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2020年4月9日木曜日

寒ぐみ鉢替え

2月の6日に木の箱に入ったまま皆さんにご紹介した寒ぐみの変わり木。ぐみの実の色が赤らんできたので、この実の色に映る青系統をさがして植え替えてみました。


盆栽の道においては、鉢の役目は非常に重要で、ただ根っ子が入ればいいと云うわけにはいきません。形も大小も、そして色彩も、さらには盆栽の持っている強弱などのイメージと調和するものでなくてはなりません。
そしてこのように植え替えた後になってみて、100%はおろか70%の合格点さえなかなかに難しいものです。
反省点
1 鉢がやや大き目のようです。
2 主木の向かって右の根の追い込みが不十分だったので、主木の位置が中心に近く
  なっている。
まずこの2点は言い訳のできないところですね。それに新品のピカピカでは趣がでていませんね。


実成りものの中では寒ぐみは渋い雰囲気の樹種ですから、やはりそれなりに古色感のある鉢を選びたかったですね。(身近になかったと言うような言い訳はダメ)


このようにジンやウロもあって寒ぐみとしてはずいぶんと古い木です。


後姿。寝の整理中に朽ちて主株から離れてしまって株も見えたので、根本から根あお整理し直しました。ですから当初の樹形とはかなり違っていると思います。

2008年3月12日水曜日

寒ぐみ

3年間手がけた寒ぐみ
ボディーもかなり太り枝の基本形も出来上がってきました

寒ぐみといっても葉性や枝性は固体によって微妙に異なります
この寒ぐみはやや大きめの葉ですが、それだけに太りやすい性質を持っています


むくむくと盛り上がった幹筋の量感と逞しい立ち上がりが圧巻です
枝配りの定石にとらわれず、大胆な構図を心がけました

一の枝に動きをつけ、ニの枝は裏側から後ろ斜め方向に差し出し
姿に奥行きを出すようにしたのです

この構図の取り方は、山取り松柏類の古木によく見られ
スケールの大きな大木感を表現するためにしばしば用いられます

樹高8.5cm


正面の拡大図


後ろ姿


手がけた当初は大きかった傷もほとんど治癒しました


矢印1 一の枝、一度上向き方向にしてから下向きに下げて動きを出しました
矢印2 間合いをとるためにつけた枝です、こんごも大きくしないように心がけます
矢印3 二の枝、斜め後ろ方向に導き、裏枝を兼ねています

赤点の印 ここから上は樹高の短縮のために呼び接ぎをしたものです
この枝が太るのに3年間の年月を費やしました

矢印4 重要な枝ですが、ちょっと長いので切り詰めましょう
矢印5 芯です、これ以上伸ばさずに芽摘みにより枝数をふやします


完成予想図

寒ぐみは樹性強壮で切り込みにもよく耐えますから
多肥多水で培養し、芽摘みと切り込みを励行して枝を細かく作りこみます

2008年2月27日水曜日

寒ぐみ改作

盆栽の三要素といえば
そう、いち幹、に枝、さん根張り、と昔からいわれますね

順番はともかくとして、三要素筆頭の「幹筋」の考察によって
重大な改作のヒントを得られることが多いのです


樹高12cmの寒ぐみ

足元の座が大きく、そのあたりの古木感がこの寒ぐみの最大の特徴です
しかし、幹筋はまだそれほどの力強さがありません

なんとかサイズを縮めて幹筋に力強さが欲しいものです
さあ、幹筋をしっかり考察してみましょう


左側が正面

白点を下から追っていくと
前枝として活用している枝を新しい芯として立て替え可能なことを発見

思い切って従来の芯を飛ばすことにします


従来の芯を切り離した図


正面から

いかがですか
幹筋はしっかりと通っていますね


切り口はしっかりと処理しましょう


又枝切りの後は切り出しナイフで丁寧に削りましょう
傷口には癒合剤を塗ることも忘れないように


左右の枝もバランスよく切り込みます
樹高は7.0cm

サイズが短くなったため、足元の力強さが強調され
小さいいながら姿に本格的な模様木としての風格が感じられるようになりました


当初の完成予想図

ほぼ理想通りに改作がなされたことがおわかりですね


足元の拡大図


後ろ姿

さあ、みなさん、ご自分の盆栽の幹筋を改めて考察してみましょう
改作によって樹格が大幅にアップするような素材が見つかるかもしれませんよ

2007年11月20日火曜日

美の発見・寒ぐみ

おもしろい寒ぐみの三幹を手に入れました

立ち上がった幹は案外に細いのに、座は不思議なほどに盛り上がって大きい
主幹の脇と後ろに2本の子幹が立っていますが、脇の子幹の愛嬌がすばらしい

それに比べて主幹は背が高すぎるため
せっかくの力強い座が生きておらず、全体にひ弱い感じがしてしまいます


正面の図

よく観察すると、主幹の中ほどにある前枝の表情がいい
そこから上の模様が甘く緩んだ感じです

注目の前枝を芯にできないか?
サイズが小さくなるとグーンとまとまりがよくなり、子幹とのバランスも絶妙だ


後ろの図
真後ろに子幹が立っているので足元が見えない


ティッシュで切りたいと思う主幹の上部を隠してみる
みなさん、いかがですか?


ペイントで後ろの子幹も塗りつぶしてみる

いける、いける!!

足元の座が生きて、力強さが出た
幹のコケ順や枝順もバッチリですね

切るのは来春まで辛抱します
樹高8cmの寒ぐみ双幹逸品がゲットできました!!

