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2004年10月5日火曜日

大量仕入れ

「高齢のの愛好家が放出する小鉢をそっくり処分したいんだけど、そっくり買ってくれる?」
昨日親しい同業者から電話がありました

大きなダンボール四箱、ていにいに三段四段重ねに梱包してあったのを
中身はちょっと見ただけ、数も数えず「相手の言い値」で即決!

こんなときは業界きっての「値切りマン」と異名をとる盆栽.comであっても、微塵も値切りませんゾ
オイシイ話を持ってきてくれる人は「神様」ですから足元をみてはいけないのです

逆にその同業者に「お小遣い」をやりましたよ
次に続く「生きたお金」になります



ざっと並べてみると300はありそう
むこうさんは「200くらいかなー」と言ってたんですが、ここでもう幸せな気分
それにしても盆栽屋っていい加減の大雑把ですね

ざっとみて、標準のレベルを超したものばかり
これはいい買い物でした!(買値は秘密)



ぎっちり並べて畳二枚分、さっそく「宝探し」にかかりましょう
気分はワクワク、最高!
これぞ盆栽屋の至福の時なのです



ありました、ありました、お宝はピックアップして移動

向かって左の染付けの正方鉢、これができのいい宮崎一石ですゾ!
一山買いの中に入る品じゃないのに「間違い」か「おまけ」のどっちかです(ついてるー)

その上の丸は、清風与平の浮き彫りの白磁、かなりのレベル!

水府散人が2鉢
大助2鉢
町直20くらい(絶品1鉢含む)
その他中堅どころの実用鉢無数

そして、まだまだお宝ありそうです

というわけで、区分けに一日かかりそう
整理がついたら、ご奉仕価格で頒布しまーす

みなさーん、楽しみに待っててくださーい!

2004年7月24日土曜日

中堅作家再発見

かなり以前(15年くらい)に間口3cmほどの正方の四面に文字を書いた豆鉢を手に入れました
たしか5,000円だったと記憶しています

鉢裏に(木黄)と釘彫りの落款がありましたが、どう読むのかもわかりません
でも、磁器の生地といい、淡い色調といい、とても静かな雰囲気で気品が感じられました

そのまま小さなウインドケースの中へ入れ、他の小鉢と一緒に楽しんでいたところ
親しい同業者が目に付けて「ほーッ、モッコウさんの鉢があるじゃないの」ということで
木黄(もっこう)という豆鉢作家を知ったのです

数を手がけてみると、その鉢作りの技巧はかなり精密で高度
また施された文様やデザインの文字なども気品に溢れ、なみなみならぬ人物であることが推測されます

東京を中心にした豆盆栽愛好家のなかでは地味ながらそれ相当に知られた作家ですが
このままではもったいない、もっと全国の豆鉢ファンにも知っていただきたい、と強く願っています


木黄作 染付丸鉢

唐の大詩人、李白の「将進酒」という詩の一節を引用し、デザイン性を強く意識して書いています

君不見黄河之水天上来 奔流到海不復回
(君見ずや、黄河の水天上より来たり、奔流海に至りて復た回らざるを)

染め抜きの達筆な文字とその変化にとんだ配列が、藍色の地に映えてみごとな絵になっています
木黄ならではの気品あふれた作品

豆鉢のわずかな空間にスケールの大きな詩文を書くことにより
無限の世界を意識させ、ロマンのある作品となっています


文字の大小や配列が巧みですね
この豆鉢のデザインとして鉢と一体化しています


天の文字を強調してポイントを作っています


木黄書の署名が見られます




木黄作八角鉢
濃い呉須の地に、各面に文字を染め抜いた気品のあふれた作品


木黄作 染付六角鉢

六面に篆刻文字をあしらいみごとな格調の鉢に仕上げています
木黄の持ち味が遺憾なく発揮された格調高い作品

2004年7月23日金曜日

中堅作家再発見

普段からともすると私たちは、すでに評価の定まった一流作家の作品を扱う方が楽なので
そちらへばかり目が行きがちですが、この傾向には反省させられることもあります

中堅作家の作品の中にも、たまには抜群の一級品がまじっていることがあるからです
これからは、そんな作者や作品に出会ったときは積極的に再評価し、皆さんにご紹介していきたいと思います


杉浦景仙作 辰砂釉窯変長方

辰砂釉の中に緑色の窯変がりちばめられた見事なできばえ
一流の作家と比べても遜色ない釉薬の色彩、ボディーの精密さ、そして品格

景仙は昭和10年生まれ
盆栽愛好家より鉢作家に転向したといわれるだけに、使い勝手のよい作品には定評がある中堅作家です

作風は多彩で、釉薬ものから焼締めもの、ボディーの形状もさまざまで
この辰砂釉長方のように、思わずハットするようなレベルの高いものに出会うことがあります

その度に、もっと評価されていい作家であると思っていました

いまから10年以上前、改築される前の上野グリーンクラブの催事売店などに出店していたのを
よく見かけた記憶がありますが、最近は見かけませんね

そう、痩せた色の黒い人で、あまり身なりは構わなず、ボサボサ頭が印象に残っています
元気で作陶しているのでしょうか


安定し格調ある姿ですね
もしこの鉢が「景仙」ではなく「竹本」の作品であったならどうでしょう?

世に名品としてもてはやされるに違いない
それほどのレベルに達した作品だと思います

だがしかし、この一点をもって杉浦景仙を竹本隼太に匹敵する作家だすることできません
生涯の作品全体のレベルや、いかにたくさんの名作を排出しているかなどにより作家の評価や知名度は決まるのです

でも、とにかくこの一点に限ってはすばらしい!
そういう評価の仕方もあると思います


反対側正面の色彩もきれいですね


鉢裏と足のようすにも品格があります