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2015年8月21日金曜日

急性水切れ・出猩々

昨シーズンからお二人で通っていらっしゃるIさんご夫妻
お二人の今季の課題は、昨年手に入れたこの高級品の出猩々もみじを何とか維持することでした

でした・・・というのは、途中でその出猩々にひと破乱あったからですが
正直、Iさんから「葉が徐々に枯れ落ちてしまいました」とメールを頂いたときはドキっとしました

Iさんのお住まいが高層(13階)とうかがっていましたし
何よりも、まだ二年目の超新人さんですからね


8/20撮影

16日のスクールでお目にかかるまでは
半分くらいは諦めの境地というか、もしものときの覚悟はしておきました

その段階では今ほど新葉は展開されていず
枯れ葉もいくらか残って、もう少し惨めな姿でしたが


さすがベテランのツカさんやヒーさんなどはこの出猩々の
枯れ葉の縮れぐあいや落葉の度合いなどから、おおよその予想はされていたようです

「大丈夫、生きられそうだ!」

もちろん経験の浅いIさんご夫妻には、これから先の成り行きは読めるはずもありませんが
これから盆栽をやっていく上でいい経験になったと思います


入院から4~5日
新葉が力強く展開してきました(枝葉の乱れは改めて剪定しましょう)

よかった!助かりましたね
初めて診察したときに、葉の枯れ方と縮みの症状から見て、これは急性の水切れだと判断しました

大まかに分けて水の切れ方も
徐々に慢性的に水不足が繰り返された場合と、急激ではあっても一時的な水不足による障害とがあります

ちなみに、慢性的水不足の繰り返しによる場合、縮れた枯れ葉がいつまでも落葉せず
急性の場合はゾロっというか、いっぺんに大量の葉が落ちるのが特徴的な症状です

そして、急性の水切れの方が比較的回復しやすく
慢性的な水切れによる葉ふるいは、なかなか立ち直るのが難しいんですね

急性の方がダメージが深部に達していない
そのように判断してよろしいでしょうね

というわけで、Iさんご夫妻の大切な出猩々はどうやら急性の水切れによるもので
もうしばらくの養生により何とか回復しそうな感じです

やれやれ、よかった!!

初期の段階で高級品を枯らすと、それがトラウマになって
その後の趣味人生で足を引っ張られますからね(笑)


出猩々もみじの春の新葉はすべて落ちてしまって
これから出揃うのは新しい葉です

高温多湿の時期は「うどんこ病」などが発生しやすくなりますから
トップジンなどで根と枝葉をしっかりと消毒してやりましょう

2013年12月26日木曜日

冬期の水やり

「水やり3年」という、盆栽人なら
だれでも知っている有名な言葉がありますね

しかし、、やっとわかったと思える頃になると、とんでもなく痛い目にあったりして
やっぱり初心を忘れちゃダメ、などと反省させられ、一生勉強だな、と思わされるのが水やりなんです

