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2021年3月1日月曜日

野梅の樹皮


梅の盆栽といえば、これはもちろん野梅の系統に限ります。樹勢が強壮で枝が細かく盆栽として樹形を作りやすいのです。古く培養することによって皮肌はイボ状に荒れ、次第に雅味が感じられるようになります。木質部は固くサバ状になっても容易に腐らず、その様子が梅盆栽の特色となっています。


樹高32×左右25㎝

市内の盆栽愛好会の古老が何と半世紀の長きに渡り愛培してきた野梅を譲り受けました。
本格的に木肌がイボ状に荒れるまでに、梅は100年かかるといわれますが、確かにそのようですね。


根を洗い用土をすっかり取り換えて、水はけよく植え付けました。これで元気がでるでしょう。


頭の部分が二つに分かれていて、芯の位置が決まっていません。芽の吹き方と伸び方によってまだまだ樹形は変化していくでしょう。


サバ状になった幹筋の暴れ具合もこれからの変化が期待できます。


後姿


後姿の立ち上がり付近。


野梅としては花(白色一重咲き)の咲きやすい系統の様です。
これからの樹形の変化が楽しみです。

 

2019年1月12日土曜日

梅・一重咲きと八重咲き

いっぱんに日本を代表する花と問われれば桜と答えるでしょう。今ではこれは日本人の100人中100人に異論のないところです。ところがこれと同じ質問を盆栽人にしたとなると、梅と答える方のほうが多いのではないでしょうか。梅か桜かの好みは別として、盆栽に向いた樹種の素質から考察すると、これは圧倒的に梅に分があります。

まずは、①梅は寿命が長い②梅は桜と異なって、樹性が強壮で切り込みに強い ②木質部が堅いためサバ状になっても朽ちて崩れることはない③徒長しにくいので締まった盆栽樹形を作りやすい。

ところでその人気の梅には花が一重咲きのものとやえざきのものがあります。その見分けのポイントを知っていると思わぬ得をすることがあるので、ついでに教えて差し上げましょう。
膨らんできた蕾を1個黒っぽい紙の上でほぐす。蕾をくるんでいるガクを安全ピンやピンセットの先でていねいに外す。

花びらを一枚ずつ傷つけないように剥がす。一重なら 5枚の花弁ですから、この場合は八重咲の可能性が大きいということですね。

このように枝の細いものは花蕾も小さく一重咲の可能性がたかい。それでは↑でやったように花蕾をていねいにばらしてみましょう。

蕾が小さいのでうまくばらせませせんが、どうやら5弁の花びら、つまり一重咲のようです。

この方法で調べると花の色調も調べることができますね。知っていると得することが多いですね。是非是非蕾の検査をやってみましょう!

ついでに、盆栽の格言を一つ

桜切るバカ! 梅切らぬバカ!

2009年3月5日木曜日

天草野梅改作

花物盆栽の王者といえばやっぱり梅

なかでも野梅は、凛とした清楚な花、枝打ちのよさ、皮肌の雅味
さらに切り込みに強く盆養によく耐える強壮な性質など、盆栽人が喜ぶ要素に満ちています

甲州野梅、天草野梅、房州野梅などと自生地名で呼ばれることが多く
自生する地方により性質がやや異なり、それぞれに優れた特徴を持っています

さて、盆栽人にとってさらにおもしろいのは、樹勢が強壮で大胆な改作が可能なため
出会った材料の優れた素質を見極めれば、いきなりビックリするほどの逸品に変貌させることもできるんです


九州の天草地方に産する天草野梅、実生から鉢の中で20年以上作りこんだ素材です
出会ったとたんにピリピリと感じるものがありました



1 根張りがよく、捻り気味の立ち上がりに力と動きがあります
2 腰元の強い一曲が魅力、そしてサバ状の部分も雅味いっぱいです
4 直感的に一の枝はこれだ、と感じました
  徒長気味ですが気にする必要はありません、呼び接ぎや芽接ぎで短縮は容易です
5 コンパクトな二曲目も緩みがなく最高です

