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2013年3月5日火曜日

スクール速報・小品棚飾り

昨年の暮のこと、もう一ヶ所通っている盆栽教室の展示会に出品するための小品棚飾りの取り合わせで
さすがベテランのクロちゃんもかなり迷ったらしく、候補作品を持って相談に見えた

5点から7点もの小品の棚飾りを、すべて手持ちの作品でまかなうのですから
最高峰の国風展示会や雅風展の常連さんだって産みの苦しみは毎度のことです

自分の作品はなかなか客観的に見られないもの(プロだってそうですよ)
そんな時は遠慮なく他人の意見を参考にするのが近道です

そんなわけで、今日は小品棚飾りの実技予行演習です
クロちゃんの作品をごゆっくりご覧ください


主木(しゅぼく)には山取りでジンつきの古木真柏
その強い左流れの力を受け止めるには、やや大きめの捩幹ザクロの株立ちがぴったりと決まって、グッドですね

さて、箱卓(はこしょく)の内部に目を移すと
姫柿の枝がよくほぐれていて大きさもよく、初冬の季節感にあふれて趣十分です

ところが、当初クロちゃんが頭に描いていたけやきをその下に入れてみると
あれ、ちょっとおおきいかな!?

それに、捩幹ざくろともども寒樹の姿のイメージが似ていて
ひと工夫欲しい感じですね


そこでかわりに、陶板を使った赤松の寄せ植えを置いてみました
すると意外や意外、姫柿、赤松、捩幹ザクロの3鉢にリズムが感じられていい感じが出てきました

また、赤松の霜にあたってやや黄ばんだ葉に、かえって冬の趣が感じられて
隣の姫柿ともども、季節感が濃厚です

このように席飾りでは、樹形と樹種、大きさと強弱、加えて季節感とイメージ
そのような要素を総合的に見極め、調和がとれてしかも変化と趣を演出するように心がけましょう


主幹の真柏拡大図

クロちゃんが長年(もう10年過ぎたかな)丹精している山取りもの
シャリとジンが見どころですね


この捩幹ザクロも長いですね
この数年で飛躍的に出世した感じですが、この木はまだまだ伸びしろを持っています


黄金シダ

この写真では正方の地板を使っていますが、これはあくまで間に合わせです
本番でのクロちゃんは丸い地板を使いました

というのは、箱卓(はこしょく)も捩幹ざくろの卓台(しょくだい)も角ばっていますね
このような場合には変化をだすために、草ものの卓(しょく)の形にも気を配りましょう

では

2007年1月25日木曜日

吉向松月窯

席飾りで、表現をより強調したい場合に使う小道具を「添配・てんぱい」といいます

動物では、鹿、鳥、蟹、また筏や小船や釣り人など
茅ぶき屋根の民家や観音堂や五重塔などの建物も一般的です

それらの材質は銅や鉄製のものが多く
中には木製や陶磁器の類もあります

今日ご紹介するのは、陶器の小蟹
添配として蟹は多く使われますが、ほとんど銅か鉄製です

というのは、足の表現が複雑で難しいのと
丈夫な材質でないと、細い足の先などをすぐに傷めてしまうからです

その点からいっても陶器の蟹はまことに珍しいものです

ごゆっくりご覧下さい


間口6.0×奥行2.5×高さ2.5cm

江戸の享和年間(1801~1804年)、戸田治兵衛のより大阪十三村に築窯された吉向松月(きっこう・しょうげつ)窯
時の将軍に作品を献上したおり大いに喜ばれ、吉に向かうにちなんで「吉向」の窯号を賜わったと伝えられ、代々松月を名乗っています
京焼の流れをくんだ典雅な作風で、現在の当主は八世・吉向松月

何代の作品かはわかりませんが、共箱の古さや作風から
幕末から明治にかけて活躍した4代か5代の作であろうと思われます


小蟹の一瞬の動きを捉えた写実力、大胆に施された釉薬の輝きなどじつにみごとな出来栄え
細部をつぶさに観察すると、大胆かつ繊細で的確なヘラ使いの妙技が随所に見られます


