中堅鉢作家の駿河山正(するがやましょう)の作品です
紫がかった茶褐色の土が特色で、彫刻を施しています
この彫刻が駿河山正の得意中の得意技です
蟹が五匹砂浜で戯れている図です
なかなかいい出来栄えです
10数年前、上野の都立美術館で開催される国風盆栽展の会期中のことです
売店を出していた私のところへ、帽子を被り眼鏡をかけた無愛想なおじさんんが
自作の鉢をみてください、といって訪ねてきました
見ると、すべての鉢に素晴らしい彫刻が施されています
土は紫がかった茶褐色でした
素晴らしい彫刻の技術だが、相手は盆栽鉢だ
これでは彫刻が目立ちすぎて、盆栽を引き立てるどころか
じゃまをしてしまう
もう少し彫刻を控えめにするほうがいいだろう
そんな意味にことをはっきりと言いますと
自分の技術によほど自信を持っているらしく
かなりの不満顔でした
駿河山正という名はその後に知りましたが
あの無愛想なおじさんは自分の作品を誉めてもらいたくて
私のところへ持ち込んだのだと気がついた次第です
今ではかなり知られた鉢作家になりましたが
相変わらす素晴らしい彫刻を施した盆栽鉢を製作しています
彫刻がうますぎて盆栽を入れるには難しいところもありますが
観賞用にはおもしろい鉢です
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