2002年6月29日土曜日

佐野大助さんの話

鉢作家、佐野大助さんの思い出話です
私が盆栽を趣味で始めて数年の頃
浅草のある料理屋の2階でやっていた
小品盆栽の交換会に行ったときのことです

交換会は初めてです
けっこう名のある愛好家や業者も見えていました
そこへ私は若造のくせに、数点の小品を持って出かけました

初顔の私に、大助さんは
「おい、あんちゃん、どっから来たんだい?」と
あの大きな目玉でにらみながら聞くのです
何せあの顔です、私はびびりながらも無視してしまったのです

セリが始まって私の番がきました
セリ台の大助さん
私の品にとほうもない安い発句を入れました

そして「おい、あんちゃん、売っとけ!」
とにらむのです、例の目玉で、すごい迫力!

さっきの無視がいけなかったのだ、と気が付いた時はもう遅かりし
先輩に対する私の無視の態度にカチンときて
この若造、ちょっといたぶってやろうと思ったのでしょう

それに品物もけっこう魅力的だったのでしょう
それにしても安すぎる
しかし、その迫力を対抗するには、貫禄が違いすぎる!

今まさにあえなく陥落しようとしたその刹那
孤立無援の私に、救いの手が差しのべられたのです
足立区千住の飯島さんという業者です

宮本君、それじゃあ売れないだろ、佐野さんよ、ヤマにしてやんなよ」
たった一度だけ盆栽を見に訪れた私を、飯島さんは覚えていてくれたのです

こうして私は救われたのでした、ああ怖かった!
これが大助さんとのはじめての出会いです

私の交換会デビュー大助さんとのやりとりがあったために
よけい印象深く、今でもはっきりと思い出せます

2002年6月28日金曜日

巻き絹草


可愛いいでしょ
巻き絹草のミニです
わずか直径3センチの小さな鉢に植わってます

うちのかみさんも、この巻き絹草を持っていますが
9号の仕立て鉢に、山のごとくに生茂っています

あれでは盆栽とはいえない
単なる鉢植え(別段、鉢植えと盆栽との優劣をいっているのではありませんよ)
盆栽を目指すなら、植物美だけでなく
鉢との調和を考えて、雰囲気を演出したいものです(かみさんには言わない、ここだけの話)

こうしましょう
二つ並んだ巻き絹草の、どちらが草もの盆栽として見どころがあるか
掲示板にカキコしてください

向かって右か左か
あなたは、どっちが好きですか?
その理由もね
難しく考えなくともいいです
”素直に”です

2002年6月23日日曜日

山つた

山つたの葉に二種類あります
同じもの?
別の種類?

わたしは長年、次のように認識していました

両方とも同じ樹種(山のつた)であり
下の写真の、切れ込みが深く、やや小さめの葉は
山に自生している状態でいうと、根元のほうであり

蔓が伸びていくにしたがって、上の写真のように
切れ込みが浅く、照りがあり、やや大きめの葉になる

つまり、木の元と伸びた先の方は、葉の形が違うということです

根拠は、昔若い頃に、野山から自生のつたを採取して仕立てている大先輩から教わったからです



ところが最近になって、ある同業者が
両者はまったく別のものだといわれ
はて?と長年信じていたことが揺らぎ始めました

というのは、その同業者もかなりの盆栽界の権威であったからです



さて、困りました
おまけに、拓どんという方が画像つき掲示板に
ご自慢の山つたの写真を貼り付けました
そのつたの講評もしてあげねばなりません

真実を見極めねばと一念発起
規則違反を承知で、近所の自然公園の山に侵入しました
探すこと1時間あまり
杉の木に絡み付いている山つたを見つけました

観察すると、私が信じていたとおり
同じものです
元の方は下の写真のような小さい切れ込んでいる葉で、先に行くにしたがって
上のような切れ込みの浅い照り葉になっていました

これで一安心、間違いなし!

みなさんにもご報告しておきます

2002年6月18日火曜日

W杯

なんとも日本中が盛り上がってますね

下馬評をみごと覆して、決勝トーナメント進出の快挙です

私が子供のころからなじんできたスポーツは、野球と相撲に代表されます
学校の休み時間といえば、野球と相撲でした

息子が中学でバスケット部へ入ったときは、なぜ野球部じゃないんだと
少々落胆した記憶があります

その息子が中学二年のとき、全米学生選抜が来日したのを
代々木体育館へ二人で観にいきました
NBAのドラフトの上位にランク入り有望な選手が大勢いましたね

サッカーに関しては、Jリーグ発足当時から、一試合をまるまるテレビ観戦したこともありません
若い商売仲間に、FW、MF、DFの職務分担やオフサイドの意味を教わりました
さすがにGKは知ってましたよ

あるとき息子が「僕ね、友達の間で、ヒデと似てるっていわれるんだよ」というじゃありませんか
「ナカダヒデか?」
「違うよ、ナカタだよ!」

ヘーッ、ナカタね、なーるほど、ナカダでもナカタでもたいした違いはネエじゃんか
ふだんからろくな日本語を使っちゃいないくせに
くだらないところで親の言葉をとがめるんだな

でも、よくよく息子の顔を眺めると
髪型こそ違え、面長な顔の輪郭線、細い目、鼻の形などよく似ています
ミーハーかあちゃんは、大喜び!
ばかいっちゃいけないよ!
喜ぶほどの色男かい、オレの若いときと比べたら、まるっきり月とスッポンじゃねーか
中田英寿がイタリアへ移籍する前後の頃でした

そんなこんなで以前からのナカタヒデファンの下地に
新たなにわかベッカムファンという病が加わり
重篤サッカー病になってしまったかみさんと二人で、テレビ観戦
こちらもにわか解説者、疲れるねー

我が家のW杯風景でした
今日は対トルコ戦、応援します、にわかサポーター

2002年6月15日土曜日

講習会風景

この春先に、隣県の茨城県の龍ヶ崎市の
ある公民館の副館長さんから電話をもらいました
公民館の成人学級で盆栽講座を企画している
ついては講師を頼みたいということです

インターネットで検索した結果
盆栽屋.comに白羽の矢があたったんです

ちょっと迷いましたが、熱心で率直な話し振りに好感をもてたこと
また、講師のあてがまるでない、ということの二点で
引き受けることにしました

6月13日の午前10時からが、約束の第一回の講習日です
閑静な新興の住宅街に白い真新しい公民館です

デジカメを持っていってよかった!

9人の方が受講申し込みされたそうですが
なんと、全員女性なんです
これにはびっくり、こんな講習は生まれて初めてです
平日なので定年組みのおじさん相手とばかり思ってました
これは予想外でした
(写真を見てください、若い娘さんが写ってますね)

メンバーは
おそらく私の娘(30歳)より下と思われる女性が3人
中年の方が5人と
うれしいことに90歳のおばあちゃんが参加
計9名

この若い方は自前の教材をお持ちになっています
盆栽が大好きなんだそうです

皐月の苗を5寸の仕立て鉢に植えて(本式)
剪定して、水やり、肥料、消毒などの管理を講義

今度は9月です
そのときに持ち寄って、花芽がついているかどうか?
楽しみです
作業は熱を帯びて30分の延長戦となりました
カリキュラムは3回で完了の予定ですが
例え人数は少なくとも、女性がだけの盆栽講座とは
感心しました