今年の2月中旬、突然に今岡町直の孫娘さんから次のようなメールをいただきました
「町直の孫です。
ホームページ見させていただきました。
町直の鉢を愛してくださってありがとうございます。
大変嬉しく思います。
祖父は娘や孫に囲まれ幸せな晩年を過ごしました。
そして平成14年4月29日永眠しました。
祖父の鉢をこれからもご愛用ください。
祖父も喜ぶことと思います。」(原文のまま)
驚きましたが、それよりも歓びの方が大きかったですね
その返信の中で「ところで、もう少しおじい様のお話を聞かせていただけないでしょうか
町直鉢を愛する人々にそれらをお話してあげたいのです」
そのように申し上げておきました
みなさんだって町直氏の晩年のことをしりたいですよね
すると、2月28日に、最初にメールを下さった孫娘さんのお兄様から
「今岡町直の孫にあたる者です。先日はご親切に私の妹とメールのやりとり
を行って頂いたということで大変感謝しております。」
さらに
「宮本様よりのメールにて祖父・今岡町直の事を未だに覚えている方々がいらっしゃるという事実を知り、
祖父に関するホームページを作成しようという事になりました。」(原文のまま)
こんな嬉しいメールが届いたのです
そんな訳で、取り急ぎみなさまにそのHPをご紹介します
どうぞご訪問してください、めったにない盆栽界のビックニュースですよ
「町直鉢」 さあ、どうぞ!
壮年期(私がお会いしたのはこの時期です)の町直氏
晩年の町直氏
”上の2つの画像は「町直鉢」の管理者よりお借りしました”
2006年3月2日木曜日
2005年5月28日土曜日
町直鉢鑑賞
鉢作家・今岡町直のことは過去のつれづれ草で度々触れましたが
昭和40年代の初めごろ、そう、私だってまだ20代の前半ごろ、東京の洗足池で何度かお目にかかっています
是好さん、大助さん、明官さんなど、ミニ盆栽史に残る大先輩達が池のほとりの風致会館に集まり
初心者の指導や盆栽談義に花を咲かせていました
町直氏はそこへ自作鉢を売りに来ていたのです
年のころは、そう、40台の後半くらいだったでしょうかね
端正なマスクのおとなしい感じの
そう、インテリ風な方でした
さて、さて、話がそれて長くなるといけません
本題の「鉢の鑑賞」といきましょう
この今岡鉢は私が最近扱った中で、けっこう惚れ込んだものです
今岡町直作 変釉正方樹盆 間口6.5×奥行6.5×高さ6.5cm
「釉薬の魔術師」と呼ばれる町直の面目躍如たる作柄を示した作品です
天空から舞い落ちるように紫色の釉薬が鮮やかに散っています
この釉薬を何に例えるか、何と見立てるか、そこがこの鉢を鑑賞する際の最大のポイントでしょう
薄緑の垂れ釉(たれぐすり)も綺麗で、紫色の釉薬をよく引き立てていますし
ぽっていりとした足元の釉溜まり(くすりたまり)も自然な感じで、みごとです
どちらも炎が作り出す色彩の妙とはいえ、やはり偶然に頼るばかりでなく
作者の意図するところをうまく表現するための、火のたき方には熟練の技が必要なのでしょう
この角度もいい景色の釉薬の変化が見られますね
濃淡の緑が作柄に奥行きを与えています
幻想的な雰囲気
別角度より
光の関係でちょっと暗くなりましたが、鉢裏の様子
町直は火のたき方によほど熟練したいたのでしょう
釉薬が流れすぎて足にくっついて剥がした痕があるような作品にはめったにお目にかかりませんね
この鉢もみごとな釉薬の止まり方をしています
よほどの自信作であったのでしょう
いつものような「町」の落款の脇に「富士山」が描かれていますが
このようなことは町直にしてはまったく珍しいことです
このように、頭のてっぺんから足の爪先に至るまで
ネホリハホリと眺めて能書きをいう、このあたりが鑑賞の面白さです
昭和40年代の初めごろ、そう、私だってまだ20代の前半ごろ、東京の洗足池で何度かお目にかかっています
是好さん、大助さん、明官さんなど、ミニ盆栽史に残る大先輩達が池のほとりの風致会館に集まり
初心者の指導や盆栽談義に花を咲かせていました
町直氏はそこへ自作鉢を売りに来ていたのです
年のころは、そう、40台の後半くらいだったでしょうかね
端正なマスクのおとなしい感じの
そう、インテリ風な方でした
