2003年9月30日火曜日

月の終わりに


日本水石組合主催秋季オークションより

不要になった今月分のカレンダーを切り取る前に
似つかわしくなくも、過ぎた一ヶ月を振り返ってみます

オークション(セリ)が5回に盆栽鑑定が3回、講習会が1回
以上は一日出っ放しの仕事
その他チョコチョコと出かける日があったので、一日中家にいられたのは5日間くらいです
これでは毎日の「盆栽つれづれ草」も遅延気味になるはずです(言い訳)
(それに台風と北海道の十勝沖地震もあったし)

8月は毎年さしたる行事もない業界なのですが
9月になると堰を切ったように各種のイベントがスタートします
そのペースがまだつかめないうちにあたふたと30日間が過ぎ去るのが
毎年の9月の恒例のようです

月の最後にあったって、来る10月は勤勉の月とすべく決意しました
必ず毎日つれづれ草を書き、一日おきに仕入れをし
一日おきにそれをアップし
メールの返信と商品の発送は迅速に!

ということで来月もよろしく

実物の季節感



早い秋がやってきました
関東では朝晩かなり涼しく、まさに中秋の感じですが

一昨夜は大阪
昨夜は名古屋
同業者と二晩連続で電話で話す機会がありましたが
西の方は夜まで蒸し暑かったようです

ところで、そろそろ実物盆栽に色が出てきました
写真の梅もどきも赤と黄色に染まってとてもきれいです

霜の季節に真っ赤になった梅もどきも鮮やかですが
深緑の葉影に赤と黄色のまだら模様の今の姿も
中秋の季節感があって、捨てがたいものです

実物は秋
しかしそれだけでは単純です
初秋、中秋、晩秋と区分けして、もっと季節の移り変わりに敏感になれば
盆栽生活もより楽しくなるでしょう

2003年9月29日月曜日

土佐水木開花




土佐水木の花が咲きました
丸い蕾がほころんで、房状の花が藤のような感じに下垂して咲きます

土佐水木は昔から私の好きな樹種の一つです
第一の魅力はその白い木肌です
また小枝の先に丸い花芽をつけた落葉後の寒樹の姿もいいものです
夏の間は大きめの葉に隠れていた繊細な小枝が姿を現す晩秋の頃は、期待で心が弾みます

培養にあたっては夏に水を切らさないようにすることが、何よりも大切です
肥料も多めにやります

盆栽は過剰な勢いは押さえねばなりませんが
水木の場合はあまり制御してはいけません

やせさせるとふところに芽が吹かなくなったり
枝枯れをおこします

早春の彩りとして、ぜひ培養してみてください

2003年9月27日土曜日

浪千鳥


佐野大助作の亀甲形の豆鉢
日本の伝統的な文様の「浪に千鳥」が描かれています
まるでヒヨコが空を飛んでいるようです、かわいらしいですね
大助の千鳥は特にかわいい

浪も描き方がいろいろありますが
大助の描く浪は↓のような「青海浪」(せいかいは)と呼ばれる浪にさらに工夫を加え
文様として非常に優れています

文様(青海浪)

青海浪に浪頭を立てて動きがありますね

文様といえば、日本の伝統的な文様にはじつに多くの優れたものあります
先日何気なく文様集をめくっていたら、「落ち雁」の文様を見つけました

文様(落ち雁)