別角度より


落款は「吉向・きっこう」


共箱

2005年10月15日土曜日

作風展審査風景Ⅰ

恒例の「日本盆栽作風展」の審査が、さる10月の13日に上野グリーンクラブで行われました

ご存知のように「作風展」は、日本盆栽協同組合員、つまり盆栽の専門家が丹精した盆栽を出品し
その出来栄えを競う展示会です

小品盆栽部門の入選作の中からは、以下の3席が最優秀賞の候補として予備審査を突破
さあ、みなさんはどの席飾りがお気に入りですか?


最優秀賞に選ばれた席飾り

飾り棚に対する盆栽の寸法、これが際立っていました
程よく空間があって調和がいい

もう少し季節感を濃厚に感じさせる彩りがあったらなー!
まあ、これは欲目というやつですね


真飾りの黒松
葉に隠れて幹模様が見えにくいのですが、よく管理された優れものでした
鉢はおそらく「尚古堂」でしょう、いい感じです


楓模様木
これが素晴らしかったですよ
骨格といい作柄といい、文句の付けようのない逸品でした


僅差で次点に泣いた席飾り
樹種と樹形、また鉢もバラエティーにとんでいますね
まったくの僅差、審査員の好みという他はありません


この席も一鉢一鉢の盆栽は素晴らしかったのですが、ちょっと大きさが揃いすぎた感じです
真面目すぎたのでしょう、空間の遊びがほしかったですね

2004年4月14日水曜日

第二回国風展

ネットでお知り合いになった三重県のKさんから貴重な頂き物をしました
なんと、第二回国風盆栽展の記念帖です

国風盆栽展は今年で78回目を迎えましたが、現存する記念帖の数では
初回のそれはけっこうあるのですが、その他の一桁台のものは圧倒的に少く、手に入りにくい貴重品です

第二回目の記念帖には、初回のそれには見られない珍しい写真も載っています
それではご紹介しましょう

Kさん貴重な本、ほんとうにありがとうございました
ありがたく頂戴して有効に使わせていただきます


昭和10年1月1日発行の第二回国風盆栽展写真帖


珍しい写真というのは、これです
この貴婦人は、松平頼壽伯爵夫人なのです

松平伯爵は高松藩の12代当主で、のちに貴族院議長をつとめました
また小品盆栽の愛好家としても有名で、国風盆栽会の初代会長でもありました


小品棚飾り三席
この記念帖ではミニ盆栽、すなわち豆盆栽という言葉はつかっていません
小品と呼んでいます、ということから戦前でも豆盆栽という呼び方は俗称であったことがわかります

この席を見ての印象はどうですか?
伺いたいですね!

2004年1月29日木曜日

国風盆栽展審査5

国風展に挑戦する小品盆栽は、鉢も贅沢に吟味されていますね
いずれも名品ぞろいで、ヨダレがでそうです

この席も、鉢を「おごって」ました
鉢の古さが盆栽の風格を一層高めています


力に満ちた太幹の五葉松を真にした、迫力ある一席
五葉松の小品として、まさに稀有の存在感です(一瞬黒松と見誤るほどです)

箱の上の五葉松だけには小卓を使っていません、ここも注目
五葉松の存在感がこれ以上強くなると、全体のバランスが崩れるからです、工夫していますね


枝張りを小さく、そして鉢も目一杯小さくし、五葉松の存在感を印象づけています


長寿梅、均窯楕円の名鉢です、花の色によく調和しています


くちなし


楓、この赤絵鉢はおそらく宮崎一石の作品でしょう、これも名鉢


けやき、逞しくしかも繊細です、鉢は平安東福寺でしょう、渋い取り合わせです


草、月之輪涌泉のミニ鉢です、名鉢です、欲しいなーッ


黒松懸崖、朱泥の名鉢に入っています、松の緑が引き立ちます

2004年1月27日火曜日

国風盆栽展審査3

ここにも革新的な飾りにチャレンジする新鮮な一席がありました
香炉卓(こうろしょく)の意匠が感じられる斬新な高卓(こうしょく)です



オーソドックスな4本足の高卓を用いれば、黒松のやや左脇に置く添え草は、卓の下側に入っています
これも興味深く新鮮です、おもしろいですね


大木感に満ちた黒松、立ち上がりの力が抜群です


添え草(石付)