さて、さて、話がそれて長くなるといけません
本題の「鉢の鑑賞」といきましょう
この今岡鉢は私が最近扱った中で、けっこう惚れ込んだものです
今岡町直作 変釉正方樹盆 間口6.5×奥行6.5×高さ6.5cm
「釉薬の魔術師」と呼ばれる町直の面目躍如たる作柄を示した作品です
天空から舞い落ちるように紫色の釉薬が鮮やかに散っています
この釉薬を何に例えるか、何と見立てるか、そこがこの鉢を鑑賞する際の最大のポイントでしょう
薄緑の垂れ釉(たれぐすり)も綺麗で、紫色の釉薬をよく引き立てていますし
ぽっていりとした足元の釉溜まり(くすりたまり)も自然な感じで、みごとです
どちらも炎が作り出す色彩の妙とはいえ、やはり偶然に頼るばかりでなく
作者の意図するところをうまく表現するための、火のたき方には熟練の技が必要なのでしょう
この角度もいい景色の釉薬の変化が見られますね
濃淡の緑が作柄に奥行きを与えています
幻想的な雰囲気
別角度より
光の関係でちょっと暗くなりましたが、鉢裏の様子
町直は火のたき方によほど熟練したいたのでしょう
釉薬が流れすぎて足にくっついて剥がした痕があるような作品にはめったにお目にかかりませんね
この鉢もみごとな釉薬の止まり方をしています
よほどの自信作であったのでしょう
いつものような「町」の落款の脇に「富士山」が描かれていますが
このようなことは町直にしてはまったく珍しいことです
このように、頭のてっぺんから足の爪先に至るまで
ネホリハホリと眺めて能書きをいう、このあたりが鑑賞の面白さです
2005年1月22日土曜日
鉢の傷・水府散人・町直
鉢の傷の代表的なものにホツ(ポツ・ホツレ)とニューがあります
ホツというのは文字通りポツッと欠けた状態の傷のことで
ごく軽微なものから致命的なものまであります
下の町直鉢くらいであれば墨汁でも刷り込み目立たないようにして
使う分には何ら差し支えないでしょう
ホツの箇所を後ろ側に持っていくように使うのです
そうすれば外側のホツなので正面からはほとんど見えません
またホツの場合は、実用に供してもこれ以上に傷が広がる心配はないので
その点は安心できますし、価値感の下落もニューよりはひどくはないものです
もちろん、観賞用のコレクションが目的では、いかに町直といえどもお勧めできませんが
実用には充分の働きをしてくれますので、ここでは「実用鉢」と割り切ってください
町直鉢のホツの様子
さて、ニューの場合です
去年の秋に愛好家から一挙に300鉢の放出品を買い求めた中に、びっくりするようなこの珍品があったのです
「水府散人」の豆鉢です、みなさんこの作者を知っていますか?
茨城県は水戸の人で、戦前から鉢の収集家および研究家として知られた愛好家で
戦後に自ら小鉢の製作に取り組み、その作品は盆栽界で高い評価を受けています
作風は、油滴天目、辰砂などを得意とし自由奔放さのなかに重厚さも併せ持ち
実験的な意欲も強く様々な様式や釉薬に挑戦しています
私も過去に「水府散人」の代表作といわれる数点を扱ったことがあり
それらは現在の盆栽界でもっとも高名な収集家の手元に所蔵されています
そのような経験から「水府散人」は得意の分野とは自負していたのですか
それでも、このようなミニサイズ(7.2×6.0×3.8cm)の作品にはお目にかかった記憶がないのです
無釉薬の焼締めもので表面に松柏の樹皮のような装飾を施した珍しいもので
この作柄からでは一目見て「水府散人」の名は瞬間的には浮かんできません
鉢裏と足の様子
鉢裏の落款
資料によると「正志作」と読んでいるようです、私には「正志」のように思えるのですが
いずれにしても「水府散人」(本名・薄井正志)の代表的落款です
落款拡大図
この小鉢には鉢の内側の底にも落款が入っています
「水府散人作」と読めます、このほかにも「集亭録升」「志龍造」などの落款が有名です
さて、問題の傷の話に移りましょう
この鉢に出会ったときの喜びもつかの間、傷を発見!!
うっすらと見えたニューを確認するために「水」につけてみました
こうすると傷口から水が染込んでより鮮明に見えます(裏技ご披露)
さて、みなさん、珍品のこの「水府散人」小鉢をどう評価したらいいのでしょうか?