この他に、熨斗(のし)の文様が我家の座布団にあったりして
改めて伝統的な日本の文様に着目させられている最近です

みなさんも身の回りを見渡してみてください

2003年9月26日金曜日

女性専科講習会

茨城県龍ヶ崎市久保台地区の盆栽教室
前回は5月29日、テーマはもみじの葉刈りでした

さて今回は「長寿梅」の培養管理と挿し木がテーマです
初心の皆さんは長寿梅がボケの一種であることを初めて知ったようですし
長寿梅がはじめてのかたもいました


剪定で切り取った枝を挿し木しています
みなさん一生懸命
恥ずかしくてむこうを向いているのではありませんよ


過去の教材の批評も行います
春の講習の教材「姫りんご」
深山カイドウと交配するのもご自分で行いました
二重鉢も覚えました


愛情に答えてかわいらし姫りんごの実が成っています
実が付かない木も、来年用の花芽はしっかり付いています

不順な気候を反映して1鉢だけ「狂い咲き」
時ならぬ満開の姫りんごでした

2003年9月25日木曜日

水石のセリ 2

オークションもだんだんと熱気を帯びてきました
買い人も真剣です
セリ人は三人で交互にやります

私の次は日本水石組合理事長の内海さん
上野グリーンクラブへ行ったことのある人は、この人を見たことあるでしょ
内海さんは上野グリーンクラブの館長さんでもあります


手のすいたときは検品(チェック)係りとして
率先して働きます


大きな水石は台車で運びます
荷物運びは若い人、オジサン組みでは無理


盆栽に鉢が付きもののように、水石に水盤は付きものです
この水盤の鑑定がけっこう難しい

隣では内海理事長と副理事長の河合さん(ピンクのシャツ)がヒソヒソ話
よそ見してちゃダメよ!


河合さんがセリ人の番です
内海理事長と沼図の大嶋さん(こっち向きの人)と私が検品係り

みなさんに音声入りで見せたいですね
緊張の中に爆笑も入る不思議な雰囲気です
以上、水石のオークションの断片でした

2003年9月24日水曜日

水石のセリ 1

きょうは日本水石組合主催の水石オークションの日です
役員は午前7時集合
しかし、飛び石連休明けのため、車が込んでやや30分遅刻
朝から焦りまくりました

私が上野グリーンクラブに着いたときには、すでに出品物が↓の写真のようにいっぱいでした
オークションで上手な買い物をするには、まず事前の品定め(下見という)を十分にすること
これにつきます

私はセリ人の係りなので、特に慎重に下見をします
自分はもちろん、買い人に勧めるにしても
傷などの欠点のあるものは、特に厳しくチェックします
そうしないと、あとで苦情がきます


出品された水石は、箱の上に並べます
1点ずつ丁寧にチェック
私は約10点ほどの水石に目をつけました


9時半にオークション開始
セリ人が発句(ほっく・最初の価格)を入れます
例えば「一万円ッ」と
それを合図に、だんだんとセリ上げ、一番高い人に落札されます

一度落札されたものは、ノークレームの原則です


役員が交代でセリ人の手前でチェック係りを務めます
これもノークレームの原則を守るための大切な仕事
セリ人も再度のチェックの最中です

自分で下見
役員がチェック
セリ人がチャック

三重、四重のチェックで傷その他の欠点はほとんど見つかります
でも、値段だけは自己責任です
これが一番むずかしい!

2003年9月20日土曜日

鉢の時代感

盆栽の究極は古さからくる侘びサビを求めるものですから
当然その器物である鉢にも時代感が要求されます

時代の付いた鉢は、人の手で使い込まれた歴史と温もりが感じられるように変化してきます
無機質な器物が使い込みにより、命を吹き込まれ生き物になるのです
これは日本人独特の感性で、DNAに組み込まれたものの見方であると思います


今岡町直の青磁六角鉢です
数十年の使い込みにより、命を吹き込まれています

古色のつき方もそのものがより美しく感じられるような「模様」が大切です
縁のまわりと下方の縄目の帯のあたりに時代感が濃厚で
側(がわ)の面は地色(青磁の釉薬)が見てとれます

盆栽人が「いい時代だね」といえる、温もりのある感じが親しみを感じさせてくれます


どの面も均等に古色がついています


ていねいに使い込んだのです
数十年経っても小さい傷ひとつありません

2003年9月19日金曜日

鉢の鑑定

佐野大助作の小鉢を総合的に鑑賞、鑑定してみます


中期の作品と推定され、ボディーは心山です
厳密に言うと大助と心山の合作の作品ということになります

やはり大助の鉢は絵の出来具合が評価の第一ポイントです
二面ともに橋をテーマにした雪景色です
静寂な雪の景色の中に橋を渡る人物を配しており
そのためにに生活観を漂わせた画面が構成されています
まことに巧みな絵です

