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2021年1月17日日曜日

鞍馬舟形石

江戸時代より文人墨客に珍重された加茂七石のひとつにあたるのが鞍馬石。養石により時代感が伴うとさらに侘び寂びの趣が深まります。


鞍馬石 間口12.5×奥行き11.5×高さ12cm

ちなみに加茂七石とは、貴船石、畚下石(ふごおろしいし)、加茂川石、雲ヶ畑石、賤機石(しずはたいし)、八瀬石の七つです。


舟形を利用して草物盆栽の根洗いなどを植えておいたのでしょう。そろそろ本格的に時代をつける段階です、
石が水の溜まる形状ですとカルキがこびりついて取れなくなりますから、盆栽棚で養石する場合でも、常に水が溜まらないように乾いた状態を保つように心がけましょう。


裏正面からの姿。水石として水盤で眺めてもよし、鉢の代わりに草ものを植えて添え草として飾ってもいいでしょう。ただこの鞍馬石ほどの高いレベルになると鉢代わりではもったいない感じですね。上手に時代をつけて水石として眺めたいですね。

 

2019年5月29日水曜日

加茂川石(馬場家旧蔵)

現在の水石界におけるコレクションにおいて、馬場利一氏のそれは、質量ともにまさに斯界におけるトップクラスといえましょう。最近その一端(10点ほど)がある競り市の目玉商品として出品される機会に出会い、幸いそのうちの2点を落札することができたので、ここでご紹介することに致します。

加茂川真黒石(間口19.5×奥行き10.5×高さ6.4cm)
形状は亀の子の姿石とも見立てられますが、地肌のきめ細かい加茂特有の真黒(マグロ)の美しさを素直に眺めて見るのも一興でしょう。

前述の通り。加茂川の良質の真黒で亀の頭部を彷彿させる形状をしており、艶やかな細かい石肌は全くのウブでゆったりとした品格ある形状をなしています。

後姿も柔らかい曲線に囲まれていい感じのフォルムです。

紫檀製の台座の出来上がり具合もすばらしく、無銘ながらかなりの名人達者の作品であることがうかがえます。

台座の内側の微妙な鑿の跡も観賞の大切なポイントです。

石の微妙な変化にあわせて削り出す高等なテクニックとセンスは抜群の冴えを見せています。
まさに見ごたえのある高等時術といえましょう。