以前、このつれづれ草の「五葉松取り木・乾かす勇気」でコツを説明しましたが
今日は冬期の水やりについての注意点をお話してみましょう


冬囲いの中を注意深く覗き込んで見ると、ほとんどの鉢は濡れているのに
中にはご覧のようにカラカラに乾いた鉢があります

これでも、ほとんど毎日水やりしていて、昨日もやったんですよ
それでも、鉢によって乾き方にムラが出て、うっかり水切れさせてしまうのが冬期の特徴なんです


ここにもありますね

左は出猩々もみじ、右の仕立て鉢は山もみじですが
山もみじの方だけがかなり乾いていますね

このように、冬囲いの中にあると、ついついうっかりしてしまい
あと1日もやらなければ、カラカラになってしまいます

このように冬中ちょくちょく水切れをさせると
春の芽出しが遅れたり、ときには芽が出ないことだってありますよ


とくに南向きの日当たりのいい冬囲いであれば、必ず毎日1回
乾燥した風の強い日などは2回でもいい、たっぷりと潅水してやりましょう


中には、夜間の凍結を恐れてやらない人もいますが
翌日の午前中に融ければ悪影響はありません

盆栽だって、餓えと寒さの両方じゃ参ってしまいますよ
せめてご飯(水)だけは十分にやってください

まあ、理想的な水やりの時間帯は、午前中から正午あたりですが
私は気温の下がり始めた夕方でも、乾いていたら必ず潅水しますよ

ということで、冬期の水やりは「油断大敵」を肝に銘じ
凍結を恐れずにちょっと多めを心がけてください

では

2012年8月9日木曜日

散水口の取替え

一昨日が立秋だったとは言え、まだまだとても秋の雰囲気ではなく
盆栽人にとっては暑さとの闘いの毎日が当分続きそう

今年は寒冷紗の日除け設備に加えて、棚に人工芝を敷いた水対策のおかげで
水やり作業の負担はおおよそ半分くらいになり、盆栽の健康状態も順調のようです

とは言え、ちなみに申し上げると、「順調のようです」とあいまいな表現をしたのは
まだ寒冷紗の日除け設備での水やりのコツが完全に掴み切れていないので

かえって過水にならないように、かなり神経を使っている最中で、まだ自信満々とは胸を張れないからです
秋になって、「順調でした」と断言できるようにがんばります

さてそこで、今日のレッスンもやはり水やりに関係したことです


数ヶ月前に取替えた散水口の筒先

それがどこかへブツケタのでしょうか、一部が壊れてあさっての方角へ水漏れ
糸状の水の散り方にも強弱がみられますね

あなたもこんな筒先を使っていませんか? 
新しく取替えた↓の画像と見比べて下さい

新しい筒先の画像では
全体の水が平均してムラなく散っていますね

このように如雨露や散水口の筒先からは、平均してムラなく水が出るのが理想
とくに、植替えしたばかりの鉢の表面などは、このように圧力の平均した「柔らかい水」でないといけません

もったいながらずに、年に数回は取替えるように!

では

2010年9月7日火曜日

異常気象の水やり

みなさん、今年の夏の暑さは、盆栽はおろか人間様にとっても、
まさに生き残りをかけた戦いになりましたね

4,5月ごろからぐずついた天気が続いき梅雨に入るころには
来るべき夏は冷夏との長期天気予報でした

それが一転し酷暑日が続き始めたころのことは
水やりのタイミングとして7月29日のつれづれ草に書きましたね

今振り返って読んでみると、あのころの盆栽屋にはまだ溶融が感じられました
それが証拠に、「水やり過多」を予知する簡単な方法などを語ってります

ところが8月に入ったころ、ますます激しくなる異常な気候に危険を感じた私は
我が園の「水やり助手」として貴重な戦力であるカミサンに厳しく命じました

その要旨は

1 今年に限っては、「乾いたらやる」という水やりの原則は無視してもいいから
  日中の水は乾く前に早め行うようにして、決して切らしてはならない

2 故に、早朝の第1回目の水やりのあと、正午までの午前中に第2回目の水やりを行う
  その際に、まだ乾いていない鉢があっても、気にせずに棚全体にたっぷりとやる

  以上2回の十分な水やりにより、気温が一番高い正午から午後3時ごろの時間帯の水切れを
  最小限で食い止められる

3 第3回目は午後3~4時ごろを目安とし、今度は各鉢の乾き具合をよく観察しながら
  水やりの量を調節する

  また、それ以後、たとえば午後6時ごろに乾いた鉢があったとしても、もう驚くことはない
  散水ホーズは使わずに、如雨露で個別に「拾い水」を少々やるにとどめる

  日が落ちてからの葉水もけっしてやらない

  この第3回目以降の水管理により、夜間でも棚板はさっぱりと乾き
  水やり過多を防ぐことができるぞ

でした



朝の8次ごろ、棚全体にたっぷりと水やり


午前中にもう一回

昨年までは2回目の水やりは午後で、乾いた鉢と乾いていない鉢を見極めながらやりましたが
今年の気候ではそんなゆとりはありませんね、早めの時間帯にひたすらたっぷりです