二人の人物が橋を渡っており
前方は村の人、後方は旅人のように見えます
雪景色の寂寥感の中に、村落の影を配して温かみも感じます


奥行きも深みもたっぷりあります
花物実物の太幹盆栽などにピッタリの実用性にも優れた鉢です


山ほどの柴を背負ったじい様をばあ様の二人が家路を急いでいる絵柄です
全面雪景色の中にほほえましい雰囲気を感じます


落款は「大」の字です
側面にあります


ボディーの作者、心山の落款「心」
鉢裏にあります

ふつう鑑賞を兼ねた鑑定はこのあたりで終わるのです
しかし、傷のチェックを忘れてはいけません

外見をつぶさに検査してみればたいがいの傷はわかりますが
ここでは、ふつうではほとんど気がつかない「浮き」という
構造上の問題から出来やすい欠陥を勉強しましょう


鉢は、立ち上げた側(がわ)の上に縁の部分を後から付けてあるので
ときによりその接続部分に亀裂が入ることがあります
内側から見るとわかります
見えますか?


疑いはあるがよく見えないときには、その部分に水を少し付けてみます
亀裂に水が入り込みよく見えます
ほら、見えてきましたね(私は唾をつけました・きたないですね)
左右に一文字の亀裂が入っています

側(がわ)の上に外に向かった縁をのせて作るんです
その構造上の欠陥がこのような「浮き」となって表面に現れることがあります

この大助鉢には「浮き」があります
故に無欠点という評価は少々無理ですが
この「浮き」が外側の表面に出ていなければそれほどの欠点とはいえません
しかし、構造上の欠陥とはいえ、しっかり認識しておく必要はあります

「浮き」のある鉢は寒さで凍らせてはいけません
亀裂に含まれた水分が膨張すれば「浮き」がさらに深くなることもあります

プロも気がつかないことが多い「浮き」ですが
小鉢の収集を志す方はおぼえておいてください

2003年9月18日木曜日

甲羅吹き

株立ち状の根元が亀の甲羅のように発達したものを、甲羅吹きといい
樹種的には根の発達しやすい楓やもみじ類に多く見られます

この甲羅吹きを人工的に作るにしても非常に長い年月がかかります
それだけに珍重される樹形です


この楓の甲羅吹きは、根元から吹いた芽を新しく幹に立て
全体のバランスと遠近感を演出しながら、樹形を作りつつあります

甲羅状の根の存在感を活かし
自然界に存在する魅力的な樹形を盆上に表現していきます


根元の図
甲羅はすでにかなり大きくなっています
こんごは各幹の高さ、太さ、流れなどに注意しながら培養管理します
また甲羅も培養を重ねるに従い安定感と力強さを増してきます


側面からの甲羅の様子


後ろ姿です
枝張りができてくる2~3年後の姿が楽しみです

取り木などの施術により甲羅吹きに挑戦してみてください

2003年9月17日水曜日

鉢の命名

盆栽界には特に気に入った盆栽や鉢、水石に銘をつけて楽しむ習慣があります

そこで提案です

皆様もご自分のコレクションに銘をつけてみませんか
エエッ、恥ずかしい
それは当然です

私も頼まれて鉢や水石の命名をしたことがありますが
なんとなく気恥ずかしいもんです
しかし、ご自分で経験することによって命名されてた盆栽、鉢、水石をみたときに
興味が違ってきます

ああ、この名品にピッタリの銘だとか
あれ、他にもっといい銘がなかったのかな、自分ならこういう銘をつけるな
とか、ひとつのものを見て多角度から検証することができます
けっこう、おもしろいですよ

