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2021年2月20日土曜日

九眼長城(名品紹介)



貴船石 銘・九眼楼長城
間口8.5×奥行き6.5×高さ7.0㎝

本来ならば春の植替え準備に取りかかる時期なのに、最近巡り合った素晴らしい水石を皆様にご紹介したくって、パソコンの前から離れられないでおります。
親しい同業者が持っていたこの茅舎石が欲しくって、オネダリシテやっと譲ってもらった汗の結晶です。 それにその時点では命名もされていなかったのです。


正面やや右側面より

二層の構造の高楼と四方に狭間を備えた堅固なイメージから万里の長城における最も規模の大きな九眼楼から命名しました。


正面やや左側面より




台座は嵌ったままめったに外れません


正面やや上方より




後ろ正面より

産地は京都の貴船石で、養石されて随分と年月が経っています。古色感に申し分はありません。


正面やや左側面より


台座と石の底面
九眼楼は万里の長城の中においても最大規模の大きさと重要な戦略的な意味をもった要衝の楼閣で、二層の展望台と周辺には各々九つの狭間をもった堅固なつくりになっています。
 

2008年9月6日土曜日

加茂川茅舎石

遠山石、滝石、磯形石などともに
私たちに親しみのある水石に茅舎石(くずやいし)の分野があります

茅舎(くずや)とは日本古来のカヤブキ屋根の家のことで
古きよき時代の日本の里山の風景には欠かせないものです

ですから、盆栽の席飾りにおいて、たとえば実もの盆栽に茅舎石を配すれば
穏やかな山村の秋の景色がより鮮明に強調されますし

また長寿梅などにあしらえば、希望に満ちた早春を迎えた歓びの風景となります
草木と水石とが一体となって様々な場所と時を連想させてくれるのです

盆栽席飾りの中でも特に茅舎石が好まれるのは
このように、日本的な情緒のある景色を表現するのにピッタリだからですね



加茂川・茅舎石   間口4.8×奥行4.3×高さ5.0cm

茅舎石は真新しい立派な家を思わせては面白くありませんね(笑)
古びて屋根の茅がやや崩れかかったいたり、柱などもやや傾きかけた感じのほうが興趣があります

この茅舎石は、傾きかけた家の奥から透けのぞく光が侘しさを募らせますね
石の時代感もたいせつなことです、ともかく郷愁の趣を大切にしたいものです



戸障子が破れた感じが寂しげな風情を強調していますね

このように石に穴が開いて向こうへ抜けているのを、水石用語でヌケと呼びが
石の景色に変化を与え重要な役目をしていることが多いですね

さらに、この茅舎石のようにヌケが天然であれば理想的ですが
そんなことはめったにないものなので、目立たぬような少々の加工であればガマンすべきでしょうね



きっちりとした三角形の屋根では面白くない
左右非対称の美が私たち盆栽人が好む感覚です

そして最後に、今までなんどもお話しているように
”石を眺めながらも、じつは見ようとしているのは石でない”
をわすれないように

2005年7月24日日曜日

水石道の真髄

水石の世界では天然ものを「ウブ石」といって尊重します
「ウブ石」に対し一部でも人工的な修正が加えられていると「直してある」「いじってある」などと呼び
できれば避けたいとの思いを共通に抱いています

しかし、天然もので理想的な姿形をもった石
これはめったにないのです
そこで、石底の加工については認めざるを得ないというのが、偽らざるところでしょう

そんな水石界のなかで、数少ない例外として
茅舎石については加工が大っぴらに認められているのです

1 天然で茅舎の形を表現した石は稀であること
2 茅舎石は単体で鑑賞するよりも盆栽席飾りの添え物として登場することが多く、またそれに適している

このような理由からでしょうね

世に名石と呼ばれる茅舎石の中には加工されたものも数多く存在します


ご紹介する茅舎石は加茂川産です
屋根の部分意外はほとんど加工して作り出したものですが
持込の古さが際立っていて豊かな情感を漂わせいます

茅葺(かやぶき)屋根の日本の昔の家屋そのものになりきっていますね
おそらく半世紀からの持込がすっかり人工の匂いを消し去り
観るものをしてもはや「石」との感覚を抱かせなくなっています

