2002年9月29日日曜日

卓台鑑定のつぼ(ポイント)


本郷昇作・紫檀小品巻卓(したん・しょうひん・まきじょく)

本郷昇氏(故人)は優れた木工家で、多摩美術大学の木工科の講師を勤めた経歴があります
盆栽界においては、弟の本郷寿山氏の方が名を知られていますが
それは、寿山氏の活動拠点が主として盆栽界にあったからでしょう

卓台の鑑定や鑑賞にもいくつかのポイントがあります
材質やデザインはもちろんです
最後の漆の仕上げも大切です

それらの点で、この小さな巻卓(足の部分が内側に巻いているのでそう呼びます)は申し分ない出来栄えです


ところで、巻いた足の部分を見てください
グルット一刀のもとに内側を削り取っています
その刃物がえぐった線が、半円形に見えます

その線の見事さを見ていただきたいのです
なんのためらいもない、熟練の技です

このように、木工品には人間の技が垣間見えるポイントが必ずあります
作品の優劣を決めるポイントの一つとして、憶えてください

2002年9月26日木曜日

隣の盆栽棚 2


けやき
小さいです、樹高11cm
古いですね
葉があるので小枝の様子はわかりませんが、よさそうです
それと、かなり葉が細かいです
性(しょう)がいいんですね

ご感想をメールや掲示板でくだされば幸いです
http://www.number7.jp/bbs/TM1844/
(2017年現在掲示板は運営しておりません)


宮様楓
この愛好家は、夏場はヨシズで日よけをするので、葉が青々としています
太い幹に調和させて、しっかりした鉢を使っています

頭の方がやや伸びがちです
落葉後に剪定して小さくするでしょう


美男桂
盛り上がった太い足元に合わせて、シッカリした深めの鉢を使用
これも秀逸です
わずか13cmの美男桂に実を成らせるのはむづかしい

実の色と鉢の色の調和にも注目してください

2002年9月25日水曜日

席の季節感

(日本盆栽協会東京支部展より)

みなさんはこのミニ盆栽の一席から季節がわかりますか?
盆栽の鉢の一つ一つを見ると
冬ではなさそうです
早春でもなさそうです

梅雨のころかな?
夏かな?
初秋かな?

くらいしかわからないと思います

盆栽の席飾りにおいて、季節感の表現はもっとも大切な要素の一つです
俳句と同じように「季語」が必要なんです

この席の「季語」は主木の右下にある2ツの木の実(なんの木の実だったかうっかり忘れました)です
(画像ではわかりにくいですね)
木の実イコール秋、それも中秋以後の季節でしょう

こうやって盆栽を飾るときには、季節感を大切にします
キーワードは「季語」です

特に常緑の松類などは季節がわかりにくいですね
そんなときでも、添え物や掛け軸などで季節感を表します

2002年9月24日火曜日

日本小品盆栽協会東京支部展 PART 2


赤松を主木にした一席
小さな盆栽にたっぷりと空間をとって、感じがいいですね


アオツヅラ
かわいいですね


ギョリュウ
添えの船形(ふながた)の鞍馬石が効いてます


一階の売店席
熱心に物色中のお客様
後姿でも、若い人や女性であることがわかります

帽子をかぶった店主は稲垣さん
最近知ったことですが、私より二歳年上で
しかも、足立区の同じ中学出身で私の兄の同期生でした

初対面(6ヶ月ほど前)でいきなり強烈に値切ったので、その後私の顔を見ると警戒気味でしたが
先日、若い人が運転してくれた同じ車で買出しに出かけて、一日一緒に過ごして以来
仲良しになれました

稲垣さんはとても温厚で、お人よしのおじさんです
その温厚なおじさんの盆栽を半値に値切ちゃった、ごめんね

でも、男の勝負って、厳しいーッもんだぜ!
(この項余談でした)

2002年9月23日月曜日

日本小品盆栽協会東京支部展 PART1



上野グリーンクラブにおいて9/20~9/22に
日本盆栽協会東京支部の展示会が開催されてました

20日もグリーンクラブへ行く用事があったので
一階の売店席をひと回りして、何点か買い物をしました
(もちろん例の値切りのテクニックの原則に従って、ギュンギュン値切る)

