2003年1月28日火曜日

国風展審査風景 5

小品は扱い者が自ら飾り付けます
飾り付けを間違えたらたいへんですからね

広瀬さんも息子さんを助手にして飾り付けを始めました
出品前にかなり構想を練りに練ったんでしょう
手早かったですね


ここで注意してご覧下さい

息子さんの盆栽を持つ手元を!

両手できちっと持ってますね
これが盆栽の正しい持ち方です
(良く仕込んであります)


受け取る側の広瀬さんも両手を差し出していますね


最後にハネダシ(前置き)を添えます


箱の位置をちょっとなおして出来上がり
さすが手馴れたものでした

国風展審査風景 4

地獄の審査が終わって、3日目は写真撮影の日です
この日はみんなの顔つきが違います
ニコニコです
それも当然、今日まで残っている人は勝ち組です!

グリーンクラブの一階フロアーで、2個所に分けて行います
それでも朝から夜までかかりますよ


大物は大変です
3人がかり、うーんこらしょ!
カメラさん、突っ立ってないで手伝ってよ!
だって、僕、盆栽持ったことないもん!


係りの若い人がカメラさんの指示を受けています
盆栽の向きを微調整しているんです
カメラさんは楽ですね!


私の出品した「さるなし」
うーん、小久保さん、ちょっと鉢を右に振ってくれない!


ハイ、良く撮れました
写真顔がいい木なんでだよねー!

2003年1月27日月曜日

国風展審査風景 3

審査を待つ小品盆栽の席飾り5席
いずれ劣らぬ名品ばかり
しかし審査は狭き門です
お話したように入選率は約50%

確立からいうとこの5席も2.5席しか入選しないんです
厳しい、きびしすぎるーッ!

5)

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国風展審査風景 2

審査は10名の審査員によっておこなわれます
500点の審査は朝9時から夕方4時ごろまでかかります

各審査員の持ち点は7点
国風展にふさわしいレベルに達していると思えば4点以上を入れます
今一かなと思われると3点を入れます
まったく見込みなしと思えば2点もありえます
さすがに1点というレベルの木はないと思いますが

6,7点を入れる盆栽はめったにないそうです
これはイイで4点、うーんこれは凄いで5点がやっと、というのが常識の拮抗した厳しい世界です

全て採点してから得点の高い順に約250点の入選が決まるので
ボーダーラインの得点の盆栽は最後まで当落がわかりません
別室で刻々と掲示される得点を見ながら、一日中ハラハラドキドキしています

しかし例年のことですから目安はあります
10人全員が4点を入れたとすると合計40点
その木は間違いなく入選です
40点の人はまず一安心で、余裕のヨッチャンです

10人うち半分が3点、半分が4点だとすると合計35点
このあたりだとまず落選ですね
ガックリしています

毎年、36~37点くらいがボーダーラインです

以下みなさんの大好きな小品盆栽4席
どの席も名品ぞろい
しかしです、確立でいうとこのうち2席は落選なんです
選べってほうが無理
そんな気がするでしょ!

1)

2)

3)

4)

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2003年1月26日日曜日

国風展審査風景 1

2月9日より都立上野美術館で開催される
第77回の国風展の審査が始りました(3日間かかります)
日本盆栽協会主催の国風盆栽展は盆栽界最大のイベントです
その権威と伝統またそのレベルからいっても、文句なく日本一の盆栽展示会です

今日は搬入日、全国より約500点の名品が
松柏類、雑木実物花物類、中品、小品の4郡に分けられます
明日の審査で、この名木たちの半分しか入選できません
半分は落選してそく「退場」、お帰りはあちらー!
厳しいんです


松柏類の普通サイズのコーナー


中品のコーナーは飾りつけも採点されるので仮に飾りつけます


小品も飾り付けて採点します

私も「さるなし」を雑木部門に応募搬入しています

2003年1月24日金曜日

大助鉢の検証 1

掲載した2ツの鉢は佐野大助の作品です
上の作品は大助の傑作といえるできばえです

ところが下の龍の鉢は絵のタッチも乱暴ですし
額縁の縁取り部分など、筆の乱れがあります

同じ人間が作ったにしては違いすぎる作柄です
このように、同じ作者の作品を比較する場面になると

どうしてこのようなでき不出来が生じるのか
つくづく、芸とか技とは実に不思議なものだと感じます

ものを創る人の心の中をのぞいてみたい気がしてきますね
みなさんはどう考えますか?