その存在自体が鑑賞する者に対し「石」としてせまってこない
これが優れた水石の最大の条件です

遠山、荒磯、滝、水溜り、そして茅舎など、そのにあるものは「自然の景色」そのものなのです
石であって石でない
このことこそが「水石の道」の真髄なのです


後ろ側より


アップ、優れた石質と時代感がよく見て取れますね


華麗な細工の技巧が見られます




左側面より

2002年11月6日水曜日

秋雅展より 2


左は姫柿に茅舎石(くずやいし)
樹種名は控えてきませんでした
飾りの勉強と思って観て下さい

木と鉢のバランス
盆栽と卓台(しょくだい)のバランス
全体の配置
季節感


左の真柏を真にした飾り
変り方の飾り棚をみごとに活かしています


中品のけやきを真にして重厚な飾り
このけやきもいい木でした

掲示板にご感想下さい
http://www.number7.jp/bbs/TM1844/

お断り)会場は撮影禁止です
秋雅展の宣伝を兼ねて取材をさせてもらいました

2002年10月4日金曜日

飾り棚・二席


盆栽の席飾りに挑戦するのに、まず覚えやすいところから入ります
このセットの盆栽飾り棚は、初心者にもとても使いやすいものです

本体は二段になっています
手前が脇板です(写真の加減で大きく見えますが、もっと小さい)


まず本体の使い方(脇板を使うと点数が増えて、いきなりでは難しい)

盆栽の向きにあわせて、左右どちらでも使えます
まず半懸崖の山もみじを置いてみます

左の空間に添えるものを考えます
大きさ
季節感
情景
などを考慮に入れます


茅舎石(くずやいし)を置いてみます
里の秋が表現できました、これで立派な一席です
(もう少し紅葉しているといいですね)


脇板の代わりに地板を使って、草ものを追加しました
3点になると、ぐ~んと奥行きが出ますね、これで一席

以上二席出来ました
簡単でしょ、あなたも挑戦してみましょう

反省点(あくまで厳しく)
草物にもっと秋を感じさせるものが欲しかった(ないので間に合わせ)
草物の地板がやや大き目です

おいおいに脇板の使い方も勉強していきます

2002年10月2日水曜日

秋の飾り 2

いい気になってもう一席
山もみじの自然樹形のミニ盆栽と茅舎石(くずやいし)とで
秋の山里の風景を演出してみましょう

ここでみなさんが間違えやすいのは、山もみじの(勝手)流れです
この山もみじは鉢の右側に植わっていて、しかも右の方に幹が傾いています

ですから、一見してつい右に添え物を置きがちです
でもよ~くこのもみじを観察してください
幹は斜めに右に向かっていますが、頭の方は左に向かってかぶさるようなかっこうをしていますね

この木の流れは左向きなんです
いまのままでは、山もみじが添え物の石にお尻を向けているように見えます


このように飾るのが正解です
もみじは幹の途中から左に向かって、家の方へと枝を伸ばしつつあります
これで山もみじと茅舎石(くずやいし)の創り出す空間に、安定感が生まれました

木の向きの勉強でした
(写真が暗くて惜しかったです)

2002年10月1日火曜日

秋の飾り 1


ハゼが紅葉し始めました、飾ってみましょう

1)まずは鉢だけで飾ります
  きれいですね、これだけでも眺められますね
  しかし我々は、盆栽人です
  これでは盆栽が裸足のような感じです


2)カリンの地板(じいた)を敷いてみました
  どうですか?
  かなりお洒落な感じになりましたね
  錦糸に輝く紅葉の風景が見えてきました


3)茅舎石(くずやいし)を添えてみたらどうでしよう
  これで一席になりました
  秋深い山村の集落にやってきたような情景が
  身近に再現されました
  
  添え物は石でなくともいいのですが
  盆栽界においては、ハゼは普通、草物の扱いになることが多いので
  添え物に草ではなく、石を使いました
   
  滝石(たきいし)でもいいですね
  山深き滝の周囲の景色が紅葉している図
  皆さんは旅行先などで一度は接しているはずですね
  

2001年3月1日木曜日

水石の魅力


加茂川産 茅舎石(くずやいし) 銘 夕庵(せきあん)
16.0x11.0x11.2cm

5年くらい前に手に入れたもので時代もよく、うぶ石「加工していない)なので気に入っています
手に入れてから見つけもかえ、台座(紫檀も新調しました。大きさも手ごろですね。
ちなみに、茅舎というのはかやぶき屋根の家です。


根尾谷産 菊花石 銘 旭光
5.5x3.8x4.8cm

絶海の孤島に旭が昇る景色です
手に入れてから台座を新調して 
銘も私が付けました。ちっちゃくって 
かわいいでしょ。
付け加えますが、けっしてくつけたものじゃないですよ。