2003年10月22日水曜日

六角鉢正面1

丸鉢の正面は足を基準にすることの意味をわかっていただけましたね
さて六角鉢ですが、この場合も丸鉢に倣(なら)って足を正面にするのが定石です
やはり足が左右に開いた位置は、足の正面が見えませんね
「足の正面が鉢の正面」です

六角鉢の場合はこの角度ですと、角が正面にきてしまいますが
それを気にすることはありません
あくまで、足が正面から見える位置を鉢の正面にしていくのが、伝統に倣った作法です

1)薩摩香炉丸の鬼面足の部分

下の伊万里鉢の真ん中は丸鉢で、左右は六角鉢です

2)伊万里三態

これが正しい正面です

3)小糸泰山六角

この小糸もこの位置が正面です

4)市ノ倉石州六角

問題の六角鉢の六本足の場合も胴ではなく、足を基準にして正面を決めます
上が正しい正面

5)市ノ倉石州六角

足が4本見え、安定感と広がりを感じる角度ですが
ここは正面ではありません
みなさんが一番迷うところですが、自信を持って4)の角度を正面にしてください

もしここが正面とすると、丸鉢の「足の正面が鉢の正面」という基準が
他の形、すなわち輪花式や古鏡型において解決が付かなくなります
それらの形においてはすでに「足の正面が鉢の正面」という原則は盆栽界の常識として定着しているからです

わかっていただけましたか?

6)紫檀丸卓

以上の常識は卓台についても同じです
この丸卓も足を正面にするの定石です
足の形と細工がよく見える角度ですね

7)紫檀丸卓

この丸卓も五本足ですが、その一本の足の正面が卓台の正面です

8)紫檀丸卓

珍しい六角の卓台ですが、鉢に倣って足を正面にします

以上、著作権の問題もあって写真集からの引用はままならない現状なので
現時点ではこのすくないサンプルでご勘弁願います
1)、4)、5)以外は権威ある展示会の写真集より引用させて頂いてものです

また、六角鉢もしくは八角鉢については、足が角ではなく胴の中ほどについている例外もたまには見かけます
その場合も「足の正面が鉢の正面」という定石は守っていきましょう(この場合は胴が正面にきますね)

ですから、六角鉢は角が正面というより「足の正面が鉢の正面」という表現の方がより適切ですね
改めて訂正して確認しておきます

わかりやすいサンプルが手に入ればこの項は順次続けてお話していきます

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