ニックネームをつけるぐらいの軽い気持ちでやってみてください

命名の練習問題です
平安東福寺の手捻りで三面がそれぞれに違った模様の小鉢があるので
それに厚かましくも命名してみましょう



白地に更に刷毛で一叢の白い釉薬を加えてあります
この鉢の印象は白です
この上から加えられた白い釉薬の一叢を、どういう言葉で表現するかがポイントでしょう

雪か、雲かに例えるのが日本人の素直な感性でしょうね

雪なら、新雪、深雪というところでしょうか
細雪という感じはしませんね
雲なら、叢雲、浮雲、雲海などが言葉として美しい

深雪(しんせつ)をミユキと読んでも斬新ですね



この面にピッタリの銘があります
「淡雪」
どうです、いいでしょ
でも残念なことに、盆栽界には同じ銘のあまりにも有名な竹本鉢があります
まねっこになってしまいます

浮雲もよさそうですね



この面はどうでしょう
上の二面に比べると情景が浮かびません
ここは省略します



このように言葉の遊びを兼ねてあれこれ考えているうちに
いい名前を思いつきます

他人に言わなきゃ恥ずかしくもない
自分で自分のものに勝手にニックネームをつけて心ひそかに遊びましょう

ところで上の東福寺鉢は何と命名しましょうか
ご意見お寄せ下さい

2003年9月16日火曜日

東福寺鉢の復習

盆栽界の一番有名な鉢作家は?
と問えば、ほとんどの人が「東福寺ッ」と答えるでしょう
それほど有名な平安東福寺とはどのような人だったのでしょう

本名を水野喜三郎といい京都の人
明治23年生まれ
作陶の初めは大正7~8年と言われ、本格的には昭和2~3年ごろから
昭和45年没 享年80歳

不器用な職人気質の人柄ゆえ、一生涯を通じ赤貧洗うがごとき生活であったと伝えられます

貧しさのため一生を通じ窯(登り窯)を持てずに借り窯であったようです
そのたため借りる窯の特徴にあわせ胎土、釉薬、大きさ、形を変えねばならなかったのが
その作風の多彩さにつながったともいわれています

とにかく東福寺は膨大な数の作品を我々に残してくれました


一例を上げれば、下の手捻りの丸型鉢は東福寺の定番です



指先で捻られた生地を手で触れてみると、その厚みが驚くほど均等です
熟練の技を感じます
また釉薬も単純でなく深い光沢と微妙な窯変(ようへん)が見て取れます



特記すべきはその足のつけ方です
一見単純な作業に見えますが
後世に作られた幾多の複製品も未だ真似の出来ない技なのです

足の左右からヘラで斜めに削り取るだけの技が余人には真似の出来ない
東福寺独特の技であることを知っておいてください

2003年9月15日月曜日

趣味家の作品


樹齢20年を軽く越える山もみじ
樹高はわずか9㎝です

小さくとも足元の古さと全体の構えがみごと
中村是好さんも「ミニ盆栽は役者が花道で見得を切った姿に似せて作れ」と言ってました
そのお手本のような木姿です

葉も細葉です
このような性質は枝も細く、小枝も密に繁ります


このもみじの作者とお会いしたことはありませんが
私の親しい同業者が親しくしている方で、アマチュアです
この技はプロにはできないことです

実生から20年以上かけて丹念に作りこむ
プロでは計算が先にたって、正直いって無理でしょう

ミニ盆栽界はこのような盆栽大好きのアマチュアの方の貢献度が大です
そういえば中村是好さんだって、その師匠の杉本佐七さんだって偉大なアマチュアだったのです

鉢の表面に網が張ってありますな
小さい鉢から植え土が流れないように工夫しているんです


後ろ姿も絵になっています

2003年9月14日日曜日

六角鉢の正面

堀江美功はベテランの中堅鉢作家です
黄釉(きゆう)の文様入り六角鉢の正面を検証してみましょう


作家はこの面を正面としているようです


この面はデザインからいって正面ではありません


ところが六角鉢の場合
普通はこのように角を正面にして制作されているのが一般的でが
しかしこの美功鉢の場合はデザインからいって無理があります

ここで注意するのがこの六角鉢が六本足であることです
六角鉢は三本足に作られていることが多く
その場合はほとんどこの角が正面になるように図柄も工夫されています

これは宿題が残ったようです
同じ六角鉢でも三本足と六本足とでは、いわゆる鉢作りの作法が違うのかも

美功ほどのベテラン作家が間違えているとも思えません

もう少し資料にあたってみましょう
私の宿題です

2003年9月13日土曜日

駿河山正

中堅鉢作家の駿河山正(するがやましょう)の作品です
紫がかった茶褐色の土が特色で、彫刻を施しています
この彫刻が駿河山正の得意中の得意技です

蟹が五匹砂浜で戯れている図です
なかなかいい出来栄えです



10数年前、上野の都立美術館で開催される国風盆栽展の会期中のことです
売店を出していた私のところへ、帽子を被り眼鏡をかけた無愛想なおじさんんが
自作の鉢をみてください、といって訪ねてきました

