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2017年4月8日土曜日

もみじ芽摘みと切り込み

暖冬だったわりに今年の桜前線は、関東で平年並みかやや遅めな感じで
私の住む千葉県松戸市あたりでは、この週末が満開の時期のようです

さて桜はもちろんですが、盆栽人にとって
それ以上に気になるのは、春の芽だし加減とこの時期の気温ですよね

参照ページ 2010/04/15  2010/04/20  2013/04/13

過去のつれづれ草を振り返ってみても、霜はもちろん雪が降ったりして
けっこう凄い気候のときもあったんですね

今年も春先のいっとき、真冬並みの気温も経験して震えあがったことがありましたが
例年に比べてもまあ穏やかな方だったような気がします


植替え後、順調に芽先のほぐれが進んでいる舞姫もみじ
芽摘みの適期となりました


1 芯にあたる部分ですが、芽摘みをします

2 先端の3節目も僅かに伸びかかっていますから
  1節を残して芽摘みします

3 先端の3節目が勢いよく伸びています
  これからも徒長しそうな芽ですから、1節残して摘みましょう


爪の先か小さなピンセットで丁寧に


引っ張らず、ピンセットの先端でツブス感じ


全体に1節を残して芽摘みして輪郭も整えました


まだ枝の骨格が十分にに出来上がっていないこの段階では
枝数はやや多めに残しながら徐々に姿を整えるようにします


樹高8.5㎝ 幹径3.5㎝

舞姫もみじとしてはかなりの太幹の模様木
芽が動き出したので、一度強めの剪定をしてから枝先作りに入る予定です


樹高6.0㎝ 

強い剪定で二回りほど小さくなりました
幹の力強さが目立つようになりました


この段階では芽の先端を摘みません
もう一段階枝の骨格作りが進んだ後に枝先作りに入ります

芽摘みはその段階に入ってからの作業ですね

慌てない、まずは骨格作りから!

2017年1月14日土曜日

もみじ衣替え計画



去年の暮れに隣市のある方から
亡くなった親御さんの可愛がっていた盆栽の処分を頼まれました

あまり大物は見あたらず、仕立て途中の素材らしきものが多かったのですが
中でちょっとばかり気になったのが、今日ご紹介する山もみじ


樹高は40㎝で根張りから上がった幹元(赤点から赤点まで)の直径が10㎝
根張りと幹の模様には見るべきものがあります

特に傷っけのない木肌の古さは相当なもので
やや暴れ加減の根張りにも天然の味わいが濃厚です

ただご覧のように、枝先を無秩序に攻めてきたので
枝先が握り拳のようにゴツク固まってしまいました

そして、実際に見たわけではないのですが、冬芽の様子から見るとどうも葉性はあまりいいとは思えません
見たところまず間違いなく大葉(おおっぱ)の山もみじです


1から8までのほとんどの枝は一応必要な位置にありますが
いかにせん枝先が固まっているのでゴツイ箇所は思い切って消去すべきです


必要な8本の枝とA、Bの大きな空間は構図の最大の個性ですから
それは最大限に生かしていきましょう


すべての枝を消して幹だけの姿を追ってみると
このもみじの模様木としての優れた素質がよくわかります



このようにボディだけを見て、欲しい枝の位置に印しをつけてみました
青点は裏枝


現在の枝を可能な限り使った大まかな将来図

ただ惜しいことに大葉であるとすると、将来いくらがんばっても
もみじ特有の柔らかい枝先を実現するのはかなり難しくなります

ですから、中間から上の枝は切って元から衣替えし
下半分の枝は半分ほど残して、その先を紅千鳥もみじに衣替えする計画を建ててみました

作業は3月の末頃、続きをお楽しみに!!

