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2017年4月19日水曜日

作る・チリメン桂

育ち(太り)の遅い樹種の代表であるチリメン桂は、種々ある盆栽樹種の中でも
特に希少品とされ樹格の高い高級品とされています

培養技術の発達した昨今では価格もリーズナブルになりましたが
私達の若いころは現在とは比べ物にならないほど高価でしたね

とはいえ現在でも、木筋の通った優れた商品の数は少ないことは相変わらずなので
これと思ったものに出会えたとしても、そう簡単にはいかないでしょう(笑)

そこで皆様にお勧めするのが、優れた骨格の種木を探して
サイズダウンの切り込みを敢行し、本格的なミニの模様木を自ら作ることです

切り込みは4月の半ばから入梅前までが適期です
夏以後や秋から冬季は適していませんから、時期を必ず守りましょう


樹高20㎝で足元の幹径は2.0㎝くらい
樹令は不明ですがおそらく20年ほどは経っているでしょう

今月の初めごろに市内の小さな交換会で3,000円(安い!!)で落札しました
あまり太くはありませんが、足元から中ほどにかけての幹模様が器用で、枝順もほぼ順当です



1  一の枝候補

2  二の枝候補

3  三の枝を兼ねた裏枝候補

4  使える枝です

5  使える枝です

赤点で示した三つ枝は↓で解説します


後姿も幹模様が強くて魅力的です


骨格をよく見定めておいて先端の枝葉を思い切って切り落とします
その際、重要な骨格部分の剪定は慎重に行います

ここへ来て、今まで保留にしておいた芯の部分の剪定計画ができ上がってきました
樹高12㎝の位置に新しい芯を立てることに決定です


切り込み作業完成です

今年の切り込みを第一次として
来年再来年まで、第三次までの作業を行う予定です


後姿

この後の管理のポイント

1  切り込みご1~1.5ヶ月ほどして芽が吹き揃ったら
   多めの肥料と水やりで肥培する

2  原則今年一年間は芽の先端を摘まず
   来春以降に針金で枝棚を作っていきます

3  来春に現在の6号鉢から4号鉢に移します
   根さばき方法は改めてその時に勉強します

みなさんも売店などで掘り出し物の素材を探して
改作にチャレンジしてください

2015年8月25日火曜日

ちりめん桂取木成功

3週間前の8月2日のスクールにトリクンが持ってきたちりめん桂
聞くところによると、ネットオークションで見つけた掘り出し物であるらしい

画像でおわかりだと思いますが、いずれ追い込むことになる徒長枝を取り木の材料にして
最後は基本の骨格を活かして、主幹のしっかりした株立ちをゲットしようとの魂タンですね

それにしても、トリクンがこのちりめん桂を植え替えたと思ったら
次いでいきなり↓のように2か所に取り木作業(環状剥皮)を始めたにのはびっくり

時期がちょっと遅いんじゃないの?
来年まで我慢した方がいいんじゃない?

ところが、それから23日のスクールまでわずかに3週間しか経っていないのに
ビニールの内側には早くも細いモヤシのように白根が見えてきましたよ

大成功!!

我々の頭の中には「取り木は春先の芽出し前か入梅前」という「常識」が
ドンと大きく居座っていますが

若い人は経験と知識が少ない分だけ、逆に積極果敢になれるともいえるのでしょう
来年まで待つなんてことは考えず、どんどん手を動かしていきますね

このように、若い盆栽人と交わっていると、ほとんど不動のものになっている我々の「常識」なるものがが
不意に揺すりをかけられることに度々遭遇します

そして失敗もありますが、成功すればそれはいずれ確たる技術や理論となって定着し
次の世代に受け繋がっていくわけですね

こんなに猛暑日が続くのに、環状剥皮で短期間に発根した理由は

1 もともと樹勢の素材であった
2 施術が正しく丁寧にされた
3 術後の置き場所が棚下の涼しい場所であった

と考えられます


日の当たらない棚下に置いたので葉の傷みがない
環境さえ整っていれば取り木の適期はもっと幅をもっても可能なようですね

こんな記事もありました


ビニールの内側に白根が見えますね


根っ子の拡大図


2か所とも発根

2010年6月1日火曜日

三年後のチリメン桂

盆栽樹種の中でも極端に成長が遅いことが知られているチリメン桂
それでも真剣に3年も培養すると、かなりの変化を見せてくれます

とはいえ、人間の記憶力はあいまいだし、成長の早い樹種に比べると微々たるものなので
写真を撮って画像を保存しておき、後で比較してみるのが一番です

比べてみて、出世していればこれからの張り合いになるし
もし下降線をたどっているようであれば、再建計画を立てるための指針にもなるでしょう

ご紹介するのは、フリースクールの常連のクロちゃんが挿し木から仕立てたチリメン桂の双幹ミニ
3年前、ある盆栽を買って頂いたときに下取りさせてもらったと記憶しています