見ると、すべての鉢に素晴らしい彫刻が施されています
土は紫がかった茶褐色でした

素晴らしい彫刻の技術だが、相手は盆栽鉢だ
これでは彫刻が目立ちすぎて、盆栽を引き立てるどころか
じゃまをしてしまう
もう少し彫刻を控えめにするほうがいいだろう

そんな意味にことをはっきりと言いますと
自分の技術によほど自信を持っているらしく
かなりの不満顔でした

駿河山正という名はその後に知りましたが
あの無愛想なおじさんは自分の作品を誉めてもらいたくて
私のところへ持ち込んだのだと気がついた次第です

今ではかなり知られた鉢作家になりましたが
相変わらす素晴らしい彫刻を施した盆栽鉢を製作しています

彫刻がうますぎて盆栽を入れるには難しいところもありますが
観賞用にはおもしろい鉢です

2003年9月12日金曜日

中堅鉢作家

小鉢作家に好んでランクをつけるつもりはありませんが
この世界にも正直いってそれは存在します

現役の作家のほとんどは中堅作家(Bランク)といっていいでしょう
将来にわたりAランクに位置するであろう現役作家は数人でしょう

現役の時代からAランクの評価を得ている作家は
物故されると(失礼な話ですが)とたんに評価が上がるのが普通です

そしてBランク以下の作家は見向きもされなくなることが多いようです
考えると非情な世界のようですがこればかりは仕方ありません

そんな訳で、収集するにもAランクばかりを対象にする方もいますが
たまには世の中を広く眺めて中堅作家の作品も眺めてみると
おもしろいものに出会うことがあります


石田祥石(しょうせき)の作品です
形のすっきりとした丸型で、地の文様も丁寧です
中央に描かれた花の文様が色彩も地味で品があります
祥石の作品では出色の出来栄えと思います


勝山(しょうざん)の作品です
この鉢を見たときに内心驚きました
こんなにうまい絵が描ける作家だと思っていなかったからです


特に裏面に描かれた水に棹さす船頭の姿のいいこと
これには感心しました

手ごろな値段で中堅作家の作品の掘り出し物を探すのもおもしろそうです
(もちろん鑑定眼に自信の有る人にお願いしますよ)

2003年9月11日木曜日

真柏再生計画

これも最近手に入れた真柏ですが
あちこちと枝枯れして、禿坊主になっています
昨日のクチナシと同じ方が所有していました

この真柏は大丈夫でしょうか?
枯れちゃうかな?

大丈夫です、真柏は丈夫な樹種です
簡単には枯れません

私だって冒険をするくらいですから、よーくッ観察済みです





真柏類が枯れる時には、気がついたときには全体の葉が生気を失っています
また枯れた部分が落葉するようなら見込みがあります
この真柏のように部分的に新芽が緑で伸びているものは枯れません

昨日のクチナシと同じように、来春に植え替えます
新芽を刈らずに根の回復を待ちます

クチナシと同じように入梅過ぎには元気になります

元気がなくなると慌てて植替えするのは弱効果
慌ててはいけません

水を少なめにし肥料はやらずに静養させます
そして植替えの適期まで辛抱します

2003年9月10日水曜日

クチナシ再生計画

数年前に雅風展に出品された経歴を持つクチナシを手に入れましたが樹勢を落とし全盛期の勢いがありません

盆栽の一生は順風満帆のときばかりではありません
元気のないときもあります

このようなときが大切なのです
被害を最小で食い止めいかにして元の元気に戻すか
復活の再生計画を建てましょう

その計画を建てるには樹勢を落とした原因を究明することが第一の仕事です



全体的に葉の色が褪せています
これが特定の箇所だけとなるとかえって怖いのですが
この場合は、肥料不足、植替え不足による根詰まりなどが考えられます

注意してみると鉢土の表面が真っ黒ですね
肥料の粕をよく掃除しなかったためにそれが植え土の目に入り込んで
水はけや空気の流通が悪くなり、徐々に衰弱したのでしょう



検証した結果、内科的な緩やかな治療で健康を回復できそうです

今年中は水も肥料も少なめにして培養する

来春には鉢の表面の目詰まりした土を取り除くことを心がけ
やや大きめの仕立て鉢に植え替えます(四月下旬)

その場合に水はけよく植え込むことを第一に心がけます
また剪定は行いません

以後は根の充実を心がけます
根がよく伸びているかは新芽を観察すればわかります

六月中旬ごろまで肥料をやりませんが
以後は芽の伸びを見ながら少しずつ施肥します

入梅明けには元気を回復しているはずです