上のホツのある町直鉢のように「実用鉢」と割り切るのでは「水府散人」が可愛そうですし
かといって鑑賞鉢としてのコレクションでは傷が気になるところです
この様な場合には、小鉢界のおけるその作家の評価を考慮に入れた上で、作品の希少性や作柄の観点から検証してみて
資料価値があると判断できれば収集の一端に加えるこべきです
この「水府散人」の作品の場合、作家そのものの作品が希少で評価が高いことに加え
作品そのものが珍しい作柄であり、サイズ的にも希少性がある、そう判断したいですね
もちろん、価格面で考えれば、一般的にはホツよりニューの方が下落が大きく
その点からの大きな減点はやむを得ないでしょう
しかし、、小鉢界の歴史や「水府散人」の作風を知る上でも
このミニ鉢には小鉢界の資料としての価値は充分にあると考えられるのです
そういうことで、一口に鉢の傷といってもいろいろなケースがあるんですね
ホツというのは文字通りポツッと欠けた状態の傷のことで
ごく軽微なものから致命的なものまであります
下の町直鉢くらいであれば墨汁でも刷り込み目立たないようにして
使う分には何ら差し支えないでしょう
ホツの箇所を後ろ側に持っていくように使うのです
そうすれば外側のホツなので正面からはほとんど見えません
またホツの場合は、実用に供してもこれ以上に傷が広がる心配はないので
その点は安心できますし、価値感の下落もニューよりはひどくはないものです
もちろん、観賞用のコレクションが目的では、いかに町直といえどもお勧めできませんが
実用には充分の働きをしてくれますので、ここでは「実用鉢」と割り切ってください
町直鉢のホツの様子
さて、ニューの場合です
去年の秋に愛好家から一挙に300鉢の放出品を買い求めた中に、びっくりするようなこの珍品があったのです
「水府散人」の豆鉢です、みなさんこの作者を知っていますか?
茨城県は水戸の人で、戦前から鉢の収集家および研究家として知られた愛好家で
戦後に自ら小鉢の製作に取り組み、その作品は盆栽界で高い評価を受けています
作風は、油滴天目、辰砂などを得意とし自由奔放さのなかに重厚さも併せ持ち
実験的な意欲も強く様々な様式や釉薬に挑戦しています
私も過去に「水府散人」の代表作といわれる数点を扱ったことがあり
それらは現在の盆栽界でもっとも高名な収集家の手元に所蔵されています
そのような経験から「水府散人」は得意の分野とは自負していたのですか
それでも、このようなミニサイズ(7.2×6.0×3.8cm)の作品にはお目にかかった記憶がないのです
無釉薬の焼締めもので表面に松柏の樹皮のような装飾を施した珍しいもので
この作柄からでは一目見て「水府散人」の名は瞬間的には浮かんできません
鉢裏と足の様子
鉢裏の落款
資料によると「正志作」と読んでいるようです、私には「正志」のように思えるのですが
いずれにしても「水府散人」(本名・薄井正志)の代表的落款です
落款拡大図
この小鉢には鉢の内側の底にも落款が入っています
「水府散人作」と読めます、このほかにも「集亭録升」「志龍造」などの落款が有名です
さて、問題の傷の話に移りましょう
この鉢に出会ったときの喜びもつかの間、傷を発見!!
うっすらと見えたニューを確認するために「水」につけてみました
こうすると傷口から水が染込んでより鮮明に見えます(裏技ご披露)
さて、みなさん、珍品のこの「水府散人」小鉢をどう評価したらいいのでしょうか?
上のホツのある町直鉢のように「実用鉢」と割り切るのでは「水府散人」が可愛そうですし
かといって鑑賞鉢としてのコレクションでは傷が気になるところです
この様な場合には、小鉢界のおけるその作家の評価を考慮に入れた上で、作品の希少性や作柄の観点から検証してみて
資料価値があると判断できれば収集の一端に加えるこべきです
この「水府散人」の作品の場合、作家そのものの作品が希少で評価が高いことに加え
作品そのものが珍しい作柄であり、サイズ的にも希少性がある、そう判断したいですね
もちろん、価格面で考えれば、一般的にはホツよりニューの方が下落が大きく
その点からの大きな減点はやむを得ないでしょう
しかし、、小鉢界の歴史や「水府散人」の作風を知る上でも
このミニ鉢には小鉢界の資料としての価値は充分にあると考えられるのです
そういうことで、一口に鉢の傷といってもいろいろなケースがあるんですね
2004年12月28日火曜日
瑠璃釉鉢5態
2004年10月5日火曜日
大量仕入れ
「高齢のの愛好家が放出する小鉢をそっくり処分したいんだけど、そっくり買ってくれる?」
昨日親しい同業者から電話がありました
大きなダンボール四箱、ていにいに三段四段重ねに梱包してあったのを
中身はちょっと見ただけ、数も数えず「相手の言い値」で即決!
こんなときは業界きっての「値切りマン」と異名をとる盆栽.comであっても、微塵も値切りませんゾ
オイシイ話を持ってきてくれる人は「神様」ですから足元をみてはいけないのです
逆にその同業者に「お小遣い」をやりましたよ
次に続く「生きたお金」になります
ざっと並べてみると300はありそう
むこうさんは「200くらいかなー」と言ってたんですが、ここでもう幸せな気分
それにしても盆栽屋っていい加減の大雑把ですね
ざっとみて、標準のレベルを超したものばかり
これはいい買い物でした!(買値は秘密)
ぎっちり並べて畳二枚分、さっそく「宝探し」にかかりましょう
気分はワクワク、最高!
