2003年2月24日月曜日

春の息吹

2月も残すところ僅かになりました
冬囲いの中をのぞいて見ましょう
そこには近づく春の息吹が充満しています


イボタは冬芽がほぐれて緑が濃くなっています
冬中戸外に置いたものはまだでしょうが
冷たい風にあたらないと、芽だしは半月以上早めです


戸外でも梅はそろそろ咲き始めました
野梅の花の香りは何ともいえないですね


楓の枝先です
芽先が動いているのがわかりますね
去年の3月10日に、親しい愛好家が急逝したときに
ムロの中で楓の石付が8分方、葉が開いているのを思い出しました
もう春です

2003年2月20日木曜日

女性専科講習会

茨城県龍ヶ崎久保台公民館の小品盆栽講習会風景

今回は姫りんごの植替えがテーマです
ミニ盆栽の講習は教材が難しい
初心者はミニ盆栽の大きさを身体(感覚)では覚えていないですね

私の持参したミニ盆栽を眺めて、ワーッすてきー!かわいいッー!と感動していますが
いざ自分が教材を小さな鉢に入れる段になると、かなりビビリますね(当然)

私は皆さんにミニ盆栽の大きさを実感してもらうために
10cmの仕立鉢に入った姫りんごを、5~6cmの化粧鉢に移し替える作業をしてもらいました


教材は公平にくじ引きで選びました
鉢の段階になって、やはり皆さん心配な様子です(小さ過ぎて)
でも大丈夫!
植物の順応性を信じましょう!

ただ今、各自の好みの鉢を思案中


うーんッ、こんな小さな鉢に入るのかな?
あーらッ、この鉢すてきッー!
そーねッー、私のよりいいみたい?


鉢の直径と深さが半分になると、鉢内の土の量は約10分の1近くになります
思い切って根をつめて、土もほとんどふるい落とします
作業の途中からだんだんミニ盆栽を身近に感じられるようになってきたようです


作業終了、みなさんの晴れやかな顔を見てください
ミニも盆栽を自らの手で作り出した満足感が溢れていますね
公民館企画のカリキュラムは今日で終了ですが

これからもミニ盆栽に魅せられた10名の方が
ミニ盆栽の同好会を継続させていきます

年三回の講習を計画しています(私が講師)
お近くの方、ご参加くださーい!

2003年2月13日木曜日

国風展搬入風景 2

ただ今、国風展真っ最中で、搬入風景の記事はやや色あせた感じですが
せっかく撮った写真です


2月の7日の搬入日
午前9時から11時までが搬入時間です
ところが11時を過ぎてもいくつかの空席があります

東名高速で事故があり、関西方面から来る車が渋滞に巻き込まれているそうです
華やかな表舞台の裏では、このように人知れない苦労の連続なのです


あらかた出品物はそろったようです
午後1時からNHKテレビの取材と国風賞の審査です
そして8日は「並べ替え」の日です

同じ樹種が並んではおもしろくありません
これから展示場全体の雰囲気を、より効果的に盛り上げるための作業が始まります
ご苦労様です

2003年2月12日水曜日

樹鉢の形態

盆栽樹鉢では外側の面と面の接する角を隅(すみ)と呼びます
その隅の形にもいろいろあります


この形が普通の外縁です
均釉・外縁・雲足・長方・樹盆(きんゆう・そとえん・くもあし・ちょうほう・じゅぼん)
と呼びます
釉薬・縁の形・足の形・全体の形の順で述べていきますと
大体の予想はつくものです


辰砂釉・外縁・玉縁・撫角・雲足・正方・樹盆
玉縁とは縁の上側が丸みを帯びている様子です
撫角(なでかく)とは丸みを帯びた隅の形態を表しています


均釉・外縁・隅入・雲足・長方・樹盆
隅入(すみいり)とは隅の角に縦に凹みを入れて、柔らかみを出しているんです
雲足とはこのように雲の模様を描いた形態を総称します


蕎麦釉・切立・大隅切・切足・長方・樹盆
大隅切(おおすみきり)とは隅の角を大きく斜めに切っている形態です
もう少し切り方が少ないと、隅切とだけ書きます
切足(きりあし)とは普通の足です

徐々に勉強してください
おもしろいですよ

2003年2月7日金曜日

国風展搬入風景 Ⅰ

先日の国風盆栽展の審査で入選した盆栽達は
9日から始る「晴れの舞台」を待ちわびています
今日はその搬入日です

上野公園内の東京都立美術館、晴れの舞台です
午前9時から11時までが搬入の時間帯です

私も行きましたよ
入選作品を車に積んで、けっこう飛ばしました


134番が私の席
ダツ、ダツ、ダツ!
ところがいけません、隣がいけません
今回の審査で最高得点を取った山梨県の村田さんの黒松の隣です
参ったな!
でも考えようです、光栄なことですね


黒松の向こうに見える懸崖が、私の扱い物です(貧弱!)