佐野大助鉢(蕎麦釉外縁浮彫絵付長方樹盆)

赤味のしっかりした生地に青味かかった蕎麦釉を施していあります
絵模様は俗にいうところの「月に落ち雁」です
中秋の大きな月の前面に穂の出た葦を大胆に描いた構図は見事です

「夜の雁や 葛飾の野に みな落ちぬ」  秋桜子

北からやってきた雁が、長い旅を終えて次々と空から降りてきます
絵師大助の優れた力量と博識、まさに円熟期の作品です






佐野大助鉢(瑠璃額面絵付丸型樹盆)
三足の丸を三面に区切って絵付けをしてあります
絵は龍の図で描き込みはなかなかのものです

しかし、大助にしては額面の縁取りなどにやや粗雑なところが見えます
最晩年の作ではないのですが、正直上作とはいえません

2003年1月20日月曜日

盆栽会新年会



昨日(19日)は日本盆栽協会松戸支部の新年会
総勢24名の出席です
酔っ払わないうちに記念撮影
だからみんなけっこう真面目な顔してます

前列中央の丸顔のずんぐりした人が会長の真嶋さん
この料理屋の女将が私のデジカメで撮影してくれたので
珍しく私も入れました

一昨年創立30周年記念展示会をやったので、今年で32年目
それでも創立以来のメンバーが10人近くいますよ
振り返ってみるとすげーことですね

職業もいろいろ
市会議員から会社の社長、お医者さん、大工さん、お寿司屋さん、刃物屋さん、造園屋さん
園芸農家、もちろん定年のご隠居もいます

私の役目は、あくまで皆さんの盆栽趣味のお手伝い
これからもそれに徹していくつもりです

ここでは市会議員も社長も関係なし
平等が売り物の趣味の世界
コンパニオンの綺麗どころも呼んでありまして
ワイワイガヤガヤとにぎやかに盆栽談義に花が咲いて大宴会

二次会はいわずとしれたカラオケでした

うらやましいでしょー!

2003年1月19日日曜日

清玄もみじ・稚児葉取り

昨日手に入れた清玄もみじの芽先が見事にしまっているので
どんな管理をしてきたのか、今までの所有者(同業者)に電話で聞いてみました

話によると、その盆栽業者と親しい熱心な愛好家が長年丹精したものだそうです
その愛好家は新芽の出る頃、雑木類に「稚児葉取り」という作業を施すのだそうです

私も「稚児葉取り」という技法は聞いたことはありますが
実行したことや作業を見たことはありません



その概要をお話しましょう

1 稚児葉というのは春芽が伸びてきたときに
  新枝と旧枝の境に小さなヘタのような葉が出ます
  それを稚児葉と呼びます

2 春芽が色づいてその殻がゆるみかけた頃(芽が伸びだす前)に
  ピンセットで一芽一芽その稚児葉を取り除きます

3 竹の子が地面に顔を出したときに、先端から一節ずつ皮をむいてやると
  節間のつまった短い竹になります、それと同じと考えればいいでしょう

4 順番にすべての芽の稚児葉をとります(時間がかかります)

5 稚児葉を取られた芽は節間が短くつまります

6 それでも一芽か二芽残して芽摘みをしてやることを忘れないように




木全体の芽がはつらつとしています
芽の強弱がありません

輪郭が出来上がって、さあこれから小枝をふやそうとする完成間際の雑木類には
有効な技法です
私も今春には是非実行します
みなさまも研究してみてください

2003年1月16日木曜日

日本小品盆栽協会展 4

かわいらしいミニ盆栽が並んでいます
いわゆる「肩のこらない」というリラックスした感じですね
とはいえ飾りの定石はしっかり守られていますよ

真正面からではなくやや上方から眺めt見ましょう


6点の盆栽と草物が3つの群に分かれています
その3つの郡の位置関係に注目してください

大きな棚は奥、向かって右の懸崖はその手前
前置きの地板が一番手前です
一直線上にならないように配慮されています
奥行きを演出するためです

次に注目するのは
3郡の中心点を結ぶ線が不等辺三角形になることです
またそれぞれに高さも違えてあります
それにより変化、動きを演出しているわけです

盆栽を席で飾るということは、あなたが「演出者」になることです
さしずめ盆栽や草は「役者」ということになりますね


上の解説を読んだ方はそれを念頭において、この席も楽しんでください

付記
この他に展示席には「季節感」の表現という大切な要素があります
それは今までにつれづれ草でお話してきましたね

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2003年1月15日水曜日

日本小品盆栽協会展 3

アマチュアの方々が主宰する愛好会です
徹底的に楽しもう!
という雰囲気が充満しています



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2003年1月14日火曜日

日本小品盆栽協会展 2

日本盆栽協会はミニ盆栽の愛好家団体です
かって中村是好、明官俊彦、田代代志さんなど
ミニ盆栽史に残る方々が中心になって運営してきました
その先人の伝統を受け継ぎ多くの愛好家の皆さんが楽しくミニ盆栽を楽しんでいます



上段 黒松
中段 つる梅もどき、(?)
下段 梅、(?)
前置 マートル柑、草、ピラカンサス



会場風景
圧倒的に男性の姿が多いようです
これは以外ですね
女性は盆栽よりガーデニングーの方かな?