これぞ盆栽屋の至福の時なのです
ありました、ありました、お宝はピックアップして移動
向かって左の染付けの正方鉢、これができのいい宮崎一石ですゾ!
一山買いの中に入る品じゃないのに「間違い」か「おまけ」のどっちかです(ついてるー)
その上の丸は、清風与平の浮き彫りの白磁、かなりのレベル!
水府散人が2鉢
大助2鉢
町直20くらい(絶品1鉢含む)
その他中堅どころの実用鉢無数
そして、まだまだお宝ありそうです
というわけで、区分けに一日かかりそう
整理がついたら、ご奉仕価格で頒布しまーす
みなさーん、楽しみに待っててくださーい!
昨日親しい同業者から電話がありました
大きなダンボール四箱、ていにいに三段四段重ねに梱包してあったのを
中身はちょっと見ただけ、数も数えず「相手の言い値」で即決!
こんなときは業界きっての「値切りマン」と異名をとる盆栽.comであっても、微塵も値切りませんゾ
オイシイ話を持ってきてくれる人は「神様」ですから足元をみてはいけないのです
逆にその同業者に「お小遣い」をやりましたよ
次に続く「生きたお金」になります
ざっと並べてみると300はありそう
むこうさんは「200くらいかなー」と言ってたんですが、ここでもう幸せな気分
それにしても盆栽屋っていい加減の大雑把ですね
ざっとみて、標準のレベルを超したものばかり
これはいい買い物でした!(買値は秘密)
ぎっちり並べて畳二枚分、さっそく「宝探し」にかかりましょう
気分はワクワク、最高!
これぞ盆栽屋の至福の時なのです
ありました、ありました、お宝はピックアップして移動
向かって左の染付けの正方鉢、これができのいい宮崎一石ですゾ!
一山買いの中に入る品じゃないのに「間違い」か「おまけ」のどっちかです(ついてるー)
その上の丸は、清風与平の浮き彫りの白磁、かなりのレベル!
水府散人が2鉢
大助2鉢
町直20くらい(絶品1鉢含む)
その他中堅どころの実用鉢無数
そして、まだまだお宝ありそうです
というわけで、区分けに一日かかりそう
整理がついたら、ご奉仕価格で頒布しまーす
みなさーん、楽しみに待っててくださーい!
2004年9月11日土曜日
懐かしい本
20年ぶりに物置の大掃除を思い立ち
畳にして4畳ほどの小さな物置の中身をすべて引っ張り出してみました
家を建て直した20年前に、捨てるには惜しいし新しい家には収まりきれないもろもろを
そっくりそのままその年月だけしまっておいたような感じです
20年ぶりにあけるタイムカプセル
さぞかし懐かしいものや捨てるに忍びないものに遭遇するかと思いきや、意外や意外
捨てるに惜しいものやこの先とっておきたいもの、ほんの少々だったのです
まして必要なものときたら、まるっきり皆無の状態
子供の幼いころの図画や工作類
私の若いころのノートやスケッチブック、それくらいしか残すものはなかったのです
書籍類もほとんど捨てましたが、ふと目に付いたこの本
私がこの地に住みついて間もなく触れたものです、これはとっておくことにしました
昭和42年 「光芸社」発行 杉本佐七編
最近ふと身辺を見渡してみると
私が盆栽の道に踏み込んだ時期の確かな証のようなものが、極端に少ないことに気が付きました
当時からお付き合いしている親友と話し込んでも
何十年前のことはお互いの記憶の中に、それもかなりおぼろげにしか存在していないのです
こんなことに気が付いたのも「つれづれ草」を書くようになり
みなさんに佐野大助や今岡町直などの鉢作家の思い出話や解説をしていく過程で
確たる年代や人間関係を正確にお伝えする責務を感じるようになったからです
決して年のせいではありませんゾ!
この本は確かな資料としてとっておくことにしました
私が松戸市に移住したのが昭和41年、その翌年に購入したものです
ぱらっとめくってひろい読みしてみると、おもしろい記述がありました
ご紹介しましょう
「小鉢の収集」という題で明官俊彦氏の寄稿があり
その中の今岡町直の解説の項です
小平市で目下大いに焼いている。すでに三、四千枚もでまわっているだろう。
益子焼系統をつぐ作風で辰砂、青磁などのものが多い。
はじめは、ほとんど、手びねりのものだったが最近は角のものを作る。
中村是好さんと知り合い、鉢をつくるようになったといわれる。
10センチ×6センチで二千円から三百円まで。
(原文のまま)
おもしろいことにおおよその相場にも触れています
思い出してみると正確です
私は当時今岡氏の売店で、500円の手捻り鉢を数個買った確かな記憶があります
上等の辰砂釉の長方鉢が4000円でした!
若造には手が出なかった!!