以上秀逸な素質がいっぱい
野梅としては稀少な10cm以内のミニがゲットできそうです


一の枝の近くにある2本の立ち枝を切る
この場合、元を数cm残しておきます


切り残しの部分をヤットコで捻るようにむしり取る


古色感を見どころの第一に考える野梅には、生々しい傷口は似合いません
むしり取ってほうが、自然に朽ちたような古木感が出ます

他の雑木類と異なり、野梅はサバ幹は魅力の大切な要素
太い枝ほどむしり取って、朽ちたように演出しましょう


無駄枝をの除いていくと、ボディーの動きがさらにはっきりとしてきました


現状での改作はここまで、植替えて完了とします

こんごの計画

1 上の白点が新しい芯の予定地点
  胴吹き芽が吹かない場合は、呼び接ぎ(今年の夏)か芽接ぎ(来春)を実行する
2 一の枝も同じ施術によりコンパクトにする
3 下の白点には既に胴吹き芽があります



後ろ姿にも優雅な模様があります


赤点の箇所が接木予定の位置


完成予想図(樹高10cm以内)
3年くらいで基本の骨格は完成します

荒っぽい大改作の適期です
身の回りに梅の材料をさがしてみましょう

チャレンジ!!

2008年12月15日月曜日

野梅と福寿草

千葉県松戸市では、今朝方の冷え込みは今年最高で、庭の水瓶に初氷が見られました
冬囲いが終わったいてよかった!

ところで、師走も半分が過ぎ松竹梅や福寿草が目につく季節になりましたね
そこで今日はお正月用の梅と福寿草の寄せ植えをご紹介しましょう

松竹梅よりも簡単に楽しめ
その後の管理も楽なのでお勧めです



持込の野梅を鉢からすっぽりと抜き、福寿草を植え込むためのスペースだけ軽く根をほぐし
やや大きめの鉢に植えつけたもの、初春の雰囲気いっぱいです

花後の管理(松竹梅も共通)

屋内で鑑賞して花が終わったものは、そのまま屋外へ出してはいけません
たちまち風邪をひいて弱ってしまいます

花が終わったらムロかそれに準じた置き場で越冬させ
春なってから梅は本格的に植え替え、福寿草は水はけのいい半日陰の場所を選んで庭に植え戻す

鉢植えでの福寿草の栽培はかなり難しいため
山野草専門の愛好家でないと無理、そう割り切ってくださいね

松竹梅であれば、三者を別々の鉢に植え替え
来年用に管理します

以上、ふだんご懇意にしている「栃の葉書房」の「趣味の山野草・1月号」から画像をお借りしました
画像がきれいで楽しめる趣味の雑誌ですよ

月刊誌 「趣味の山野草」 栃の葉書房 栃木県鹿沼市御橋町1-3002-24
電話 0289-64-3311

定価 1.050円 (送料116円)

よろしく

2008年12月1日月曜日

野梅の枝作り

種木の状態から完成まで、梅の枝作りをご紹介します

この枝作りの方法は他の雑木類にも応用できる大切な技術ですから
しっかりとマスターしておけば、あなたの技術は大幅アップします



種木から枝作りを始めて2年経った樹齢20年の天草野梅



1年目(白点と白線にご注目)

・胴から吹いた芽の白点から白点までが1年目の枝
・入梅前の柔らかい新芽に針金をかけ、秋まで伸ばしっ放しにしました
・2年目の春に1~3芽くらいを残して切り詰めました

2年目(赤点と赤線にご注目)

・赤点を基点にして伸び始めた新芽に、針金で曲をつけながら赤矢印の方向に徒長させました
・今秋に先端の赤点の箇所で仮止めをしました 



3年目

・来春の芽出し前に、白線の箇所から1から3芽くらいを残して切り詰めます(芽当りを確かめてから)



3年目の入梅前~秋までの予想図

・入梅前に3年目の新枝に針金をかけて曲をつける
・水と肥料を多めに培養しながら、秋まで枝を充実させる
・3年目の枝で、基本の骨格はあらかた出来上がります



4年目以降の想像図

・太めの茶色の線が3年目の枝(1~3芽で切り詰めてある)です
・3年目の先端の細い枝が4年目以降の枝
・4年目以降は新芽に針金をかける必要はありません、以後は切込みにより小枝を密に仕上げていきます
・花芽は4年目あたりから本格的に鑑賞できるようになります