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2003年1月13日月曜日

日本小品盆栽協会展 1

1月11日~13日
今日まで東京上野グリーンクラブで開催されたいた
日本盆栽協会の新春展示会にいってきました

この席は昔から知り合いの愛好家の席です
遠慮はいりません
皆様のご批判を戴く「いけにえコーナー」としましょう
キタンのないご批評を掲示板にカキコください

席主は私の友人です
それを聞いて怒るようなこと人ではありません
ほめことばなど不必要
メチャ厳しくいきましょう
何事も勉強です





黒松古葉取り

時期 葉が固まった11月下旬から翌年の3月中旬まで

目的は盆栽の完成度によってことなりますが
古葉を取ることにより日光と風通しをよくし、新葉の成長を促します
同時に新葉の数と芽数を調整し、各枝のバランスのよい生育を目指します

鑑賞上からも培養的にも非常に大切な作業です
    

まだ若さの残る黒松ですが、幹筋、枝順の整った姿のいい木です
培養上も各枝の勢いも均衡が取れています

この場合は古葉を取るだけで充分です


大きな盆栽ではピンセット抜きますが
小品の場合はハサミを使って葉の元を2~3ミリ残しで切ります
小枝を傷めないためと、隠れた胴吹き芽を守るためです


根気よくていねいに一芽ずつ処理していきます


樹冠と向かって右半分が終わりました
左はこれからです


すべて完了
半完成の上の写真と見比べてください


拡大図
古葉のついた状態


古葉を切って新葉のみにした状態

2003年1月12日日曜日

石灰硫黄合剤 2

石灰硫黄合剤は
雑木類幹の消毒を兼ねたお化粧にも使います
また真柏や杜松のジンの腐り止め兼お化粧にも使います

楓の幹と枝元に塗ってみます
倍率は3倍液です


1 木の汚れを歯ブラシで掃除します
2 木全体が濡れている状態にしておきます(液ののりがいい)
3 鉢と土の表面をガードします(布、ビニール、紙)


2~3倍に薄めた石灰硫黄合剤を筆にタップリしみこませ
幹の上部から塗ります
枝は先端を避けて中間くらいまでにします
冬芽には塗らないように気をつけます
水で濡れているのでのりがよく、簡単です


根張りの部分にもお化粧
土の部分にしみないように気をつけます


半乾きの状態です
硫黄分が黄色く見えますね
また枝先の冬芽の部分を避けているのが見えますね

乾けば白粉を塗ったように真っ白になります

注意)硫黄合剤を塗ったばかりの真っ白けで展示会に出品される方がいますが
厚化粧ではかえって見るほうがゲンナリ
自然の木肌の味も見えません
展示会に出す前年は塗布を控えましょう

2003年1月11日土曜日

石灰硫黄合剤 1



石灰硫黄合剤を散布する季節になりました
時期は今頃から2月下旬までが最適です

硫黄合剤は殺虫と殺菌の薬剤です
ラベルにも「冬の」と書いてあることを忘れてはいけません
この薬剤は冬に散布するものです
樹木の生育期(春夏秋)に散布してはいけません(枯れますよ)

枝葉や樹皮に食い込んで冬を越すような害虫や病原菌を退治するのに最適です
効果は抜群ですが
石灰硫黄合剤を散布しない人もいます
理由は枝葉に散布液が白く残るし、鉢もよごれからです
他の方法で害虫や病気を退治できれば必須ではありません

使用上の注意点です

1 散布時期が早い(12月)と、暖かくなって病原菌や害虫が活動し始める頃には効力が薄れているので
  1月中旬から2月下旬ごろが最適期です

2 活動期に散布する薬剤は根を傷めることはありませんが、石灰硫黄合剤だけは根を傷めます
  絶対根に薬剤をかけないようにしてください(根を保護する)

3 倍率を間違わないように(枝葉および冬芽の部分は50倍前後・幹肌は3~5倍も可)

4 他の薬剤と違って、天気のいい日の日中に散布して、散布液が早く乾くようにする

5 春になって枝葉や幹に白く残った硫黄合剤は人体に有害です
  盆栽の手入れの際に、その粉末が空気中に飛び散ります
  それを吸わないように気をつけましょう


10リットルのバケツに500ccで50倍液ができます


噴霧器で散布するのが普通ですが
小品盆栽はこんな方法でもできます


逆さまに、頭からドブーン
こうすれば鉢は汚れません


2~3回振って散布液を切ります
そして横に寝かして液が乾くのを待ちます
横に寝かす方法は各自考えてくださいね、いい方法があるでしょう


乾くと白くなります
土の部分には液がかかっていませんね

これで完了
小品盆栽なら100鉢くらいは簡単な作業です
ゴム手袋と長靴と眼鏡を用意して挑戦!
もちろん作業服に着替えてくださいよ