薄鉢に植え付けたセンスが光ります
木肌も古いですね

2004年1月25日日曜日

国風盆栽展審査

盆栽界最大のイベント、第78回国風盆栽展が2月8日(日)から始ります

今日(25日)は応募作品の搬入日
明日(26日)が審査
明後日が入選作品の写真撮影(記念帖)と続きます

大きな声では言えないんですが、ここは撮影禁止
けど、みなさんにお見せしたいばかりに禁を破ってしまいました
でも、扱い業者さんの許可だけは受けていますよ

このページも、主催者側の日本盆栽協会のお偉いさんに見つかれば”お目玉”です
お願い、だれにも言わないで!

明日の審査を待つ小品部門は、21席の応募
入選はおそらく12席くらいでしょう
約半分は、残念、お持ち帰りです


真に黒松の模様木、前置きに姫柿を配し、本格派揃いの一席


言うとこなしの黒松
鉢を締めて(小さく)あるので大木感が強調されています


今回の雅風展で内閣総理大臣賞に輝いた長寿梅がこの木、すごい!
早春の雰囲気が伝わってきます、季節感も盆栽の大切な要素です


くちなし


山もみじ


真柏、この棚飾りでの重要な役目を担っているます

屈曲した左向きの動きが、前置きの姫柿の右向きの動きと照応し
席全体に躍動感が感じられるように演出されています、みごとです!


石付の石菖


前置きの姫柿半懸崖

2004年1月14日水曜日

日本小品盆栽協会展より(1/12取材)

展示席は約70席、点数は300点
昔からミニ盆栽で日本最高のレベルを誇る伝統ある展示会ですが
この数年、再爆発したのでしょう、また一段とレベルアップの印象です


岡崎副会長さんの席  左上段 カリン その下 岩がさ 水石     右 草 ヒサカキ

カリンの持込がよかったですね
ヒサカキもよかったですよ、鉢も福峰で味が抜群でした

飾りの主木を松柏類にするのが定石のように考えられていますが
この席のように、自由な発想には好感が持てます

金縛りのように凝り固まらない楽しい席飾りがうれしい
それでも変化と調和、流れ、品格などに対する気遣いは忘れていません、さすが


ヒサカキ(鉢・福峰作) 草(鉢・昭阿弥作)

ヒサカキの古さが印象的でした
草も昭阿弥作のきれいな鉢に入っています

目立たないところのお洒落、行き届いています
これが粋です


笠井さんの席 左から くちなし 長寿梅 赤玉石 におい楓 百日紅

木の代わりに草を一点入れればよかったか
それを補って長寿梅がいい、右のにおい楓もなかなかのミニ

さすがベテランの味
簡素だが各盆栽の完成度が抜群です


長寿梅と佐渡赤石

根上り懸崖の持込の味
植え付け角度も絶妙のバランス

2003年11月2日日曜日

秋雅展より

秋雅展で普通サイズの小品より小さめのミニの席を見つけました
樹種は控えてこなかったのでわかりませんが、流れとか高低強弱のイメージはつかめますね


雑木づくしの席飾りです
真ん中に置いた箱卓(はこしょく)のテンバの量感が利いていますね
この木の量感が足りないと席全体が締まらなくなってしまいます


敷物を敷かずに、床にじかに卓を置いています
これも新鮮でいいと思いました

近年飾りがていねいになり過ぎ
卓や地板を二重三重に用いているのに飽きていたところです
いいですねー

空間の広がりを感じます


草物盆栽作家・山根景子さんの作品の一部

短冊形の陶板を使っています

さすが山根さんです

この草物は三点セットの左側に位置している作品ですから
短冊は右に向かって流れるように組み合わせてあります(奥が右へ出ている)
反対の組み合わせだと左流れになって、定法からはずれます