たしかその当時で6~7年生だと聞いたようですから
そろそろ10年選手ということになります


2007年の姿(樹髙11㎝)

挿し木から無理な肥培をせずじっくりと育てたので
若木ながら幹筋や枝順などの基本的骨格はすでに出来上がっています

素材から仕上げる場合

当初は幹筋や枝順を決めず、とにかく肥培管理に徹しながら
「太らせる」ことを最優先させ、幹の太さが目的に近いところまで達してから樹形の基本作りにとりかかる

反対に、幼い苗の時代から幹筋と枝順の基本作りを意識し
無理な肥培はせずにコツコツと気長に培養する

大ざっぱに云うと以上の二通りの方法があります

ちなみに、最初の方法は短期間に太みのあるボディーを得ることができるが
基本作りのときに切り戻しの傷などができやすい

後者では、素直できれいな幹筋を得ることはできるが
力強い迫力のある幹筋を得るには、かなりの年月がかかります

つまりどちらにも長所と短所はあるんですね

しかし、ベテラン愛好家のほとんどは、ある時は徒長枝などをうまく利用しながら時間の節約をし
ある時は基本の骨格を崩さないよう、上手に制御しながら辛抱強く育てるなど

適宜に両方を使い分けることができていますね

あなたはこのチリメン桂はどちらの方法で培養されてきたと思いますか?
そう、几帳面で気長な愛好家さん向きの後者の方法ですね


今年の画像です

まず第一に気がつくのは、幹の太さはほとんど変わらないけれど
木肌の古色感としっかり感に3年間の培養の成果が感じられます

それと、親幹の上部から差し出された枝の利き枝の充実も目に入りますね
枝元のあたりが太っているのが見て取れます

また、樹冠部や各枝の棚もかなり吹き込んで充実してきましたね
もう一息の感じまでこぎつけたようです

太さは同じようでも、盆栽としてのポイントは以上のあたりです
3年前の姿と比べてみてください

両者の相違に気がつくようなら、あなたの観察眼は成長していますよ
もし、何度見比べても「?、?、?、どこが違うの?」だったら、これは勉強不足ですぞ


3年前の幹筋の拡大図


現在の幹筋

両者を比較して一番強く感じられたのは、「持ち込みの味」の違いです
とにかく古ぶるしく落ち着いた感じのことです

この持ち込みの味は盆栽にとって一番大切なことで、一種の「風格」ともいえるでしょうが
これらを感じ取るためには、普段から注意深く盆栽を観察し鑑賞してのみ培われる「眼力」が大切ですね

それでは今日のキーワードです
「持ち込みの味」・「風格」・「眼力」、それと素材の育て方に「二通り」の方法があるということでした

2003年2月6日木曜日

アマチュア恐るべしⅡ



手のひらのちりめん桂
わずか6.5cmのミニです

前々日の石化ひのきと同じアマチュアの盆栽家が作ったものです
育ちの遅い樹種ですから、おそらく30年は経っているでしょう

双幹の姿は大木の相をもっていますが
なにかが違います
それは端的にいって簡潔さにあると思えます

わずか6.5cmの寸法のうちにいろんな見どころを作るのは、無理なことです
要約して重点的に美を表現することが大切です
ミニ盆栽は欲張ってはいけません

一昨日の朝日新聞の夕刊に
1月16日に逝去した写真家の秋山庄太郎の記事が載っていました

「プロは注文の写真に最善を尽くして撮る。
だが、アマチュアは好きな写真に好きなだけ時間とエネルギーを注ぐ。
一枚の写真ではアマに負ける」というのが彼の持論であったそうです。

そして「アマチュア恐るべし」と公言してはばからなかったそうです。



30年の歳月をかけた、まさに「アマチュア恐るべし」の作品です
簡潔と明瞭の見本です