2006年10月6日金曜日

荒皮性まゆみ

前項よりも若い素材を使って、もう一度荒皮性まゆみの仕立ての勉強をして見ましょう



根伏せで仕立てた素材
足元から上がって強い曲のあるところまでの高さが3.5cm

足元から2cmくらいまの木肌には縦割れの古びた感じが出てきていますね
これがこの荒皮性まゆみの最大の特徴なのです

基本の素材作りも非常に巧み
わずか3.5cmの短い寸法の間に微妙な模様が入って、決して単調な立ち上がりではありませんね

さらに、急激な模様がついて幹は下垂していきますが
この強い曲をつける作業は難しい技術が必要です



この角度から見ると、模様をつける際に前後の奥行きにも配慮していることがわかります
よろしいですか、奥行きのある曲が大切



後ろ姿からも、模様に奥行きのあることがわかります



白点は、来春先端を追い込んだときに新芽の吹きそうな箇所
このような箇所を「芽つぼ」と呼び、これを推測することは樹形作りの上で大切なことです

追い込む時には、この「芽つぼ」の手前で切り込みます
みなさんだったら、どの「芽つぼ」を使うでしょうね?

このような超ミニ盆栽を作るときの心構えは
たとえ5mmでも1cmでも、曲に間延びがないように短めに切り込むこと

ですから、当然中央の5つの「芽つぼ」が予想されますが
私だったら、そのうちの下方の3点から選びます



赤点を添えた箇所です、上の白点との距離は5mm
黄色い点を添えた箇所は既に長さ約1cmの胴吹き芽がありますから、これは将来枝として使えます

わずか5mmですが、この差は大きい!

たった5mmと考えはいけません
樹高3.5cmの七分の一と思ってください

この5mmがあとあとものをいってくるのです

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