2003年11月1日土曜日

秋雅展見学

恒例の秋雅展が10/31より11/3まで、上野グリーンクラブで開催されています
秋雅展は関東で開かれる小品盆栽の展示会では、規模もレベルも一番です

私も昨日行ってきました
平日ですがたくさんの見学者で盛況でした

売店もたくさん出ていて、売れ行きも好調のようです
売れ行きは業者の皆さんの機嫌でわかりますからね
もちろんみなさん御機嫌上々


会場の片隅では盆栽講習会
後ろ姿は講師の大和園の広瀬さんです
広瀬さんの講習は分かりやすいですね、真面目な人柄がよく出ています
生徒さんも熱心でした


会場の展示品の中に、六角鉢を使った盆栽を見つけました
伊万里焼の染付け六角鉢ですね
うれしいことに、足と角を正面にした正しい使い方をしています
小品業界ではリーダー達の指導がけっこう行き届いているようですね
盆栽はメギでしょう

今日と明日、まだ二日間あります
東京近辺の方はお出かけ下さい

上野公園内の水上動物園の入り口近くです

上野グリーンクラブ
℡03-3821-4587・03-5685-5656
午前9時から午後5時(最終日は午後4時まで)

2003年7月8日火曜日

伯爵のミニ盆栽

「第16回国風盆栽展記念帖」より
国風盆栽会 会長 伯爵 松平頼壽氏の出品作品の一部
昭和17年3月5日~7日に上野公園東京府美術館で行われたものです



上段 落霜紅(うめもどき)
中段 迎春花(げいしゅんか・黄梅のこと)
下段 野梅(やばい)

太平洋戦争のしょっぱなッ真珠案攻撃から半年経たない
日本軍が破竹の進撃をしているころですね
元気よかったでしょうね、日本中が

卓台(しょくだい)は斑竹(はんちく)という斑点のある竹を材料にしたかわいらしい飾り棚です
梅もどきのことを落霜紅、黄梅のことを迎春花と表示しています
なんとも昔風、でも日本語っていいなーと思えますね

松平伯爵がご夫妻でミニ盆栽をこよなく愛されことは有名です
ご夫妻でですよ!
羨ましがってるご主人さまもいるでしょうね(せめて水やり協力が欲しいなんて)

松平家のミニ盆栽の特徴は
小さな鉢でていねいに長く持ち込まれた
かわいらしいしゃれた感じの木が多かった
旅行や散策の折に野山で採取したものが多かった
ようです

重量感や構図を重視する現代の盆栽を見慣れてる我々には
やや迫力不足の感はあるけれど
ともかく古さや素朴さがそれを補ってまことに趣が深いですね
実物は写真より魅力的です(カラーならよくわかる)

この松平公爵夫妻の愛したミニ盆栽の伝統は現代にも受け継がれています

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2003年2月7日金曜日

国風展搬入風景 Ⅰ

先日の国風盆栽展の審査で入選した盆栽達は
9日から始る「晴れの舞台」を待ちわびています
今日はその搬入日です

上野公園内の東京都立美術館、晴れの舞台です
午前9時から11時までが搬入の時間帯です

私も行きましたよ
入選作品を車に積んで、けっこう飛ばしました


134番が私の席
ダツ、ダツ、ダツ!
ところがいけません、隣がいけません
今回の審査で最高得点を取った山梨県の村田さんの黒松の隣です
参ったな!
でも考えようです、光栄なことですね


黒松の向こうに見える懸崖が、私の扱い物です(貧弱!)


国風賞に最も近い黒松です
いやー、すごい!


本日は撮影禁止だって、馬鹿いっちゃあいけないよ!
国風賞候補の黒松の足元をパチリ
よく割れてますね!
午後一時から国風賞の審査です

国風盆栽展は2月9日より16日まで
上野公園の東京都立美術館で開催されます