ほとんどの雑木の基本形は、このように3年~4年計画でこのように作り込んでいくのです
みなさん、しっかり勉強してくださいね

2008年3月21日金曜日

梅(米良)

詫び寂びの趣向を表現する樹種といえば
まさに梅がその代表的でしょう

「野梅三輪」というように、梅は桜のような満開は似合わない
楚々と咲く古木の趣が最高、盆栽界では八重よりも一重が好まれます

ですから、梅好きな盆栽人は米良(めら)と聞くと目の色を変えます
それは米良が小輪一重の清潔感のある白花だからです

おまけに枝性も密で、まさに小品盆栽向き


実生の野梅の古木に先端に米良を接いで1年
いよいよ本格的に樹形の基本作りに入ります

樹高4.0×左右9.5cm


ボディー正面拡大図

荒れた木肌をもち、団子状のように見えていますが
幹のうねりと動きはしっかりと保たれいるのが嬉しいかぎり


角度をかえてボディーのうねりを見ましょう
こんな小さいサイズの素材はめったに出会えませんよ


後ろ姿にも動きが感じられます


昨年の春に接木をした切り口がまだわかりますね

白点の2芽は以後着始めています
赤点のあたりも将来胴吹き芽が出そうな箇所です



完成予想図(その1)


さらに小品らしく左右のサイズもつめて作りたい人は
手前の一芽だけ使って挑戦しましょう

「より短く」はミニ盆栽の鉄則ですから


手前の芽をいちど幹側に戻して距離感を縮めると
より小さく見えるものです


戻した枝をもう一度外側へ誘導します


完成予想図(その2)

(その1)よりも時間がかかりますが、より締まった印象に完成します

いかが?

2007年9月10日月曜日

野梅の仕立て方

花物盆栽の王者といえば、やはり梅
なかでも野梅は、小枝が繊細に作れるし木肌もよく荒れ、盆栽としての優れた要素を持っています
清楚で侘び寂びの趣があり、これも盆栽人の好みにピッタリです