用事が忙しくて二階の展示会場を観る暇がなかったので
21日(昨日)昼から出かけました

この会は中村是好さんや明官俊彦さん、田代与志さん、岡田晃さん
それに佐野大助さんなど(作陶活動はこの時期以後)など
小品盆栽史に残る、そうそうたる大愛好家が中心になって運営されていました

私も20代の中ごろ、洗足池の風致会館で行われていた、この会の集いに何度か出席しました
そう、今岡町直さん(有名な鉢作家)も来ていましたね

さて、二階に上がって見学してみましょう

この会は小品盆栽の中でも特に小さいミニ盆栽が特徴です
国風展や雅風展などの、樹高15cmから20cmの小品とは一線を画しています
あくまでミニです、小さい分にはいくら小さくともいいんです
業界では「東京小品」と呼んで普通サイズの小品盆栽と区別しています

会場をひと回りすると、懐かしい名前に出会いました
「根守恵美子」さんです
30年以上前に洗足池の風致会館へ通ったときに
この方もいらっしゃいました

そう、30をちょっと過ぎたくらいの、きれいで聡明そうな若奥様という感じの方でしたね
「根守」というめずらしい姓なので憶えています

きれいな方なので,ベテランの男性達が特に親切に教えてあげていましたっけ!
その後10年くらいして、「根守」さんは、「盆栽世界」という雑誌にミニ盆栽の連載記事を書くようになりました

私は数度しか行っていなし、口を利いたことがないので、根守さんは私のことを知りませんが
お元気で会の中心メンバーとして活躍しているとのことです
懐かしい!


根守恵美子さんの席飾りです

つづく

2002年9月21日土曜日

たまには反省


気に入って手に入れた山もみじの半懸崖のミニ
(樹高6cm×左右11cm)
それを手にとって眺めていると、可愛くてあきない
でも、気に入っただけではプロではない
厳しく自己批評することも、時には必要です

そんなわけで、天然彫りの卓台(しょくだい)を使い
ミニ茅舎石(くずやいし)を添えて飾ってみました
総合的な反省点を見出すには、飾ってみるのが一番の近道です

その結果を箇条書きにまとめました

1 植え付け位置が鉢の左端になっていて、不安定
2 古木をの迫力を受け止めるには、現在の手捻り鉢の存在感が弱すぎる
3 鉢の間口が大き過ぎる
4 鉢の色彩が四季を通じてもみじの色に映らない(白系統がいい)
5 木の植え付け角度も、もっと極端に懸崖にした方が個性が出そう

主にそんなところです
完成木なので、主に鉢との調和が目に付きます

盆栽は永遠に未完成の芸術といわれます
自己満足に陥らないで、たまには反省!

参考にして下さい

2002年9月19日木曜日

隠れたお洒落


カリンの地板(左右44cm×奥行34cm×厚1.6cm)
(この地板はよく出来ていますが、それほど昔に作られたものではありません)

カリンの地板(じいた)は板目や柾目でなく
材料を横挽き(輪切り状)したものが多いようです

普通材木を横挽きしたものは年輪が数えられますが
樹齢何百年を経た根元に近い部分では年輪は見えません

そのかわりに、舞葡萄(まいぶどう)といって
渦巻状の模様が無数に散っています
きれいですよ



さて地板の話です
地板は、足の付いた卓台(しょくだい)と用途がやや異なります

代表的な使い方は、軽い感じの文人調の盆栽や、草物盆栽に使いますね
このような曲線で構成された地板に、長方形の鉢は似合いません
やはり丸鉢もしくは楕円形です

この地板は周囲を自然風に見立て、すべて(ノミ)で細工したものです
驚くほどの業ですね


地板や卓台の良し悪しは

第一は材料で決まります

質のよい材料を何十年も寝かせたものでないと狂ってしまいます
昔から腕のよい職人は、自分の住まいより材料小屋の心配をした、といわれるほどです

第二にデザインと細工です

この地板を例に取ると、大きさと厚さのバランス、調和のよい形などです

昔の名人といわれる指物師(さしものし)の作品を見ると
精緻、精巧であるとともに、(ノミ)で削った線がくっきりと残っています

ようするに、もたもたとなぞったし仕事でなく、さっと一発で仕上げた感じがするのです
熟練の技に身震いすることさえあります


裏を見てみましょう
周囲を残して底をさらっれあります
なぜこんな手間をかけてあるんでしょう

1つは、隠れたお洒落(職人はシャイな人が多いんです、見えないところにそれとなく、です)

