2018年7月21日土曜日

取木(親木から独立)

7月の14、15日だったと記憶しています。ちょうど人指し指ほどの取木箇所に、もやしのような発根を見つけました。すでに入梅は明けて気温はかなり上昇していましたが、まあ、実験的な意味もあるので、思い切って10本ばかり台木から外し根も処理して仕立て鉢に植え込むことにしました。

水圧ポンプで水苔をきれいに掃除し、根の多過ぎる部分は思い切って減らす。上の図は根の底から逆さまに見ている図です。
中央の円内が木質部で、それを取り囲んでカルスが盛り上がり、そこから根が分化しているのがわかりますね。

今年のように暑い気候ですと、根を短く切り込むのは勇気が要るが、思い切って短く切ろう!

どうやったのか忘れましたが、何かの必要があって呼び接ぎもやってありますね。
ともかく、このような気候ですから、一週間以上は日陰において慎重に管理しましょう。

この経過の続きはまたご報告しましょう。

2018年7月20日金曜日

那須五葉松の魅力

五葉松の産地といえば、吾妻五葉(福島地方)、那須五葉(那須地方)、四国五葉(四国地方)が三大産地として有名でしょう。もちろん五葉松はその変種(姫小松など)として日本各地に自生していますから、産地は更に広域になるでしょう。

黒松や赤松が自生地の他では街道などに植えられたのに比べ、五葉松はその性質上、昔から園芸用の植栽として庭園などにしきりに用いられたようです。そして五葉松は、現代の盆栽界においても、真柏、黒松と並んでもっともポピュラーな盆栽樹種となっています。

ちなみに、盆栽界ではこれらを松柏類(しょうはくるい)と呼び、その他、けやきやもみじのように冬に落葉する樹種を雑木類(ぞうきるい)とし、枝先の繊細な味わいを観賞する趣を主眼としています。

また、樹形よりも主に花や実を観賞する目的の樹種は、花もの盆栽と実もの盆栽というジャンルを設けて区別しています。

那須地方に産する那須五葉松は、鮮やかな若緑色の葉で知られ、さらに緩みのないキリットとした直線的な美しい葉が特徴です。

温和な若緑色の葉と対照的に強靭な生命力が表現された根上がり部分。

根上がりの面白い芸と、躍動感あふれた力強い一の枝の変化がみどころである。

バランスよく配置された枝葉が安定感を演出して美しい。

自然界から醸しだされる強い生命力が感じられます。盆栽の魅力はこんなことろにあるのでしょうね。