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2016年3月4日金曜日

植替え回数の目安

植替えの間隔について、「何年に一回やるの」「何年おきがいいの?」とか
盆栽人たちの間でかわされる大切な情報l交換の会話はよく耳にしますね

私もこの手の質問はよく受けます

そんなときは、一般的マニュアル本にもあるように
雑木や実物花物は隔年(一年おき)、松粕類は二年おき(あいだ二年)が目安とお答えしますが

じっさいには樹勢や根の回り具合など、さらには用土の疲弊具合などを
総合的に考慮に入れて決めるのがよりよい方法だと思います


例えばこの山もみじの超ミニですが、二年前に植替えており
基本通りにやってきたわけですが

根の回り具合、用土の疲弊の度合いなどを検証してみると
ちょっと根詰まりぎみだし土もやや傷んでいます

まったなし、今年は植替えをすべきだ!!
とそく結論が出ました


次に手にしたのはこの楓ですが、おそらくあいだ三年くらいは植替えを怠けた感じで
このように根がびっしりと幾重にも回ってすごい状態

しかし、色はきれいで根腐れの兆候はまったくありません

もちろんこの楓も、植替えの時期はとっくにきているんですが
ちっとも不健康な感じがしないから不思議ですね

このように、根の健康状態は一概には決めつけられず
各鉢によって千差万別ともいえるのです

つまり、植替えの回数や時期はマニュアルよりも
実際の観察を優先させて行うべきなんですね


というわけで、今年も植替えの季節がやってきました
もう保護室がなくとも大丈夫ですね

一鉢一鉢の健康状態を確かめながら
植替えに励んでください

2016年2月19日金曜日

取り木素材の本植えと処置

立春から約半月が経ち
いよいよ植替えシーズンの到来という気分が盛り上がってきました

今年は暖冬のせいもあって早めに始めようとはしていたのですが
やっぱり寒が明けないうちは、気分も身体にも弾みが来ないというのが正直なとことです

10日ほど前からとりかかったのがまず舞姫もみじの取り木素材
昨年取り木して入梅から夏にかけて親から外し、仮植えしておいた分の処理と本植え

過去の参照記事

1  2


太めの親指くらいの舞姫もみじの素材
八方によく発根しています

何といってもこのヘソの部分の処理が一番大切
できれば今年中に完全肉巻きをねらいます


下からばかりでなく上根(うわね)もしっかり攻め
周囲の根が高さを揃えてやりましょう


高い位置から発根した根は切って、高さを揃えます


こんな感じですね
木質部を囲む円状のカルスが発達してヘソの部分を覆います


発根した根も恐れずに短く追い込みます
枝と同じように根も徒長させてはいけませんね


彼岸ごろまでの寒さや乾燥はまだまだ厳しいです
理想は湿度のあるビニールハウスですが、最低限冷たく乾燥した北風からは守ってやってくださいね

それでは!

2016年1月28日木曜日

寒中の植え替え準備

寒明け(春分の日)を本格的な植え替え開始日と決めているので
物置状態に雑然と散らかっている小さなビニールハウス(4坪)の整理整頓を始めました

今まではハウスの中にトンネルを設けて二重に防寒していましたが
舞姫など背の高い取り木素材などは高さが足りずに頭がつかえてしまいます

そこで思い切って90㎝ほどの高さをとって
木枠に足をつけた形で長方体の簡易な保護室を作りました

作業の開始が午後やや遅めだったので夕方の寒さはこたえましたが
暗くなるころには何とか出来上がりました

過去の参照記事

2009/7/25  2013/1/14  2013/1/20  2013/2/14


足も奥行きも90㎝ですからサイズ的には申し分ありません
ただ体裁的にはトンネル状には適いませんが、まずは実用本位でいきましょう


ご覧のように内部から見ると、細い垂木でまるで簡易な作りですが
高さは90㎝もありますから使い勝手の面は心配いりません

数日前に試しに植え込んでみた舞姫素材(70~80㎝)は
今季に先端部を取り木して超ミニ盆栽素材(5㎝以内)をゲットする計画ですからピッタリです

2月の末ごろにはこのトンネルの中は
植え替えられたミニ盆栽たちでいっぱいのはずですよ

がんばりまーす!!