2つは、狂い止め(部分的に厚みが違っていると狂いにくいのです)

以上地板のお話でした
展示会などで、卓台(しょくだい)や地板(じいた)にも関心をもって見学してください

2002年9月18日水曜日

幹肌の垢落とし



盆栽つれづれ草【盆栽のお化粧】の続編です
今回は幹肌の垢を落として、樹格を高める作業です
千葉県は秋雨前線の影響で、朝からシトシト雨です
こんな日が垢落しに絶好です
人間が風呂に入った状態と同じです(わかりますね)
(雨が降らないときは、頭から水をかけて表皮がふやけた状態にします)

紫式部です
盆栽も人間と同じで、水垢やほこり、それに表皮の新陳代謝などにより
幹肌に垢がたまります
真っ黒に汚れた幹肌をよ~く見てください
こんないい木がかわいそうです


長い間垢落としをしていませんね


垢落としの道具です
向かって右から

ピンセット
千枚通し
竹串(焼き鳥用)
金ブラシ(瓶洗いみたい)
金ブラシ
歯ブラシ
棒状金ブラシ(手製)
棒状金ブラシ長短2本(既製)

私はこんなところを使っています
創意と工夫で身近な道具が強力な味方になりますよ


垢落しは必ず根元から始めます
竹串で表土をほじくり、必要なら根張りを掻きだします
活動時期の今頃は、木肌を傷つけないように気をつけます


棒状の金ブラシでコシコシ
おもしろいようにきれいになります
嬉しくなってやり過ぎないように
表皮の下の緑色の部分が見えたら、そこでストップ


瓶洗い状の金ブラシも便利です
奥の方まで届きます


竹串が意外と活躍
細かい部分の掃除や
こびり付いたしつこい汚れを掻き落とすのに便利
自分で細く鋭い竹べら、竹ナイフを作ってもいいでしょう


きれいになったでしょ
最後の仕上げは古い歯ブラシ
腰が弱いようなら、毛先をやや短くすると使いやすいですよ


垢落し完了
最初の状態と見比べて下さい

こんな簡単な作業で、あなたの盆栽達が見違えるようにきれいになります
どうです、男っぷりが上がったでしょ
あなたも自分の盆栽達の垢落し、して下さい
ああッ、さっぱりした!
盆栽君たちの声が聞こえてきそうですね

注)松類の幹肌には適用しない
  最適期は休眠中(表皮が傷つきにくい・慣れればいつでも大丈夫))

2002年9月16日月曜日

梅もどきの実



実りの秋になりました
盆栽の実なりものはたくさんの樹種がありますね
いろいろと楽しめます
なかでも赤い実の代表的な樹種、梅もどきはなくてはならないものです

梅もどきは盆栽としても長所をたくさん具えています
ざっと言ってみても

1 実がきれいで品があり、長期間楽しめる
2 培養が容易で丈夫である
3 古くなると幹肌に味わいが出る
4 小枝が密になる
5 実生、取り木、接木などで多様な仕立て方が容易

イイとこだらけの感じですね

念のために申し上げますが、梅もどきは雌雄の木が別々にあります
ですから、雄木は花が咲いても結実しません

梅もどきの培養法を簡単にお話しておきます

・植え替えは春の彼岸ごろに、赤玉土に少々の桐生砂(約2割)を混ぜて
 3年に1回くらい行う
・春の肥料はやや控えめにして、秋に多目に与える
・春彼岸ごろ形を整える剪定をしたら、開花結実する入梅ごろまでは
 徒長枝以外の芽の先端を摘まない
・若い木は春先に新芽の先を細い針金で誘導して、枝作りをする
・開花結実の時期には絶対水を切らさない・肥料も控える(落果の原因)