続く

2016年4月18日月曜日

もみじの芽摘み

針金かけや剪定の整姿(せいし)作業に比べてははるかに地味ですが
その重要さにおいてはまさに肩を並べるのが芽摘みの技術です

過去の参照記事がありますから是非ご覧ください

2009/04//09  2009/04/30


安部性もみじ

桜開花前線の例から見ても細長い日本列島では、九州と北海道では芽出しの時期は
おそらく一ヵ月以上の時間差があるでしょうが

そこで関東中心でお話を進めるとすると
近頃の芽の進みかたはおおよそ↑の画像くらいで、まさに今は芽摘みの最適期です


ちなみに、このようにピンセットで軽く摘まめるくらいに柔らかいうちにやりましょう
芽の先端の節間(せっかん)が伸び切らないうちがいいですね


輪郭線から飛び出した徒長芽を軽く摘んだところ
この程度でも芽先の制御になって徒長が防げ、各枝の強弱のバランスがよくなります


舞姫もみじ

舞姫もみじの芽がいっせいに吹きだしてきました

2節3節と見る見る伸びてきますが、ハサミで剪定するのは早すぎるし
ほっておいては徒長しすぎてしまいます


そこで木の勢いを制御するために、全体的に芽の先だけ摘んでやります
このように徒長を防ぐためにも必要な作業が芽摘みです


ハサミやピンセット使わなくとも柔らかい芽は指先や爪の先で摘み取れます


全体の輪郭線を保つための芽摘み終了


舞姫もみじの株立


美しい芽出しの美しい葉を鑑賞するために
全体の輪郭を整えるように芽摘みをしました

それではみなさん、がんばって!

2015年6月5日金曜日

もみじのボディー作り(舞姫)

昨年の秋ごろに手に入れて以来
大幅な切り込みのチャンスを狙っている舞姫の優良種木があるです

10cm以内の超ミニサイズの本格模様木を目指したいので
やはり足元の力と一曲目の模様が重要なポイントになります

そして、この箇所だけはあとから矯正するのではなく
最初から全力を注いでおくべきですよね


手にれて以来、一ヶ所だけ取り木をしてからと思って、幹の切り戻しのチャンスを引きのばしていたんですが
ちょうどいい時期になってきたので我慢が出来なくなってきました


左上の針金で結束した箇所が取り木予定位置だったんですね


取り木をした後に赤線のように切り戻してボディーの基礎作りの予定でした
でも、ここで取り木をかければ最低でも30日間は待たなければなりません


しかし、こんな感じのボディーの姿がチラつい頭から離れない!


ちなみに、立ち上がりの幹径は約4.5cmで、向って左の模様の赤点までの高さは約2.5cm
その上の赤点までが約3.0cmで、ボディー全体では約5.0cmくらい

舞姫としてはなかなか得難いボディーです


というわけで、ずいぶんと迷ったですが
えーい、もう我慢できない! バッサリと切り落としまたした!

さあ、もう後戻りはできません!


傷口に直径は1.8cmほどで、かなり大きい
切りっ放しにしないでカッターナイフで周囲を削り直すことが肝心な作業となります


ペースト状のカットパスターをたっぷり塗っておく
とにかく傷口に早く肉が巻くことが第一


肝心なことは、傷口の上方の新しく芯になる部分に勢いをつけて
傷口付近の活動を活発にすることですね

ですから、徒長させた新しい芯となる幹筋は
しばらくは葉数を減らせたり芽摘みなどはせずに肉巻きを第一の課題として培養します


3年で幹と枝の基本を作り、5年で風格が出るように努力したいですね
このような感じの本格模様木を目指してがんばりまーす!

それまでの途中経過も順次お知らせいたします
どうぞよろしく

2014年3月21日金曜日

安部性もみじ取木素材・骨格作り

かつて盆栽研究家として活躍した安部氏は
自他ともに認める「もみじ気違い」として有名でした

その安部氏が発見し命名した安部性もみじ
小さく端正な葉形と節間(せっかん)の短い繊細な枝先などが特徴です

今回のつれづれ草は、Part210で頒布中のその安部性もみじ取木素材
足元は古木感あふれており見どころがいっぱいです

是非とも斬新な構想をもって新しい命を吹き込み
常識にとらわれない個性的な樹形を目指したいものです


昨年の早春に取木施術し、入梅に親木から切り離して根作りをしてきた素材
そのため、主要な幹筋の芯は徒長させて樹勢の促進を図ってきました

まずは、左側に立ち上がった幹が将来の主幹と想定されます
次に、右へ斜めに立ち上がった幹は副幹として活用しますが
この副幹は総体の構図の中において、差し枝としての役目も兼ねることを頭においてください

目指すのは、この2本の幹を中心にしながら周囲に幾本かの子幹を配した株立ち状の樹形です
ですから、副幹は右方向への動きを演出する重要な役目を担うわけですね


後ろ姿


まずは主幹の足元付近の不要芽の整理をします

指で押さえている赤点付の2本の枝
どちらか1本を残したいのですが、あなただったらどちらを切りますか?