ただし、↑のNo.3のように、第3回目の水やりでは「乾いたらやる」の原則に立ち返り
1日分の水分の調整をし夜間の過湿を防ぎます

しかし、そうはいっても日中の水やりの時間帯や回数は
お勤めのみなさんには無理なことですね

ですから、自動灌水の時間帯を調節したり、帰宅後の夜間の水やりをやや少なめにし
朝の水やりに重点を移すなど、少しでも意識を変えていくことが大切ですね

というわけで、私の強烈な命令が功を奏したらしく、珍しくもうちのカミサンの意識にも変化が見られ
昨年までのように、夕涼みがてらの夜の「葉水」で棚をびっしょりに濡らすことなどもしなくなり


この厳しい夏にもかかわらず、盆栽の作柄にもかなりのいい効果が見られました

では

2010年7月29日木曜日

水やりのタイミング

まったく長期の天気予報とはあてにならないもの

5月から6月にかけての日本列島は、日照時間が短く各地で豪雨の被害も多く
来るべき夏の気温は平年以下の、いわゆる冷夏と予想されていましたね

ところがいざ本番になってみると酷暑日の連続
盆栽人たちにとっては、例年以上に水やりに神経をとがらせる毎日となっております

言うまでもなく、水やり命のわれわれ盆栽人です
水やりに関することはどんなササイな知識や工夫であっても、いいことはさっそく学んで役に立てるべきですね

さてそこで、水やり方法となると、ついつい不足対策の方に傾きがちなりますが
今日は、反対の水やり過多を予知する簡単な方法を勉強しましょう

なおちなみに、盆栽人がなぜ冬の長期予報よりも、夏のそれを気にするかと言えば
やはり黒松・赤松類の芽切りの時期が関係してくるからですね

冷夏予想となれば、早めに実行し
暑い夏になりそうならば、もちろん遅めにずらすというわけです


数日前の明け方、わずかながらもにわか雨が降りました

朝になって日が昇り盆栽棚に日が当たりはじめ、そろそろいつもの水やりの時間になると
「ねー、おとうさん、水やったほうがいいんじゃない?」、すでにカミサンは腕まくりを始めています

「今朝は水をやらなくていい」と言う私に向かって、「そんなこと言ったって、もう乾いているよ、雨が降ったってちょっぴりだからさ!」
まるで宮本園を背負って立ってるみたいなでかい態度で、うるさく迫ってくるカミサン(かわいげネー)

そんなときには論より証拠、直接的な行動がいちばん説得力があります
黙って一鉢の盆栽を取りあげ、その湿った鉢底を見せ、水分たっぷりの水穴とその奥の用土を見せてやりました



鉢土の表面は乾いていても
未明に降ったわずかな雨の水分は、まだたっぷりと鉢底に痕跡を残しています



さらに追い打ちのもう一鉢



ここにも水分はたっぷりと残っています
これでは水をやる必要はありませんね

まだまだうちのカミサンは一人前にはほど遠い
水やりは一日何回という先入観に支配されているんですね

というわけで、以上のように

1 水の過不足は鉢土の表面だけではわからないことがあるので
2 鉢底や水穴、その奥の鉢土の湿り具合から判断するといい
3 それにより、鉢裏の蟻やナメクジやダンゴムシの発見など、副次的な効能もある

などなど、効果は抜群です

簡単なことですが
みなさんも面倒くさがらずに、ぜひ習慣にしてくださいね

これはうちのカミサンの教育にもさっそく効果があったようで
以来、鉢裏を観察している姿が何度か見られるようになりましたよ(笑)