一鉢もって、梅ももどきのよさを堪能してください

2002年9月15日日曜日

盆栽屋の休日

盆栽屋の仕事の基本は、とにかく水、水、水ッーの毎日です
ですから、盆栽屋には完全休業日は許されません
これは盆栽屋の宿命といっていい

考えると他にもこのような職業はありそうですね
例えば酪農業や養鶏業もきっと同じでしょう
(専業主婦もおんなじヨ!)なんて声が聞こえてきそうですね

それでも週一回の定休日を設けて、店を閉じている人もいれば
私のように特定の定休日を持たない人もいます(原則年中無休・24時間営業)
盆栽屋の休みの取り方はかなりの個人差があります

簡単な話、疲れたら休む、さしあったって急用がなければ休む、そんな実状です
ですから、元旦でも盆栽のお客様が見えれば、休みじゃない、んです
いるんですよ、働きもののお父さんが、元旦の夕方ごろには退屈しちゃって
盆栽屋へ遊びに来るってこと
(もちろんこっちはオトソでかなり酔っ払ってますがね)

私のような定休日を持たない盆栽屋がたとえ疲れてクタクタでも
休みをとるには強ーい意志が必要です

来週には激しいスケジュールが3ッ待ち受けています
強ーい意志を持ち合わせない私としては、この土日を半休み状態にして
充電するつもりです

メールや掲示板のレスを書いたり、つれづれ草の題材を考えたりの
癒しの時間を持って【リフレッシュ】

2002年9月12日木曜日

女性専科講習会

於:茨城県龍ヶ崎市の久保台地区公民館にて
(後列向かって左端が川田副館長)

6月に続いて今日が二回目の盆栽講習会です
私はこのところ激忙でやや疲れ気味
昨日は上野グリーンクラブの定例オークションでした
一日立ちっぱなしでセリ人をやっていると、疲れ果てて夜はどうしてもアルコールが欲しくなります
つい晩酌が多目の感じ

気力で6時半起床(バテテマスネ)、教材を積んで熱いシャワーを浴びて目を醒まして、出発ッ!
龍ヶ崎までは1時間30分の道のりですが
根性で30分前に到着(10時開始)

おや?今回も女性オンリーと思っていたら、男性が一名混じってる
この講習会は男子禁制ではなかったのか!
一瞬混乱???
そうだ、私の勝手な思い込みだった!
前回の参加者が女性だけだったので錯覚していた
男子禁制の掟は存在しなかったっけ(残念)

さて、講習の内容は、野梅ニミ盆栽の植え替え、開花時とその後の管理
盆栽の飾り方の基本などなどでした

二時間の講習の間
飾り方の実演のときに、みなさんの目が特別に輝いたような気がしました
これは私達のような啓蒙する側にとって、一つの教示になりそうです
(盆栽という山の登山口はたくさんありますが、飾り方から一直線に登るのも一つの方法のようだ)

次の予定は来年の2月です
終了後皆さんそろって、パチリ
若い女性が数名います
盆栽界の将来に、一筋の光明を見ました

2002年9月10日火曜日

外人水石愛好家

デイヴィッド・サンプソンはイングランドの水石の愛好家です
彼とはこの春ごろからメールの交換をするようになりました
その彼が奥様と二人で3週間の予定で日本へ来ました
二度目の来日だそうです
今回は信州の松本、飛騨の高山、金沢、京都、奈良などを旅するそうです
昨日(9月9日)は私の家を訪ねてくれてくれました

通訳は息子です
私らの受けた英語教育は読み書きが主体で
ヒアリングとスピーキングはゼロに等しい
通訳なしでは会話は不可能(もちろん読み書きもです・いわずもがな)

その話題は、水石,盆栽、日本庭園、わびさびなどはもちろん
ベッカムや日英両国の習慣についてなど、もろもろでした
彼が日本の歴史や文化についてかなり造詣が深いことが
我々の話題をさらに盛り上げました
さいわい息子のおかげで、かみさんを入れて5人で楽しい一日を過ごすことが出来ました


さて本題です
デイヴィッドは特に古谷石が好みです
水石の持ち方と台座の取り外し方とはめ方を、手にとって指導しました
必ず片方の手を下に添える、それを伝えています

台座から石を取り外すときは必ず裏返してから丁寧に外します


デイヴィットの手つきがおぼつかないので、しつこくやり直し
彼の真剣な顔つきと正座に注目


取り外した台座を元に戻して石にはめ込む方法を伝授
よく出来ました
にっこりするデイヴィット
彼の手に手を添えて駄目押しする私

しかしまぶしい!
オレの頭ってこんなに光ってるんだ
はじめて見た!