ほとんど同じ位置から複数の枝が出ていて
そのうちの1本だけを残す場合の大切な基準のひとつは

節間(せっかん)の短い中くらいの勢力の枝を残す

その基準に従えば、↑の見本の2本の枝では
元に芽のない上よりも、枝元に芽がある下の枝の方が優れていることがわかりますね

このように、枝元近くに節があって、なお、節間の短い枝を残します


節間が伸び過ぎたり位置や方向の悪い枝を少しずつ除去します(消去法の精神で)


剪定が進んで少しずつ主要な骨格が見えてきましたね
そしてここらあたりでもう一つのポイントです

このような初期の段階での構図を決める選定の場合
枝数をやや多めに残しておくこと

これからの培養段階で構図変更も十分考えられますから
現段階で必要な枝をすべて決めることは危険です


前面のコブを又枝切りで削りました
このような大きな傷痕は切り出しナイフなど鋭利な刃物で丁寧に削り直しておくこと


枝数はまだまだ多すぎますが
あらかたの構図は決まりました



右の画像は剪定前、左が剪定後です
全体の枝数は半分ほどになりました

枝数をやや多めに残す意味は上記の理由だけでなく、樹勢の維持という面も考慮に入れています
ある程度の葉数があったほうが根は活発に活動しますね


剪定後の後ろ姿です
こちらから見てもまだまだ枝数が多く、不要枝がたくさんありますね


将来図を描いてみましたが、培養過程で計画変更も十分考えられます
木は人間の想定を超えた思わぬ成長をするのもですからね

「木は木なりに作る」という有名な先人の教えがありますから
謙虚な気持ちで自然と接する柔軟な心構えもたいせつですね

それでは!

2012年7月4日水曜日

スクール速報(超ミニもみじ分身の術)

アニメ漫画の「ナルト」ではないがスクールのベテラン・クロちゃんが分身の術(株分け)を使って
親株からゲットした懸崖の超ミニ山もみじとその親株をご紹介します

クロちゃんはフリースクールの当初からのメンバーで、寡黙で一見のんびりした風貌に似合わずやることは大胆で
その発想はときに予想外のいい線をついていて、私自身も示唆を得ること多々ありです

きっと肩に力が入りすぎていず、自由に盆栽を楽しんでいる故に
あのようなおもしろい発想力が生まれてくるのだと感じています

それでは、まず親株の現在からご紹介いたしましょう


6月10日撮影 樹髙はおそらく5.0~6.0㎝くらい

樹齢20年くらいのだったのを5~6年前にクロちゃんに買っていただいたので
現在では、すでに25年以上になる

無理な肥培はしていませんが、培養のよろしきを得てずいぶんと太りました
とくに足元の座が大きくなったので、大木の相が感じられて、とても超ミニサイズとは思えませんね

幹のコケ順にうるさいクロちゃんらしく、太い足元から主幹にかけてのコケと模様のつながりはグーで
左の子幹が力強く構図を支えていて、まとまりもよし

山もみじのこのサイズでは文句なく逸品といえるでしょう
それに、葉性がすばらしいのも強みの一つですね

クロちゃんはこの完成に近い段階でも、さらなる大改作の構想を持っているようなのですが
私としては、あと数年は基本はこのままじっくり持ち込んでほしいと思い、強く押しとどめている次第です


足元の拡大図

主幹と左の第一副幹、それを囲む数本の細い子幹の関係がわかりますね
なお、このもみじは今年も葉刈りをせず、芽摘み、片葉透かし、葉切りなどの手入れで維持されています


ところで、右の足元の赤印の位置にあったんです、懸崖の超ミニは!

上側の子幹のように、株元にあった子幹の元からたった一本の細い根が生えていました
その子幹の姿と根に目をつけたクロちゃんが、親株からそれらをソーット切り離して育てたのが、↓の懸崖なんですよ

親株の元には肉巻きしたその時の痕跡がまだあります
4~5年ほど前のことだったと記憶しています


2011秋の画像 樹髙4.0㎝

現在この懸崖ミニは四国の愛好家さんに可愛がられていて、先日画像を見せていただいたところ、足元の立ち枝は既に切られていて
行く末の楽しみな本格懸崖樹形への道を順調に歩んでいます


ついでに親株の後ろ姿も見てください


足元、主幹、子幹の関係がわかりますね

この親子のさらなる成長と向上を楽しみにしています
また機会があったら親子揃ってつれづれ草に出演してほしいですね

それでは! (⌒ー⌒)ノ~~~