国風賞に最も近い黒松です
いやー、すごい!


本日は撮影禁止だって、馬鹿いっちゃあいけないよ!
国風賞候補の黒松の足元をパチリ
よく割れてますね!
午後一時から国風賞の審査です

国風盆栽展は2月9日より16日まで
上野公園の東京都立美術館で開催されます

2003年2月6日木曜日

アマチュア恐るべしⅡ



手のひらのちりめん桂
わずか6.5cmのミニです

前々日の石化ひのきと同じアマチュアの盆栽家が作ったものです
育ちの遅い樹種ですから、おそらく30年は経っているでしょう

双幹の姿は大木の相をもっていますが
なにかが違います
それは端的にいって簡潔さにあると思えます

わずか6.5cmの寸法のうちにいろんな見どころを作るのは、無理なことです
要約して重点的に美を表現することが大切です
ミニ盆栽は欲張ってはいけません

一昨日の朝日新聞の夕刊に
1月16日に逝去した写真家の秋山庄太郎の記事が載っていました

「プロは注文の写真に最善を尽くして撮る。
だが、アマチュアは好きな写真に好きなだけ時間とエネルギーを注ぐ。
一枚の写真ではアマに負ける」というのが彼の持論であったそうです。

そして「アマチュア恐るべし」と公言してはばからなかったそうです。



30年の歳月をかけた、まさに「アマチュア恐るべし」の作品です
簡潔と明瞭の見本です

2003年2月5日水曜日

鉢の傷

盆栽の樹鉢の傷についてのお話です
詳しくお話しすると、傷の種類も何十通りありますが
ここでは代表的な3種類の傷について説明します

1)
ホツ
おもにぶつけてできた傷です
おもに縁につく傷ですが、足の傷は見落としやすいので
購入の際などは鉢裏からもよく観察しましょう

(縁より足の傷の方が鉢の評価に影響は少ない)

2)
ニュー
ぶつけたりしてできたヒビわれのことです
また焼き成りの温度が低いものは、凍結などでもヒビが入ることもあります
時代のついた鉢では気がつかないこともあります

高価ですばらしい鉢にニューが入っているものもよくみかけます
そのようにニューの入った鉢は、展示会のときだけ使用して
普段はしまっておきましょう

(ホツよりもニューのほうが評価に影響する)

3)
窯傷(かまきず)
焼き成りの過程でできた傷を窯傷といいます
火力が強すぎたり陶土の厚さのバランスが悪かったりなど
理由はさまざまですが、焼き物にはつきものです

鉢穴付近の窯傷はよく見かけます

しかし、この焼き物のように釉薬もので、まして内側にも釉薬が施されている場合
焼き成りの過程で、高温で溶けた釉薬が割れ目の中までしみ込んでいるので
使用してもいっこうに差し支えありません

(まったくの完品とはいえないが、評価に影響は少ない)

みなさん、鉢を購入する際には以上の3点だけは押さえておきましょう

2003年2月3日月曜日

アマチュア恐るべし



手のひらに鎮座しているのは石化桧(矮性のひのき)です
樹高はわずか9㎝

これを見て可愛いと思わない人はいないでしょうね
一昨日、懇意な同業者のところで出会いました

常連のお客様と鉢と交換したんだそうです
愛好家ならではの作品です
時間をかけていますね

昨日の朝日新聞の夕刊に
1月16日に逝去した写真家の秋山庄太郎の記事が載っていました

「プロは注文の写真に最善を尽くして撮る。
だが、アマチュアは好きな写真に好きなだけ時間とエネルギーを注ぐ。
一枚の写真ではアマに負ける」というのが彼の持論であったそうです。

そして「アマチュア恐るべし」と公言してはばからなかったそうです。

まさに盆栽の道にも通用する言葉です

アマチュアのみなさん、根気と粘りで「この一鉢」でプロに勝ちましょう

2003年2月2日日曜日

春のきざし

相変わらず寒い日々が続いていますが
今日冬囲いの中の盆栽達をよーく観察してみました

まず目につくのがふくらみを増した梅の蕾です
山もみじの新梢や冬芽も心なしか色艶が良くなってきています
すでに盆栽達は春の芽出しに向けて準備をはじめているようです

気がつくと姫バラの芽先はかなり赤味をましていて
満を持してスタートの号砲を待つマラソンランナーのようです

「冬来たりなば 春遠からじ」とはよく言ったものです
明日は「立春」、2月の19日は「雨水」です

「雨水」のころになるとアマミズがぬるみ草木が発芽しはじめるといいます
コタツに入っている場合じゃなーいッ
みなさーん、春の準備を始めましょーうッ!




梅の蕾は日々膨らんでいます


姫バラは芽だし直前です