畳にして4畳ほどの小さな物置の中身をすべて引っ張り出してみました
家を建て直した20年前に、捨てるには惜しいし新しい家には収まりきれないもろもろを
そっくりそのままその年月だけしまっておいたような感じです
20年ぶりにあけるタイムカプセル
さぞかし懐かしいものや捨てるに忍びないものに遭遇するかと思いきや、意外や意外
捨てるに惜しいものやこの先とっておきたいもの、ほんの少々だったのです
まして必要なものときたら、まるっきり皆無の状態
子供の幼いころの図画や工作類
私の若いころのノートやスケッチブック、それくらいしか残すものはなかったのです
書籍類もほとんど捨てましたが、ふと目に付いたこの本
私がこの地に住みついて間もなく触れたものです、これはとっておくことにしました
昭和42年 「光芸社」発行 杉本佐七編
最近ふと身辺を見渡してみると
私が盆栽の道に踏み込んだ時期の確かな証のようなものが、極端に少ないことに気が付きました
当時からお付き合いしている親友と話し込んでも
何十年前のことはお互いの記憶の中に、それもかなりおぼろげにしか存在していないのです
こんなことに気が付いたのも「つれづれ草」を書くようになり
みなさんに佐野大助や今岡町直などの鉢作家の思い出話や解説をしていく過程で
確たる年代や人間関係を正確にお伝えする責務を感じるようになったからです
決して年のせいではありませんゾ!
この本は確かな資料としてとっておくことにしました
私が松戸市に移住したのが昭和41年、その翌年に購入したものです
ぱらっとめくってひろい読みしてみると、おもしろい記述がありました
ご紹介しましょう
「小鉢の収集」という題で明官俊彦氏の寄稿があり
その中の今岡町直の解説の項です
小平市で目下大いに焼いている。すでに三、四千枚もでまわっているだろう。
益子焼系統をつぐ作風で辰砂、青磁などのものが多い。
はじめは、ほとんど、手びねりのものだったが最近は角のものを作る。
中村是好さんと知り合い、鉢をつくるようになったといわれる。
10センチ×6センチで二千円から三百円まで。
(原文のまま)
おもしろいことにおおよその相場にも触れています
思い出してみると正確です
私は当時今岡氏の売店で、500円の手捻り鉢を数個買った確かな記憶があります
上等の辰砂釉の長方鉢が4000円でした!
若造には手が出なかった!!
2004年9月1日水曜日
今岡町直変り鉢
町直鉢の人気が沸騰しているようですね
私のところへも、Yahooオクへ参加している若手の同業者から「町直ないですかー?」と電話が入ります
今岡町直が作陶を開始した時期は、昭和30年代の末から昭和40年にかけてであると推定され
すでに40年の歳月が過ぎました
初期のころの今岡氏を私は知っていますが、
伊豆の山中に窯を築いてから先の晩年の彼の生涯については、巷間でも知る人も少く
晩年は決して平坦な恵まれたものではなかったと仄聞しています
ともあれ、彼と同時期またはそれ以後に作陶活動をはじめた作家はたくさんいますが
その作品が今日まで盆栽界の厳しい評価に耐え、そして再び脚光を浴びることは稀なことなのです
ものを創作することは、大変な作業なのだと感じます
作者亡き後も、作品自体は盆栽界に存在し続け
必死に戦い続けているのです
「名人・名品」の称号はほんの一握りの人間と作品にのみ授けられ
ほとんどは実用の使い鉢として扱われ、鑑賞物として愛玩されることはないのです
また、例え「名人・名品」の称号の栄誉に輝いたとしても
それは遥かな歳月の過ぎた遠い未来であることがほとんどなのです
創作の喜びを知ってしまった作家にとっては、ちっとも苦にならないことなのかもしれませんが
常に鑑賞者として作品に接している私にとっては
生あるうちに評価されることの少ない芸術家の身の上を考えると
その矛盾に悲哀を感じると同時に、芸術に身をささげたその生涯に感謝せざるを得ない気持ちでいっぱいになります
今岡町直作 変り形丸鉢
左右に紐飾りの付いた巾着型
寸法は4×4×2.7cmのごく小さい豆鉢
初期の作品と思われます
そうですねー
昭和40年代の半ばに今岡氏が洗足池の風致会館で即売しているころの作品のようです
姿に手捻りの即興性があり、作者の創る喜びが伝わってきます
辰砂釉のきらめきが利いていますね
それに、白磁の質がいい
品のよい趣はここからきています
裏正面
ボディーのふくらみ具合に微笑ましい素朴な趣があります
紐も手際よくつけられた感じがして、熟練の技が感じられます
鉢裏の様子
かなりの使い込みの時代感があります
私のところへも、Yahooオクへ参加している若手の同業者から「町直ないですかー?」と電話が入ります
