2021年6月16日水曜日

剣木瓜式


虹泉は昭和8年生まれで同じく30年代から作陶の道へ入っと云われています。その作風は
かの平安東福寺の影響をうけた力強いボディー作りと窯変を強く意識した釉が持ち味です。



平安虹泉外縁瑠璃釉雲足剣木瓜式
間口24.5×奥行き22.3×高さ8.0cm


縦横高さのバランスのよさが絶妙。特に深さがたっぷりしているので、培養重視の実用においてその特徴を発揮するでしょう。


外縁の剣木瓜式(けんもっこあいき)という複雑な形状においても破綻のない統一感にあふれた成型のバランス感覚はみごとです。


奥行きもたっぷりあるのでそれほどの大きさを感じさせないのが用途が広い理由ともなっているのでしょう。



 

2021年6月14日月曜日

三琇一陽の水盤

平安東福寺と平安香山に三琇一陽を加えて昭和の3名人と呼ぶことに異論のある方は多くは
いらっしゃらないと思います。
かの陶翆と双璧をなす水盤作品においての評価功績は、東福寺や香山の小品鉢界におけるそれらに匹敵するほどのものがあります。


一陽蕎麦釉切立丸水盤
間口35×奥行き35×高さ3.5cm



一陽の水盤の特徴は、やわらかい穏やかな色調と狂いのない精緻なボディーにあり、水石界においては陶翆と肩を並べる二大作家との評価を与えられています。


水盤といえどこのように丸型の作品はめったにありません。
簡潔無比なボディーの魅力をご覧下さい。
丸型ゆえに水石だけでなく草もの盆栽の根洗いものなどの飾りに用いれば一興であろうと思われます。


落款は「三琇一陽・サンシュウイチヨウ」と読みます。