美は意外に身近なところに隠れているものです
さあ、あなたも見つけましょう

2007年3月6日火曜日

寒ぐみの取り木

取り木施術の適期は、2月の中旬から3月中旬ごろにかけて
次のチャンスは5月中旬から6月の初旬にかけてとお話しましたね

もっとつっこんだ話をしますと、取り木に詳しいプロ達は
この二つの適期を樹種によって使い分けています

2月から3月には、取り木は可能だが、発根に時間のかかる樹種
例えば、楓や獅子頭もみじなど

5月から6月には、発根が比較的容易な山もみじや出猩々など
もちろん、2~3月にはどちらも施術の適期です

さて、取り木の施術の続きです


ここが第三のポイント

皮を剥くためにのこぎりで切り込みを入れた切り口は、まだギザギザです
この箇所をよく切れるノミか切り出しナイフで、丁寧に切り直す

つまり、周囲の細胞がぐちゃぐちゃになったままでは
発根にムラがでるからです


こんな具合です
この場合で木質部までしっかり削り込むみ、形成層を完全に取り除くこと


鉢の底網で土手を築きます
ビニールでも仕立鉢でもよし、各自工夫してください


赤玉土に桐生砂を2割ほど入れた普通の植え土を
切り口のやや下まで入れたっぷりと潅水します


細かく切った水コケを水に浸し軽くしぼっり
押し込むようにしっかりと切り口付近を覆います


取り木施術完了です

術後はムロへ戻し普通の盆栽並みに管理
春になったら他の盆栽と同じくムロ出しをして、日当たりのいい棚上で培養します

切り口付近の水コケを乾燥させないこと、親木は普通の水量
これが第四のポイントです

では

2007年3月2日金曜日

寒ぐみ取り木

2月の中旬から3月中旬ごろにかけてが、取り木の第一の適期
次のチャンスは5月中旬から6月の初旬にかけてです

さて、今回取り木の施術をする材料は、寒ぐみ
親しい同業者のところでちょっと目に付いたもので、ちなみに価格は5千円也

これだから取り木の味をおぼえたら、たまったものじゃないですね
たったの5千円からだって、短期間のうちに、かなりの盆栽がゲットできるんですから


プラスチックの鉢に入った園芸用の素材です
しかし園芸品といったって、なめちゃいけない

この角度から見ると、中間から上は盆栽としての幹筋が通っています
ともかく私の構想通りに剪定してみましょう

注意)取り木をかける前には、枝葉は多くつけておくべきなんですが(そのほうが発根しやすい)
今回はみなさんが見やすいように致します(だからご自分のものは剪定しないように)


取り木計画

白線の箇所から取り木をします
向かって右の長い枝が一の枝で、左は株立ちにするための使います


この寒ぐみのように、ある程度の太みのある材料は、木質部まで達するようにのこぎりで切り込みを入れます
つまり形成層を完全に遮断するわけです、これが取り木成功の第一のポイント


下にものこぎりを入れます

剥皮の幅は幹の直径の1~2倍が目安すが、今回は2倍の幅にしました
幅が狭いと盛り上がったカルスで上下がくっついてしまい、失敗の原因になります


ぐるっと周囲の皮を剥いたら、青味がかった形成層を完全に削り取ります
これが成功の第二のポイント

木質部を削り取ってもかまいません
いいですか、完全に形成層を取り除いてくださいね

つづく

2005年1月29日土曜日

寒ぐみの鉢映り

秀逸な鉢映りの寒ぐみを手に入れたのでご披露しましょう



ちょうど見ごろの寒ぐみの実つきの様子、鉢は彦山人作
彦山人といえば山水画が得意なはずだと思う方もいらっしゃるでしょう

私も、彼のこのようなあでやかな色彩を施した作品に会うのは初めてですが
遠慮なく言わせてもらえば、山水画作品よりも評価出来る気がします

彼は私の住む松戸市の隣の市川市に住んでいるらしく、訪ねれば車で30分以内でしょうから
機会があれば訪ねて、このような作品を多く作ることを勧めたいですね

もっとも、作家という立場上、盆栽商人の助言には素直に耳を貸さないことが多いので
彦山人といえども、おそらく、私の勧めは聞いても聞かないふりをするでしょう

それはともかく、この寒ぐみは女性愛好家が持っていたものと聞いていますが
やはり、女性らしいお洒落な感覚の鉢選びです

どちらかというと渋い趣を持った樹種の寒ぐみですし
実つきの時期が比較的短いので、男性愛好家は木姿本位の鉢を選びがちです

つまり渋い樹種には渋い雰囲気の鉢
焼締めの南蛮風などをつい選んでしまうのです

ところが、この場合は、この樹種が一年で一番輝くときに標準をあわせました
みごとな一発勝負が功を奏し、実と鉢の色彩がお互いを引き立てあって秀逸です

2003年4月12日土曜日

寒グミ





寒ぐみは実物盆栽のなかでも、ぐっと渋いものの代表です
灰褐色の木肌や芽出しの色も地味系です
故に渋好みの人に根強い人気があります

両花性なので自家受粉でもよく実がつきます
水も肥料も多めで管理し
本格剪定は6月ごろおこないます
ベテランのひとは、剪定と同時に葉刈りをおこない、姿を整えています

6月以後の剪定は、徒長枝を摘み込むだけにしておきます
花芽を守るためです

真冬に白い小さな花を咲かせ
灰褐色の実がしだいに赤味を帯びていく様子は楽しいものです

春芽出し前に古葉を取り除いて裸にし、軽い剪定をして姿を整えてやれば
年に二回の追い込みができます
そのためには常に木に元気をつけておく必要があります

丈夫で作りやすい木ですから是非とも挑戦してください