今岡町直が作陶を開始した時期は、昭和30年代の末から昭和40年にかけてであると推定され
すでに40年の歳月が過ぎました
初期のころの今岡氏を私は知っていますが、
伊豆の山中に窯を築いてから先の晩年の彼の生涯については、巷間でも知る人も少く
晩年は決して平坦な恵まれたものではなかったと仄聞しています
ともあれ、彼と同時期またはそれ以後に作陶活動をはじめた作家はたくさんいますが
その作品が今日まで盆栽界の厳しい評価に耐え、そして再び脚光を浴びることは稀なことなのです
ものを創作することは、大変な作業なのだと感じます
作者亡き後も、作品自体は盆栽界に存在し続け
必死に戦い続けているのです
「名人・名品」の称号はほんの一握りの人間と作品にのみ授けられ
ほとんどは実用の使い鉢として扱われ、鑑賞物として愛玩されることはないのです
また、例え「名人・名品」の称号の栄誉に輝いたとしても
それは遥かな歳月の過ぎた遠い未来であることがほとんどなのです
創作の喜びを知ってしまった作家にとっては、ちっとも苦にならないことなのかもしれませんが
常に鑑賞者として作品に接している私にとっては
生あるうちに評価されることの少ない芸術家の身の上を考えると
その矛盾に悲哀を感じると同時に、芸術に身をささげたその生涯に感謝せざるを得ない気持ちでいっぱいになります
今岡町直作 変り形丸鉢
左右に紐飾りの付いた巾着型
寸法は4×4×2.7cmのごく小さい豆鉢
初期の作品と思われます
そうですねー
昭和40年代の半ばに今岡氏が洗足池の風致会館で即売しているころの作品のようです
姿に手捻りの即興性があり、作者の創る喜びが伝わってきます
辰砂釉のきらめきが利いていますね
それに、白磁の質がいい
品のよい趣はここからきています
裏正面
ボディーのふくらみ具合に微笑ましい素朴な趣があります
紐も手際よくつけられた感じがして、熟練の技が感じられます
鉢裏の様子
かなりの使い込みの時代感があります
2004年7月11日日曜日
町直・豆盆五景
つれづれ草、しばらくご無沙汰してすみません
更新の途絶えた訳は、生活のリズムを変更したからです
詳しくお話しすると、私は早朝につれずれ草を書いていました
ところが、この三週間ばかり前から、早朝に散歩(歩行訓練)を始めたのです
HPを開設してから以来、週に5日くらいは励行していた散歩を怠けるようになり
最近、かなり足腰が弱ってきているのがしきりと自覚されていたのです
情けない事に、足は細くなるはお尻の肉は削げ落ちるは、おまけに息切れはするし
これじゃ、長くは持たんワイ
ところが、生活のリズムという奴はデリケートなもので
他の時間帯では、つれづれ草に集中できないのです、これにはまいった
というわけで、これから少しずつ調整していきます
よろしく
更新の途絶えた訳は、生活のリズムを変更したからです
詳しくお話しすると、私は早朝につれずれ草を書いていました
ところが、この三週間ばかり前から、早朝に散歩(歩行訓練)を始めたのです
HPを開設してから以来、週に5日くらいは励行していた散歩を怠けるようになり
最近、かなり足腰が弱ってきているのがしきりと自覚されていたのです
情けない事に、足は細くなるはお尻の肉は削げ落ちるは、おまけに息切れはするし
これじゃ、長くは持たんワイ
ところが、生活のリズムという奴はデリケートなもので
他の時間帯では、つれづれ草に集中できないのです、これにはまいった
というわけで、これから少しずつ調整していきます
よろしく
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私が20代の中ごろ、洗足池のほとりの風致会館で、何度か今岡さんにお目にかかったお話はしましたね
それ以後の作品と思われる楽しい豆鉢のセットを手にしました
みなさんと一緒に鑑賞したいと思います
今岡町直作 銘 「豆盆五景」
箱の寸法は間口15.4×奥行き4.3×高さ5.4cmです
小さいですよ
箱は桐製の上等品で、手前の色変わりの箇所は紫檀をかぶせてあり
下段には紫檀の組み立て式の卓台と地板が収納されています
華麗多彩なこの豆鉢セットには、明治の名工・竹本隼太と
大正昭和の名工・平安東福寺の影響が色濃く見られます
めったに共箱を作らない町直ですが、よほどの自信作であったのでしょう
まさに町直豆鉢の集大成とも言える究極の作品です
前面の框(かまち)に紫檀を施した高級桐箱
蓋の裏書
町直の署名入りの共箱は珍しいものです
付属の紫檀地板に飾った姿
金彩六角鉢
間口1.9×奥行1.9×高さ1.6cm
六角鉢にあでやかな金彩を施した町直の感性はさすがです
白磁正方鉢