ところが、小品盆栽界には野梅の盆栽が極端に少ない
まして木肌の荒れた優れた素材はなおさらのことです

実生から育てるに非常な年月がかかることがその原因で
普通野梅の小品素材は、大きなサイズの盆栽の頭の部分を取り木から得ることが多いのです

ですから、実生の優良な素材は大変な貴重品ですが
幸いにも私はこの春先、20年以上にわたって実生から仕立てていた10cmサイズの優秀な素材を10本手に入れました

今回は、現在たいせつに仕立て中の一鉢をご紹介しましょう


ボディーの高さは約8cmほどで、完成予想樹高は10~11cmを目指しています
春にほとんどの枝を切り落とし、まったくの素材に戻し根本から木作りに入りました

春の新芽を芯、左右の利き枝と振り分けて、芽の柔らかい入梅前に針金で誘導しました
枝先は徒長させたままで、秋までこのまま充実させます


正面拡大図、肌の荒れとサバ状になった幹肌の雅味がみごとでしょ
入梅が明けた頃に針金を外しました


これからは来春の作業予定です

白線のあたりから切り詰めます
手前にしっかりとした芽当りがあることを確かめてから切りましょう

それと、将来しまった枝振りを作るためには
今年の枝を、ある程度思い切って短めに切り込むことが肝心です


来春に枝を切ったあとの予想図

今年の新しい枝に表情がありますね
のこされたこの枝元が基本になります


来春、残された枝先から吹いた新芽(濃い茶色の部分)に2芽ほど針金をかけて誘導します
その枝先は今年と同じく、再来年の春までは切り込まずに充実させます

それによって、枝作りの基本部分はまずまず出来上がりかけてきますね

再来年の春にも、もう一度、新芽(薄い茶色の部分)に針金をかけます
つまり、今年を入れて三年間で枝作りの基本作業が完成します

四年目以降は、枝先に針金をかけず、ハサミでの切込みにより枝先を密にし
野梅盆栽の完成品と同じように管理していきます

2005年9月6日火曜日

梅盆栽の魅力

梅はまさに花物盆栽の王者

「野梅三輪」という言葉に表われているように
風雅で上品な侘びさびの趣が魅力です

地味で落ち着い雰囲気の梅と華やかな桜
日本人がもっとの愛する花ですね

盆栽としての特徴は、花はもちろんのことですが、多彩な樹形が可能であり
幹肌の荒れやサバやジンの古雅な趣、密な小枝の表情など、魅力あふれる樹種です

とはいえ、15cm以下のサイズでの山採りによる素材は極端に少いため
近年では、古木の大型サイズの盆栽から「接ぎ取り木」という手法による素材の確保も行われています


樹高14cmの野梅半懸崖
力強い立ち上がりは野趣満点、強い模様にゆるみがなく理想的な姿
ポイントになる落ち枝の表情も際立っています


幹筋の拡大図

立ち上がりにジンがあり強い一曲目を過ぎた箇所がサバになり
そこで一度下垂した幹は二曲目で再び上方に立ち上がり、全体の模様に隙がありません

幹肌はまだ発展途上であり、今後の持ち込みにより
イボ状の「本肌・ほんはだ」となり、さらに風雅な味わいを見せてくれるでしょう


後姿
現在の小枝の数ではやっと正面の輪郭線を形作るのが精一杯というところ
ただしご心配は要りません、野梅は小枝の分岐がよく密になる性質を持っているからです


自然に朽ち果てたサバ幹は梅盆栽の古さを見せ場です

さあ、みなさんも梅の盆栽に挑戦!!

2003年12月18日木曜日

梅盆栽ミニ

古くから日本人のもっとも好む花物盆栽といえば、やはり梅でしょう

いわゆる花梅(園芸的な梅盆栽)は年末になると園芸店の店先に並びますが
本格的梅盆栽となると、やはり野梅でしょう

枝先が細く分岐し、持込により木肌がイボ状に荒れ
古雅の趣を味わえ、花物盆栽の王者の名にふさわしい品格があります

野梅の木肌が枝先までイボ状に荒れるには100年からの年月がかかるといわれています
↓の野梅の樹齢はやっとその半分の50年というところでしょう

野梅三輪といわれるように、野梅には満開の風情を求めません
寒気に楚々と咲く趣を楽しむのが、盆栽人の好みでしょう


樹高12cm
推定樹齢約50年の野梅古木のミニ盆栽



サバ幹の様子、上にシャリもあります
小枝の先の芽は葉芽です、今年は花芽がありません
野梅の枝先の細い性質のものは、花芽がつきにくいのです
花芽のことはあまり気にせずに、木姿を優先させて培養しましょう

2003年7月8日火曜日

伯爵のミニ盆栽

「第16回国風盆栽展記念帖」より
国風盆栽会 会長 伯爵 松平頼壽氏の出品作品の一部
昭和17年3月5日~7日に上野公園東京府美術館で行われたものです



上段 落霜紅(うめもどき)
中段 迎春花(げいしゅんか・黄梅のこと)
下段 野梅(やばい)

太平洋戦争のしょっぱなッ真珠案攻撃から半年経たない
日本軍が破竹の進撃をしているころですね
元気よかったでしょうね、日本中が

卓台(しょくだい)は斑竹(はんちく)という斑点のある竹を材料にしたかわいらしい飾り棚です
梅もどきのことを落霜紅、黄梅のことを迎春花と表示しています
なんとも昔風、でも日本語っていいなーと思えますね

松平伯爵がご夫妻でミニ盆栽をこよなく愛されことは有名です
ご夫妻でですよ!
羨ましがってるご主人さまもいるでしょうね(せめて水やり協力が欲しいなんて)

松平家のミニ盆栽の特徴は
小さな鉢でていねいに長く持ち込まれた
かわいらしいしゃれた感じの木が多かった
旅行や散策の折に野山で採取したものが多かった
ようです

重量感や構図を重視する現代の盆栽を見慣れてる我々には
やや迫力不足の感はあるけれど
ともかく古さや素朴さがそれを補ってまことに趣が深いですね
実物は写真より魅力的です(カラーならよくわかる)

この松平公爵夫妻の愛したミニ盆栽の伝統は現代にも受け継がれています

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