2015年4月3日金曜日

黒松植え付け

関西から東京へ赴任したおり可愛がっていた幾鉢かを連れて来たけれど
仕事が忙しくて手が行き届かないという愛好家さんが手放された黒松

なんかパッとしないんだな
古くって木肌もよく荒れているし、いいとこあるのになー!?

そんな中途半端な印象を持ちながら
数日眺めていたんです


樹高約20cmで全体としては双幹体になっていて
ご覧のように鉢持ち込みが古いため、、松柏類には珍しく根は盤状に発達しています

ただ、お仕事がメッチャ忙しいため水やりが不均衡とのことで
全体的に樹勢が抜群とは云い難いところです

このように新しく手に入れた盆栽は、おおよその培養計画が見えてくるまで
じっくりと観察を続けることが大切です


ということで、この黒松は植え替えを行うことが決まり
今年一年間の樹勢回復を目標にします

根全体にバクテリアがビッシリと繁殖して予想外の良好状態
正直、鉢から抜いて根を見るまでは、てっきり根腐れしていると思い込んでいたんですよ

これじゃ、ちょっと値段が安す過ぎましたね
悪いことしちゃいましたm(_ _)m


この黒松の植え替えのポイントの第一は、植え付けの高さ
今までの植え付けが低めなので、せっかくの足元の力強さが目立ちません


ですから、土と根をほぐす場合に底をあまり追い込んではいけません
反対に鉢の表面、つまり上根(うわね)の部分をできるだけ削り取るよにします


土と根のほぐし完了


あらかじめ鉢底にゴロ土と粗めの用土を
やや多めに敷いて高めに植え付けます

植え込み完了の図↓を一番上の作業前の図と比べてください
盤状に発達した足元がよく見えてグーンと力強く感じられますね


植え込み作業完了の図


後ろ姿

ちなみに、黒松の植え替えは今が最適ですね
バンバンいきましょう!!

2014年9月30日火曜日

植替え不足の応急策

今春、すでに植替え時期を過ぎてしまったころに
高齢(90歳)で、もう面倒がみられないという愛好家さんから譲り受けた25鉢の五葉松

ほとんどが幼苗から仕立てたということで、樹形はなんとなく素人っぽい感じですが
樹齢が40~50年の古さかくる素朴な味わいがあり、どの鉢もどこかにイイところを持っています

培養の状態からみると、いずれも植替えと古葉透かしの不足が目立っていましたので、これを処理
入梅明けの夏の盛りには寒冷紗の下に置き、水やりにはかなり気を使いました

ちなみに、五葉松では過水は絶対避けるのは鉄則ですが
かといって、極端な水切れはもちろんいけませんね

ということで、今年は足早に秋が来て、施肥も行い作柄はまあまあとみうけられていたんですが
涼しくなって湿度が下がってくると、暑い夏の盛りよりもかえって鉢土の乾燥が気になってきました

詳しく言いますと、ほとんどの鉢が植替え時期が過ぎており
その上に根元の土がコチコチに固まっていて、足元付近には水が浸み込んでいない状態です

植替えの際に根の底の古根や古土をよくほぐしておけば、このようなことにはならないのですが
持ち主であったおじいちゃんの植替えの癖でもあったのでしょうね(根の外側だけさばいて植替えていた)

