遠山石、滝石、磯形石などともに
私たちに親しみのある水石に茅舎石(くずやいし)の分野があります
茅舎(くずや)とは日本古来のカヤブキ屋根の家のことで
古きよき時代の日本の里山の風景には欠かせないものです
ですから、盆栽の席飾りにおいて、たとえば実もの盆栽に茅舎石を配すれば
穏やかな山村の秋の景色がより鮮明に強調されますし
また長寿梅などにあしらえば、希望に満ちた早春を迎えた歓びの風景となります
草木と水石とが一体となって様々な場所と時を連想させてくれるのです
盆栽席飾りの中でも特に茅舎石が好まれるのは
このように、日本的な情緒のある景色を表現するのにピッタリだからですね
加茂川・茅舎石 間口4.8×奥行4.3×高さ5.0cm
茅舎石は真新しい立派な家を思わせては面白くありませんね(笑)
古びて屋根の茅がやや崩れかかったいたり、柱などもやや傾きかけた感じのほうが興趣があります
この茅舎石は、傾きかけた家の奥から透けのぞく光が侘しさを募らせますね
石の時代感もたいせつなことです、ともかく郷愁の趣を大切にしたいものです
戸障子が破れた感じが寂しげな風情を強調していますね
このように石に穴が開いて向こうへ抜けているのを、水石用語でヌケと呼びが
石の景色に変化を与え重要な役目をしていることが多いですね
さらに、この茅舎石のようにヌケが天然であれば理想的ですが
そんなことはめったにないものなので、目立たぬような少々の加工であればガマンすべきでしょうね
きっちりとした三角形の屋根では面白くない
左右非対称の美が私たち盆栽人が好む感覚です
そして最後に、今までなんどもお話しているように
”石を眺めながらも、じつは見ようとしているのは石でない”
をわすれないように
0 件のコメント:
コメントを投稿