2002年9月8日日曜日

百日紅の花の色


サルスベリを漢字で百日紅と書きます
夏の間長く咲いているからです
その花の色はさまざまです
赤、紫が代表的ですが白もあります
赤や紫にも濃いのと薄いのがあります
上は濃い鮮やかな赤です
下は薄地の紫です



花の色によって、幹の太り具合いや枝の伸び方もやや違います
特に顕著なのは白色の百日紅です
他のものに比べて太りが早く
枝もやや徒長する性質があります

そのようなことを考慮に入れながら培養の加減をしてください

2002年9月2日月曜日

小品盆栽交換会

昨日、小品盆栽の交換会に行ってきました

その交換会はあるアマチュアの小品盆栽同好会が、年に一回開催するもので
私は初めての参加です

外部から参加した私が見知っているのは、数人の業者だけで
会員さんはほとんど知らない方ばかりでした
しかし、アマチュア同好会といっても、会員の質も数もかなりのもののようです
しだいに集まってくる人数と出品物の質の高さで、それが実証されました

この同好会の指導をしている二人の業者は、業界でもトップレベルです
さすがに会員さんが持ち寄る品物が違う
プロの我々がヨダレの出そうな品物も混じっています

ちなみに、アマチュアの方々が何故交換会を主催して売買をするのか?
と疑問をお持ちの方もいると思いますが
主な理由は2つあります

一つは同好会の運営費(展示会や新年会)の捻出のためのお付き合いです
(売り上げ手数料10%が会の収入になります)

もう一つは長い間には棚が一杯になって、処分せざるを得ない場合です
(新しい盆栽を購入しようとしても置き場所がないので、やむおえず)

さて、会場で下見中に、何としても私が買いたいものを見つけました
下の写真のニレケヤキの双幹です
出品物の中でも飛びぬけた逸品です

荷主は愛好家です
同じようなタイプのニレケヤキを3鉢持ってきています
3鉢をよ~く吟味してみると「こいつ」が一番の色男です
よ~しッ、何としてもこいつをうちへつれて帰るぞッ!

闘志を内に秘めてこのニレケヤキの出番を待ちます
出てきました、出てきましたよ!
これと狙う獲物(盆栽屋は言葉が悪いですね)があるときは
セリ台の真ん前に陣取るのが私の戦法です

幸いに、目をつけている一番の筋のいいのが3鉢の先頭に並んでます
こういう場合は先頭のやつが一番安く買える確立が高いんです

売る側の人は、最初は安い物から売って
いいものは後の方で売りたがるという習性があるから
離れた人はよく見えないので、先頭のが一番格下だと思うんですね

幸い私は、自己評価より安い値段で落札できました、ホクホク
案の定2番目3番目は5割高までセリ上がってしまいました
(自分だけよけりゃあ、いいんかよッ!)天の声です、ごめんなさい!
セリでは往々にしてこのようなことがありますね
交換会には魔物がいるんです
でも幸運の女神様もいるんです(こっちと仲良くしなきゃあ・私はいつもそうしてます)


こうして手に入れたのがこのニレケヤキの双幹です
樹高13.5cm左右の幅は20cm

非のうちどころのない優等生です
足元、親子のバランス、幹模様、枝順、枝先のほぐれ、樹幹の完成度、葉性、品格
どれをとっても申し分ありません

これではプロも脱帽です
あとで聞いた話ではこの愛好家の自作だそうです
作るのが好きで、ニレケヤキ専門に打ち込んでいるそうです
損得勘定したらこんないい木はできません(手間隙がかかってとてもあわないでしょう)
創作のみに専念してこその出来栄えです
こういう熱心な愛好家の方々が盆栽界を支えているんですね
改めて敬意と感謝!

いや~世間は広い!
交換会の断片のお話でした