桜と並んで日本人にもっとも親しまれている梅は、盆栽としても人気があります
厳しい寒さの中で咲く野梅の凛然とした風情や、侘びさびの極致ともいえる木肌の古色感などが、盆栽人の心を強く惹きつけるのでしょう
それゆえ、盆栽人が梅盆栽に求めるのは
満開の華やかさとひと味違った、ひかえめでつつましやかな趣です
いわゆる「野梅三輪」ということばに象徴されるように
多くは求めず、清楚でつつましやかに最小限度で満足する日本人独特の美意識ですね
そんなわけで、盆栽人は梅の盆栽に多くの花芽を求めずに
小枝作りに重点をおいた培養を心がけるのが一般的です
さあそこで、今日は梅の花芽と葉芽というテーマでしたね
花芽がついたかどうかは、花芽の分化する(この時期)6月以降に葉に触れてみればわかります
表面がツルツルでやや内側に巻き込んいれば、花芽がついた証拠であり、ザラザラなら花芽はついていません
そうですか、ツルツルでしたか、それはよかった!
とはいえ、手放しで喜んでばかりはいられないこともあるんですよ
というのは、花芽のつきやすい品種などでは、先端芽以外には葉芽が形成されずに
花後に剪定後して残された芽から、新芽が吹かずに枝枯れすることがままあるからです
みなさんの中には思い当たる方もいるでしょう
教科書通りに、満開後1~3芽残して剪定したけれど、残された芽からは新芽が吹かなかったこと、ありませんか?
そうなんです、その芽には花芽はついていたのですが
葉芽がなかったのです
ですから、梅の盆栽を培養する場合には
新枝の元に近いところに、花芽と葉芽の両方が作られるように工夫をする必要があります
小輪緋梅ミニ
花芽と葉芽のつけ方
1 花後に1~3芽を残して剪定する
2 新芽が7~10芽(10~20㎝)くらい伸びたころ、4月下旬から5月上旬ごろ、新芽の先端を摘む
3 先端の葉を3枚残して、残りの葉をすべて三分の一から二分の一くらいに切る
この作業により、面積を減らされた葉の元には花芽と同時に葉芽も形成されます
これを梅の葉刈りとか葉切りと言っています
緋梅も花芽のつきやすい品種ですから、この作業をしないと、来春の花後には葉芽が遠い先端だけにしかつかず
樹形の維持はたちまち困難になってしまうわけですね
ベテランの愛好家になると、樹勢を案配しながら
この時期には肥料を控えめにして徒長を防ぎます
次に、再び先端に吹き出す芽は
出る度に、摘み込みを繰り返します
摘み込みを繰り返すことにより、先端の芽と葉切りによって抑制され、新枝の元にも花芽と葉芽が作られるので
来年の花後に1~3芽くらいを残して剪定してもだいじょうぶ
ともかく、この方法により、梅盆栽は花芽よりも葉芽を大切にし
小枝作りを優先させましょう
最後に、現在の時点でこの作業を行なっていない方へ
先端の芽摘みだけでもやっておきましょう
弱い芽に養分がいくので、枝全体の勢いが平均化されます
では
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