いまの状態では冬越しが不安です
冬期は湿度が低くなり思わぬ乾燥で失敗しますからね

鉢の表面は湿気があるように見えても
根の芯がカサカサに乾いてしまい、寒さとの二重苦で衰弱してしまうんです

ということで、来春の彼岸ごろの植替え適期までの応急策を考えました
みなさんには、ちょっと怖いような荒技になりますが、参考にしてください


90歳の大ベテラン愛好家さんが、幼苗から仕立てた五葉松、推定樹齢は40年以上
今どきは珍しい直幹樹形ですが、あの当時は直幹体が大流行していたんですよ


樹高70cm

現在の正面より少々左に振ってやると
左右の枝の長短強弱に統一されたリズム感が感じられるようになります

来春の植替え時には楕円の浅鉢に入れるつもり
木肌の古色感と根張りのよさに味わい深いものがあります


全体の葉色はいいのですが、勢いの弱い芽がご覧のように少しずつ枝枯れしています
原因は根元の底部の土が固まっていて、根の芯に水が行きわたていないからですね


さて、作業にかかりますが、用意するのは電動ドリルと先端のビット
図で取りつけられているのは、口径が1.5cmのビットで下は0.5cmのもの

ミニ盆栽専門であれば千枚通しや手もみのキリでも十分でしょう


根張りを傷つけないように、根の底部中心を目がけてやや斜めに穴を開けます
ビットの先端が鉢底に達するまでの深さが望ましい

それと、作業の前にはあらかじめ鉢をやや乾かし加減にしておくこと
用土が湿っていると、吐き出される土が粒状ではなく泥団子状になってしまいます


長い年月足元の土をほぐしてこなかったのでしょうね
ご覧のように粒状ではなく粉末状の土屑が出てきます

これでは根の芯に水も空気も入りにくく
根は窒息状態になってしまいます


足元の周囲に7~8個の穴を開けました
土屑が元の穴に戻らないように、上手く掻き出してください


赤玉土プラス桐生砂の普通の植え土(中粒)を入れる
竹棒で突きながら奥まで生き届くように


すべての穴を植え土で塞ぐ


以上で作業は完了ですが、言い残したポイントも改めて挙げておきましょう

1 作業の時期はいつでも可能(この穴開けによる根の切断では樹勢に影響はありません)

2 五葉松の古木では、あまりに根の周囲の固まりがひどい場合
  次の植替えで固まりの100%を一度にさばかず、半分もしくは三分の一ずつ数回に分けて行う方が安全

3 この応急策は、鉢が小さ過ぎて水やりが間に合わなので大きめの鉢に一時入れておく
  その場合とは条件や目的が異なります
  あくまで、根元の鉢土が固まって芯に水や空気が流通しない状態を解決する方法ですね

よく水が浸み込んでいきますよ

それでは!

2014年2月21日金曜日

植え替えのポイント(超初心)

水やりや剪定と並んで、盆栽が盆栽であり続けkるためには
植え替えがもっとも大切な作業であることを、すべての盆栽人が当然心得ていると思い込んでいる私ですが

この基本中の基本作業もまったく知らない超初心の愛好家さんに
ごくごくたまーに出くわすこともあります

つい最近も、盆栽に関心を持ち始めて間もない方から
なんのために植え替えをするのか、と真っ向から質問を受けてちょっとばかり面喰いました

1 植物の根を切ることにより、古く老朽した根を新しいものに更新し
  樹の勢いを保ち続ける(再生能力を利用した生命力の維持)

2 同じく、老朽した用土を新しくして
  水や空気の流通をよくして根の成長を促す(環境管理による成長の維持)

3 鉢内の根の不均衡を矯正し
  盆栽がバランスよく育つようにする(盆栽樹形の美しさの維持)

などなどルルご説明させていただいたが
果たしてご理解いただけたか?