2009年10月23日金曜日

秋の水やりの要点

秋も徐々に深まってそろそろ雑木類の葉が色づいてきました
このごろになると鉢によって乾く速度が異なってきて、水やりの加減も難しくなってきます

それというのも、夏の間は乾くたびに何度水をやっても過水にはなりにくいのですが
棚に並べた鉢により隣同士であってもかなり乾く速度が違うので、かたや水不足、かたや過水、そんなことがおきやすいのです

おまけにこれから冬に向って湿度が下がる一方なのが日本の気候
この湿度の低下も乾きやすい鉢のとっては意外な大敵となるのです

あの暑い夏の水やりをやっと乗り切ってホッとしたこの頃があぶない
これから冬に向って知らぬ間に水切れや過水をおこし、盆栽を衰弱させるひとが多いのでご注意、ご注意です



今朝(23日)の午前9時の乾き具合の見本(盆栽屋.comの棚より)、左は楓、右は梅もどき
だいたい午前9時から10時ごろが水やりの時間ですが、この時点でもこれだけの差があります



梅もどきは鉢土の表面はおろか、水穴の下からのぞいても、これ、この通り底の用土もカラカラ
この程度に乾いているとサット一回やったくらいでは、とても底まで水は回りませんね

表面が濡れたように見えても乾いた表面にはじかれて、案外底までは届いていないのです
やった水が一応しみ込んだと思っても、再度しつこくしっかりとやらなければなりません



かたや楓の方は、表面にもかなりの湿気が残されていましたのが
水穴の下からのぞく鉢底の用土も半乾きの状態で、ちょうどいい感じ

ですからこのような盆栽に対しては、普通の量を一回やれば十分ですね
過度な量をやる必要はないのです

このように同じ棚の上で毎日同じ量の水をもらっていながら
植替え年数や鉢の大きさや形状、さらには盆栽の元気度などさまざまな条件によって乾く速度がまちまちです

ですからみなさんは

1 普段からの各鉢の乾き具合をチャックしておき、乾きの早い鉢には回数もしくは水の量で調節する
2 水やりの工夫で対処が不可能なときは、表面に水苔などを張って調節する
3 乾きの速い盆栽と遅い盆栽を区分けして置き換えるのも一策でしょう

などの工夫をします

今日の格言

秋から冬の水やりは案外難しい、水やりは盆栽の基本中の基本です、なめちゃいけない!

読者のみなさん、コメントお待ちしていまーーす
可能な限りご紹介したいと思います

宛先

盆栽屋.comのメール
盆栽屋.comの掲示板

どちらでもけっこうです

2008年7月26日土曜日

過水にご注意

盆栽人にとっては「水やり」が勝負の夏となりました
今年も梅雨明けの初っ端から例年以上の過酷な猛暑の様相

盆栽にとって水やりは、「水やり三年」とか「水やりに始まって水やりに終わる」といわれるほど
盆栽にとって奥の深い技術といえます

ついウッカリしの水切れなどを気をつけることはもちろんですが
案外に多いのが「過水」の害です

「過水」は一時的な水切れと違い、ジワジワとボディーブローのように根にダメージを与え
本人の気がつかないうちに盆栽の勢いを奪ってしいます

ベテランは、根を常に水びたしにする「過水」のこわさがわかっていますので
「過水」はかえって、熱心な初心者が陥りやすい落とし穴のようです

盆栽の水やりの鉄則は、「乾いたらやる」ですから
だんだんに「乾かすことの勇気」も学んで頂きたいと思います



この安部性もみじのような、薄目で鉢底の平らな鉢は乾きやすいがのですが
構造上水をやった後の一時的な水抜けが遅いのが特徴

ですから水をやった後に、このように鉢を傾けて余分な水分を切っておきましょう
または、片方にカイモノをし傾斜をつけておくと水が早く抜けます



この楓の入った丸鉢も底が平らなので↑の楕円鉢と同じです
傾けて余分な水を切っておきます

このように細かい気遣いひとつが盆栽の生育に大いに影響します
「水やり三年」、がんばってくださーい!