間口17.×奥行1.7×高さ1.2cm
竹本ばりの白磁、生地も繊細、釉薬も透明感があり秀逸です
梅花皮(かいらぎ)長方鉢
間口2.2×奥行1.8×高さ1.3cm
「かいらぎ」とは、鮫皮のことです
桃花紅長方鉢
間口2.2×奥行1.8×高さ1.3cm
町直はこの釉薬を桃花紅と表現していますが、辰砂釉としてもいいでしょう
飛び青磁正方鉢
間口1.8×奥行1.8×高さ3.5cm
白磁に青磁釉を散らした奇抜な意匠です
私が20代の中ごろ、洗足池のほとりの風致会館で、何度か今岡さんにお目にかかったお話はしましたね
それ以後の作品と思われる楽しい豆鉢のセットを手にしました
みなさんと一緒に鑑賞したいと思います
今岡町直作 銘 「豆盆五景」
箱の寸法は間口15.4×奥行き4.3×高さ5.4cmです
小さいですよ
箱は桐製の上等品で、手前の色変わりの箇所は紫檀をかぶせてあり
下段には紫檀の組み立て式の卓台と地板が収納されています
華麗多彩なこの豆鉢セットには、明治の名工・竹本隼太と
大正昭和の名工・平安東福寺の影響が色濃く見られます
めったに共箱を作らない町直ですが、よほどの自信作であったのでしょう
まさに町直豆鉢の集大成とも言える究極の作品です
前面の框(かまち)に紫檀を施した高級桐箱
蓋の裏書
町直の署名入りの共箱は珍しいものです
付属の紫檀地板に飾った姿
金彩六角鉢
間口1.9×奥行1.9×高さ1.6cm
六角鉢にあでやかな金彩を施した町直の感性はさすがです
白磁正方鉢
間口17.×奥行1.7×高さ1.2cm
竹本ばりの白磁、生地も繊細、釉薬も透明感があり秀逸です
梅花皮(かいらぎ)長方鉢
間口2.2×奥行1.8×高さ1.3cm
「かいらぎ」とは、鮫皮のことです
桃花紅長方鉢
間口2.2×奥行1.8×高さ1.3cm
町直はこの釉薬を桃花紅と表現していますが、辰砂釉としてもいいでしょう
飛び青磁正方鉢
間口1.8×奥行1.8×高さ3.5cm
白磁に青磁釉を散らした奇抜な意匠です
2003年12月2日火曜日
町直瑠璃釉
今岡町直の瑠璃釉の楕円鉢
窯傷が少々ありましたが、色彩が抜群なので手に入れました
盆栽鉢において瑠璃釉は非常に人気が有ります
平安東福寺、平安香山、市川苔州、佐野大助など代表的な鉢作家は
例外なく瑠璃の鉢を焼いています
ところが観察してみると、それぞれに釉薬の色合いが、作家によって
また陶器と磁器によっても微妙に発色が異なっています
町直の場合も、瑠璃釉の作品が陶器も磁器にも存在しますが
お互いに持ち味が違います
この楕円鉢は磁器で、透明感のある澄んだ色合いです
同じ町直の瑠璃釉の作品でも陶器の場合は、透明感はなく
渋い光沢のイメージです
胎土の違いにより釉薬が微妙な変化を起こすのでしょう
そのあたりに気を配ると、また一味違った鑑賞の仕方ができるでしょう
透明感のある明るい瑠璃釉の町直鉢
ぐるっと回った銀色の窯変(ようへん)も魅力を添えています
「町」の落款
窯傷が少々ありましたが、色彩が抜群なので手に入れました
盆栽鉢において瑠璃釉は非常に人気が有ります
平安東福寺、平安香山、市川苔州、佐野大助など代表的な鉢作家は
例外なく瑠璃の鉢を焼いています
ところが観察してみると、それぞれに釉薬の色合いが、作家によって
また陶器と磁器によっても微妙に発色が異なっています
町直の場合も、瑠璃釉の作品が陶器も磁器にも存在しますが
お互いに持ち味が違います
この楕円鉢は磁器で、透明感のある澄んだ色合いです
同じ町直の瑠璃釉の作品でも陶器の場合は、透明感はなく
渋い光沢のイメージです
胎土の違いにより釉薬が微妙な変化を起こすのでしょう
そのあたりに気を配ると、また一味違った鑑賞の仕方ができるでしょう
透明感のある明るい瑠璃釉の町直鉢
ぐるっと回った銀色の窯変(ようへん)も魅力を添えています
「町」の落款
2003年10月12日日曜日
今岡町直の記憶
今を去ること30年以上前、日本小品盆栽協会東京支部の定例の集いが
東京は洗足池の風致会館で開かれていました
この項でなんどもお話したように、そのリーダーは
いま思うと戦後のミニ盆栽史の残る名愛好家ばかり
中村是好・明官俊彦・佐野大助・田代与志・岡田晃・・・・・・・とにかく豪華キャスト
そして、当時の売れっ子小鉢作家今岡町直氏も参加していたのです
端正な顔立ちの静かなインテリ風の人でした
今岡氏は自作の豆鉢を持参して販売していて
価格は500円から高いもので5000円くらいだった記憶があります
青磁に辰砂釉を二度がけした最高の出来上がりのものでも5000円でしたから
今思えば安い買い物です
しかし思い切って買えなかったですね、若僧には
