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2004年3月22日月曜日

土佐水木荒治療

教材の土佐水木は、すでに完成されていた盆栽でしたが
幹や枝の骨格部分をさらに太らせ、スケールの大きな本格的小品盆栽とするために
大きめの仕立て鉢に入れて培養していたものです

骨格の充実という目的はほぼ達せられたので、ここで化粧に移し
再び盆栽としての道を歩むことになります


仕立て鉢の中にぎっしりと廻った根
この根の量なら幹や枝は太りますね


用意した化粧鉢、この鉢に合わせ根を切らねばなりません
こんなとき、怖くなって大きめの化粧鉢を選びがちですが、勇気をもってやってください

一気にピッタリの鉢に入れてしまいましょう
ここで大きめの鉢を選んでも、いずれはやらねばならない手術です(一発で決めた方がイイ)


まず底部を切り出しナイフや小型の包丁で根を切ります
竹箸でほぐしていたのでは仕事が進みません


根の周囲も鉢の大きさに合わせザクザクとナイフを入れます
細根が充実していてけっこう力が要ります


あらかた入りそうな大きさになりましたね
さて、これからが大切です


竹箸で土をほぐしにかかります
まず表面から始め、根の張りを確かめます


根元の表土はパンパンに固まっているので、丁寧にほぐします
このままでは根元に水がしみ込んでいきません(重要)


底部を攻めます
まだ粗い根が見えます

太めの根は遠慮なく追い込みます


こんな感じです


しっかり針金で固定してから用土を入れます(赤玉土8:桐生砂2)
樹がぐらつくと根付きが悪い


根をあれだけ追い込んだのですから、枝も切り込みます
芽当たりのあるところまで、バッサリといきます

根を追い込んで枝はそのままではいけません
根と枝の量のバランスが崩れます

ちょっとばかり荒治療でしたね
でも一ヶ月もすれば手術の後遺症も癒え、元気になるでしょう

小品盆栽では、鉢をゆるめ数年遊ばせ、再び躾をし直すことが必要なときがあります

1 幹枝を太らせさらに迫力ある骨格を作りたいとき
2 衰弱しかかったものを元気にしたい場合
3 大きな傷を肉巻きさせたい場合

※大きめの鉢に入れるときには、ごろ土をタップリ使い水はけよく植えること

2003年10月18日土曜日

土佐水木の花芽


土佐水木の花芽

夏の間は青々と繁った葉に隠れて見えにくかった丸い土佐水木の花芽も
秋も深まり葉の勢いが衰えるとともに、小枝の先端に目立つようになりってきました
土佐水木の魅力は白粉を塗ったような幹肌と丸い花芽をつけた落葉後の木姿です

盆栽向きの品種には土佐水木と伊予水木があります
伊予水木の方が葉、花芽ともに小さく小枝も細かいのですが
土佐水木の方がより多く仕立てられいます

性質は足元に芽が吹きやすいので株立ちに向いていますが
最近では単幹も見かけるようになりました
水も肥料も多めで管理します
夏場に水切れをさせないように注意します

花後に本格的な剪定を行います
春から入梅にかけては徒長枝以外の芽は摘みません
二番芽には花芽がつきにくいからです

2003年9月29日月曜日

土佐水木開花




土佐水木の花が咲きました
丸い蕾がほころんで、房状の花が藤のような感じに下垂して咲きます

土佐水木は昔から私の好きな樹種の一つです
第一の魅力はその白い木肌です
また小枝の先に丸い花芽をつけた落葉後の寒樹の姿もいいものです
夏の間は大きめの葉に隠れていた繊細な小枝が姿を現す晩秋の頃は、期待で心が弾みます

培養にあたっては夏に水を切らさないようにすることが、何よりも大切です
肥料も多めにやります

盆栽は過剰な勢いは押さえねばなりませんが
水木の場合はあまり制御してはいけません

やせさせるとふところに芽が吹かなくなったり
枝枯れをおこします

早春の彩りとして、ぜひ培養してみてください

2003年3月31日月曜日

土佐水木の剪定


土佐水木
今年は花芽がつきませんでしたが培養上ではけっこう成果が上がりました
小枝が増えたことが何よりの成果です

今が剪定の適期です
枝を整理して新芽の出るの待ちます


まず不要な枝は徒長した立ち枝です
ちゅうちょせず元から切り取ります


立ち枝や真下へ向いた枝の整理のあとに、全体の枝の切りこみにかかります
そのときにもっとも心がけるのは、残す芽の方向です
千枚通しの先で示している芽は残す芽です
この芽はやや下向きです

切り込みで自然な枝ぶりにしていくには、上向きや真下向きの芽でなく
やや下向きかげんか水平方向の芽の手前で切り込みます(これが基本中の基本)




その繰り返しです
一にも二にも残す芽の方向が大切です
(真上や真下方向はダメ・やや下向きか水平方向の芽を残す)

完成図です

2002年8月30日金曜日

この木の歴史


土佐水木の株立ちです

このような古い木をよく観察すると
この木の歴史(生い立ち)を知りたくなります

現代の小品盆栽のほとんどは、人の手によって作り上げられたものです
ですから、ある程度の経験を積むとその木の生い立ちを推測することが出来るようになります
実生、挿し木、株分け、根伏せ、取り木,山取りなど
どんな方法で繁殖したものかもおおよそわかってきます

株立ちにしても、元になる幹の根元から吹いたやご芽で副幹を作ったものか
寄せ植えの根元が甲羅状にくっついて株立ち状になったものか
あるいは複数の枝別れの箇所を取り木して作ったものか、等々が推測できます

ところがこの土佐水木のように珍しい樹形であるうえに、このくらい古く培養されたものは
生い立ちがわかりにくいですね

土佐水木は実生か株分け、または取り木で繁殖するのが一般的ですが
気になるのは、最初の作者はどうやってこの木を作りはじめたのか
また、現在のような姿になるまでにどんな過程を経てきたのか
知りたいですね

よく戦前の姿と現在に至るまでの軌跡を追った名木の写真などを見ると
これが同じ盆栽か、と思えるようなものがほとんどです
そんな時、私は歳月の力と盆栽の生命力に感動します

この手のひらに乗ってしまう小さな土佐水木も
我々の知らない数十年の秘めた歴史を持っているんですね
そう考えると、このかわいらしい小品盆栽が、いやに大人びた神秘的なものに見えてきます