そのことが契機になったのでしょう
ごくごく超初心の愛好家さん向きに、植え替えの超基本の記事を書く気になりました



植え替え作業のポイント
水穴をふさぐために底網

目の粗いものと細かいものが市販されています
用土の粒の大きさによって使い分けましょう



鉢の水穴から底網がずれて、用土が漏れている素材に出会うことがあります
ちょっと太めの針金で底網ずれ防止の止め金を作りましょう



こんな感じにキッチリ止めましょう



この止め金が本式ですが
ずれなければどちらでもよし

次に、根を固定するための針金を用意します
根を縛る針金が2本用と4本用



水穴が1つの場合



針金が2本
水穴の裏側のようす



水穴が2つの場合
縛る針金が4本だと植え付けがしっかりするのでお勧めです



水穴が1つで縛る針金が2本の場合、植え付けた盆栽が不安定になりやすい
そんな時は体裁にとらわれず、植えた盆栽が揺れないように、とにかくしっかりと固定するのが先決です

入梅過ぎるころには新しい根が鉢内で伸張して盆栽が安定しますから
補助の針金を切り取っても大丈夫ですよ



根の少ない挿木素材などは、水穴から通した針金で縛っても効果がありませんから
図のようにビニール紐で固定するのがいい

この場合も、入梅過ぎには苗も安定しますから
紐を切っても大丈夫です



水穴が1つで縛る針金が2本の場合で、取木素材で根が少なかったため
下方の枝に針金を持たせて固定しました

これも体裁よりも実質を重視した方法
かっこ悪いけれどこれが一番なんですね

以上です

最後になりましたが
とにかく植え付けにおいては、盆栽がぐらつかないことが活着の第一条件であることを肝に銘じてください

そのためにあらゆる知恵を出して
ご自分なりの方法も工夫してくださいね

では!

2013年5月25日土曜日

くちなしの植え替え

2週間ほど前、新芽の先を止め古葉の半分ほどを軽く葉刈りしたクチナシ
そろそろ本格的に活動を始めたので、植え替えにかかります

前項の「杜松の植え替え」を参考に


圧倒的なたくましさのクチナシの古木
枝順や輪郭線など、盆栽として一応の完成度をみせているので

今後は、樹勢をキープしながらひたすら気長に培養し
盆栽としての樹格の向上を目指します


まだ水は通りますが、鉢土の表面の汚れ具合から、今年は植え替え時と判断していましたが
鉢から抜いて見ると、やっぱり上層部の土はほとんどご覧のように真っ黒けです

このような状態では、鉢土の乾き具合もわかりませんし
ゆくゆくは根腐れの原因にもなりかねません

来年まで我慢しなくてよかった!
でも、幸いなことに、肝心な下部の根はご覧のようにきれいで健康そのものです


このように鉢土の表層部の汚れが激しい場合は、まずそれらの汚れた土を削り取る作業から入りますが
作業前からやや乾かしぎみにしておき、まずは軽くはがすような要領が大切です

また、根の部分を持つ手指にあまり力を入れないこと
汚れた上部の土と健康な下部の土が団子状に混じってしまうからです


上部の汚れた土をはがし根さばばきが終ったら
底部と周囲の根をほぐしにかかります


底部の根の状態はきれいで健康そのもの
よく発達しているので、順序よくていねいにほぐします


鉢底の根を追い込みます

赤印の根は、まだ横に這っている状態ですね(切り口が楕円形)
これではまだ切り込みが浅いので、さらに短く切り詰める必要があります

青印のように、切り口が下を向いている状態が正解(切り口が円形)
竹箸で土をほぐしながら丁寧に行う作業です


根さばき完了


植え込みのにかかります

この段階でのポイントは、植えつけ角度を間違えないために
前後左右から何度も確かめることです

また、最低でも2ヶ所くらいは鉢底から針金を通し
木ぐらつかないように、しっかりと固定すること


植え付け角度が決まって固定されたクチナシ

なお、植え込みの具体的な方法は、過去のつれづれ草において
黒松を教材にして説明していますから参考にしてください

植え込みの実技     


植え込み完了

術後の培養管理のポイント

1 置き場所は一週間ほど半日蔭

2 水を絶対切らさないように(厳守)

3 施肥は一ヶ月以上経ってから(厳守)


では