私はそれでも、500円から1000円くらいの豆鉢を数個買った記憶があります
町直氏の作品は東京の愛好家を中心に根強い人気があり
程よく制御の利いた作風はミニ盆栽の引き立て役として 貴重な存在です
また、その優れた色彩感覚ゆえ、使い込むほどに輝きを増してきます
胎土の堅ろうさと焼き成りの精度は立派なものがあります
東京は洗足池の風致会館で開かれていました
この項でなんどもお話したように、そのリーダーは
いま思うと戦後のミニ盆栽史の残る名愛好家ばかり
中村是好・明官俊彦・佐野大助・田代与志・岡田晃・・・・・・・とにかく豪華キャスト
そして、当時の売れっ子小鉢作家今岡町直氏も参加していたのです
端正な顔立ちの静かなインテリ風の人でした
今岡氏は自作の豆鉢を持参して販売していて
価格は500円から高いもので5000円くらいだった記憶があります
青磁に辰砂釉を二度がけした最高の出来上がりのものでも5000円でしたから
今思えば安い買い物です
しかし思い切って買えなかったですね、若僧には
私はそれでも、500円から1000円くらいの豆鉢を数個買った記憶があります
町直氏の作品は東京の愛好家を中心に根強い人気があり
程よく制御の利いた作風はミニ盆栽の引き立て役として 貴重な存在です
また、その優れた色彩感覚ゆえ、使い込むほどに輝きを増してきます
胎土の堅ろうさと焼き成りの精度は立派なものがあります
2003年9月20日土曜日
鉢の時代感
盆栽の究極は古さからくる侘びサビを求めるものですから
当然その器物である鉢にも時代感が要求されます
時代の付いた鉢は、人の手で使い込まれた歴史と温もりが感じられるように変化してきます
無機質な器物が使い込みにより、命を吹き込まれ生き物になるのです
これは日本人独特の感性で、DNAに組み込まれたものの見方であると思います
今岡町直の青磁六角鉢です
数十年の使い込みにより、命を吹き込まれています
古色のつき方もそのものがより美しく感じられるような「模様」が大切です
縁のまわりと下方の縄目の帯のあたりに時代感が濃厚で
側(がわ)の面は地色(青磁の釉薬)が見てとれます
盆栽人が「いい時代だね」といえる、温もりのある感じが親しみを感じさせてくれます
どの面も均等に古色がついています
ていねいに使い込んだのです
数十年経っても小さい傷ひとつありません
当然その器物である鉢にも時代感が要求されます
時代の付いた鉢は、人の手で使い込まれた歴史と温もりが感じられるように変化してきます
無機質な器物が使い込みにより、命を吹き込まれ生き物になるのです
これは日本人独特の感性で、DNAに組み込まれたものの見方であると思います
今岡町直の青磁六角鉢です
数十年の使い込みにより、命を吹き込まれています
古色のつき方もそのものがより美しく感じられるような「模様」が大切です
縁のまわりと下方の縄目の帯のあたりに時代感が濃厚で
側(がわ)の面は地色(青磁の釉薬)が見てとれます
盆栽人が「いい時代だね」といえる、温もりのある感じが親しみを感じさせてくれます
どの面も均等に古色がついています
ていねいに使い込んだのです
数十年経っても小さい傷ひとつありません
2003年8月22日金曜日
町直鉢
今岡町直作
辰砂釉切立正方樹盆(しんしゃゆう・きったて・せいほう・じゅぼん)
私が盆栽をやるようになって初めて接した小鉢が町直鉢でした
当時、東京は洗足池の風致会館という場所に
中村是好、明官俊彦、佐野大助、田代与志、岡田晃などそうそうたるメンバーが集い
講習会や展示会を催していました
その集いに、ひよっこの私も何度か参加しました
そこで今岡町直氏が自作の鉢を販売していたのです
背の高い上品でハンサムな中年の紳士で
なんでも学校の教師をされているということでした
その頃の今岡さんの鉢には
500円から高いもので3,000円くらいの値段がついていたのを記憶しています
欲しかったけれど3,000円の小鉢は買えませんでしたね
せいぜい500円から眼いっぱいで1,000円くらいまでの小鉢を10個くらい買ったでしょうか
いま思い出すと、そのときの3,000円の小鉢は素晴らしい作品でした
町直得意の青磁に辰砂の釉薬が縁にかけられ、それが劇的に垂れていました
今では町直鉢もコレクターが手放さないため、いい作品を市場で見ることも稀になりました
もっと買っておけばよかった思いもしますが
35年も前の私にはそれだけの鑑賞眼もなかったし、先を見通せる経験もありませんでした
だいいち買ったとしても今まで持っているなんてことは、考えられませんね
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