日火曜日

黒松・短葉法実行

樹高11×左右16㎝の黒松超ミニ
締まった枝付きと器用に曲がった足元の模様が気に入っています

樹勢も旺盛で葉の色艶申し分なく
短葉のための芽摘みは7月半ばと決めていました

過去のつれづれ草を参照   2009/08/21   2009/08/03   2008/10/29 
 

樹高11㎝×左右16㎝


芽摘み前の正面拡大図


7月16日第一回目の芽摘み

伸び方が中以下の芽をすべて切り取る
(ただし、極端に伸び方の鈍い芽だけは切らずに放置する)


第二回目の芽摘みはそれから10日後の7月26日
この10日間の間に先に切られた短い芽の元には既に新しい芽が準備されています

残された伸びのいい長い芽は10日遅れの出発となりますが
秋の芽どまりの季節までには追いついて揃います


切り落とされた新芽
中にはちょっと短めのものもありますね


ここにも短いの入ってるね
まっ、いいか!?


最後に細部の枝や全体の葉数の調整をします
ここで注意することは、古葉はピンセットで抜かずに必ずハサミで切ること

ピンセット抜くとその後の芽吹きが悪くなります
これは必ず実行しましょう


できあがり


後姿

おっと、肥料をやるのを忘れてましたね
黒松君が、腹減ったよー! って嘆いています

2016年7月25日月曜日

もみじ・傷の肉巻き

はっきりした年数は忘れましたが、おそらく6~7年以上経つでしょう
古い山もみじのミニの半枯れが私のところへ入院してきました

その山もみじは、もともとは姿のいい典型的な模様木スタイルの優等生でしたが
かわいそうに、幹筋の半分から上は枯れ込んでいて、まったく処置なしという感じでした

生き帰ればそれだけでももうけもの、というひどいレベルだったので
1~2年は水と肥料だけ与えられたまま放置されていて、間違っても脚光を浴びるようなことはありえませんでした

ところが、4~5年前、そんな状態を不憫に思ったのでしょう
クロちゃんが、枯れ込んだまま放置されていた旧の幹筋を綺麗に除去し、大手術により新しくそれを作り直したのです

もっとも作り直したとはいえ、新しい幹筋を作るためには大きなリスクを背負ったことには違いなく
大きな傷が巻かなければまともな姿には戻れません

その手術を認容した私も施術者のクロちゃんも
最終的な成功を確信していたわけではありません

きっとこの山もみじの昔の美しい姿が忘れられずに
例え何分の一でもいいから昔の姿を取り戻してやりたい、と淡い望みを抱いていたからでしょう

という経過を辿って、幸運にもこの山もみじは厳しい命がけの戦いを勝ち抜いて
ほら、こんなに一人前の姿に成長したんです


あれからおおよそ5年


現在の姿 

足元の幹径は4.5㎝、ボディーの高さは4.0㎝で
ボディーの先端から上に向かっている新芽が新しい芯になります

おおよそ7.5㎝の樹高で出来上がると思います
昔の姿には及びませんが曲がりがきつく動きのある素晴らしい模様木です


クロちゃんが5年ほど前に削った時に
この傷は幹の直径とほぼ同じく3.0㎝もありましたが、今では直径約1.5㎝


傷の内側のカルスを削ってやると
その部分の活動が促され肉巻きが早まります


カットパスターで傷口を保護
これにより傷口の治癒は来年一年間で完了予定とする


正面より見る

将来の樹形の目標

・現在の一の枝(向かって右)は来年にはもっと短く切り込む

・向かって左に一の枝(呼接ぎ)をつける可能性もある


それでは続きをお楽しみに