2006年10月31日火曜日

赤松大改作スペシャル

昨年の10/21と10/222に大改作した赤松はどうなったでしょう
今年一年間の培養の成果をお知らせしましょう

昨年の姿と見比べながらご覧下さい

昨年の姿1
昨年の姿2



今年の春に思い切り小さめの正方鉢に植え替えて、ご覧のような姿で一年間培養

今年の夏は雨が多かったのと、樹勢を上げるために意図的に多肥多水で培養したため
7月初旬に短葉法をかけても、葉はやや伸び加減です



芽数も増えて貫禄が出てきました
それに、幹の肌に落ち着いた風格も出てきたようです

たった一年間の培養でも、毎日毎日強い日光にさらされていると
知らぬ間に木肌に変化が現れるんですね

幹を折りたたんだ針金はまだ外せません、まだ曲が緩んでしまうでしょう



上方から見ると、まだまだ芽数が足りないのがわかりますね
来年の課題が見えてきたようです

こうやって、盆栽人は、もう一作、もう一作と未来を夢見て
その夢に励まされているんですね

来年も頑張るぞー!

2006年10月16日月曜日

思い出の銘鉢(18): 平安香山 均釉菱格子透彫長方

盆栽屋.comの「思い出の名鉢」シリーズ(お客様にご購入頂きましたが)思い出深い名鉢をみんさまの鑑賞用に復刻致しました。また、この場をお借りして愛蔵者の方々に感謝申し上げます。どうぞ小鉢の勉強にお役立て下さい。


間口13.6×奥行11×高さ7.0cm

平成17年3月に近代出版より発行された「月之輪湧泉・平安香山」の作品集に掲載され
「精緻を極め釉色にも優れる傑作。香山透彫の傑作である」と絶賛された本作品

この度、親しい収集家のご好意により、盆栽屋.comの目玉商品として、別記のようにお勧め価格にて掲載することが出来ました
二度と実現不可能な価格設定に加え、このような「図録もの」の名品がが市場へ出回ることは非常に珍しいことも添えておきます

どうぞ、ごゆっくりとご覧下さい

無傷完品です
(近代出版より掲載された作品集付)

(近代出版より)
作品集の表紙
(定価3.800の豪華内容)

(近代出版より)
誌上の紹介写真と解説文
(作品の定価はこの作品集付になっています)


平安香山の均釉は小鉢の世界ではあまりにも有名で、「香均釉・こうきんゆう」と造語されているほど
その香均釉に囲まれ二重の鉢壁に菱格子が掘り込まれています

「カミソリ」と異名をとった香山ならではの、精緻にして華麗な技に改めて感動させられます
そして、二重の鉢壁の厚さは普通の鉢並みなので、鉢としての実用機能も充分に備えているという、稀有な逸品


側面をのぞく角度より


同じく側面をのぞく角度より
両側面には窓をきり絵付けが施されています

格子浮彫の豪華さと染付けとの絶妙な調和
この優れたデザイン性が、名品の評価をさらに高めています
ましてや香山の絵付け鉢の稀少なことは知られています


側面


側面


鉢裏


戦後の早い時期の作品です

思い出の銘鉢(17):宮崎一石 赤絵山水図切立正方

盆栽屋.comの「思い出の名鉢」シリーズ(お客様にご購入頂きましたが)思い出深い名鉢をみんさまの鑑賞用に復刻致しました。また、この場をお借りして愛蔵者の方々に感謝申し上げます。どうぞ小鉢の勉強にお役立て下さい。


間5.3×奥行5.3×高さ5.2cm

峻険な深山から水辺まで
壮大なスケールの景観をわずか5cm四方のミニ鉢に描き切った、一石全盛期の究極の赤絵名作

大胆で斬新な構図と微細な筆のタッチは、ここに特に際立って冴えわたり
緊張感のみなぎる画面を見つめてるとき、改めて一石の高度な技巧に感動させられます

一石作品群の中において間違いなく赤絵名品に属する質の高い仕上がり
無傷完品

平凡社「まめぼん」より

なお、この一石赤絵鉢は最近「平凡社」より発行された上記表紙「まめぼん」(定価¥1.600)の
「まめ鉢名品コレクション」において宮崎一石の代表作として掲載されました

平凡社「まめぼん」より


微細で緊張感のみなぎる線と巧みな陰影によって描かれた峻険な山や岩
余白のとりかたも一石独特の鋭い感性が冴えています


拡大図
画面の隅々まで神経が行き届いています


対照的に牧歌的な雰囲気を漂わせる画面


水辺の景色
岩頭に鼎立する松の描写はあまりにもみごと
岩の描き方もじつに巧みです


拡大図


一変して高士が登場する静かな画面
画面右半分にたっぷりと余白を取った構図が余韻を感じさせます


拡大図


鉢底の様子と落款
「阿びこ山・一石作」

思い出の銘鉢(16):宮崎一石 染付け山水図切立長方鉢

盆栽屋.comの「思い出の名鉢」シリーズ(お客様にご購入頂きましたが)思い出深い名鉢をみんさまの鑑賞用に復刻致しました。また、この場をお借りして愛蔵者の方々に感謝申し上げます。どうぞ小鉢の勉強にお役立て下さい。


間口10.8×奥行8.5×高さ4.9cm

一石の同時期と思われる、間口、奥行き、高さがほとんど同じサイズの作品を散見しますが
いずれも精密な描き込みと構図のみごとさを示し、逸品ぞろいです

この作品も、両正面には人物を巧みに配し、絵画の物語性を強調し
山里の穏やかな風景と深山幽谷の自然とを左右の側面に描くなど、四面の絵画の奥深さにも工夫が見られます

まさに東洋山水画のスケールの大きな世界を
小鉢という小さな空間に描き切った一石の魅力溢れる逸品です

無傷完品


側面より
ゆがみよじれのない安定した線に囲まれたボディー


曲がりくねって上流に消える川や遥かなる山並みは
小橋を渡る高士の高邁な精神性を暗示しています


側面は里山の景色


こちらの側面は深山幽谷の厳しい景です


深山幽谷の拡大図

一石の絵画の特徴は、その落ち着いた的確な筆致と、微細で巧妙な筆のタッチにあり
決して輪郭線の勢いだけで見せるのではなく、根気よく対象物を描き出す叮嚀さと表現力に優れています


鉢底の様子


落款は小さめの一石
これは比較的初期に近い時期に使われています


落款拡大図

思い出の銘鉢(15):大助染付 雷神図丸鉢

盆栽屋.comの「思い出の名鉢」シリーズ(お客様にご購入頂きましたが)思い出深い名鉢をみんさまの鑑賞用に復刻致しました。また、この場をお借りして愛蔵者の方々に感謝申し上げます。どうぞ小鉢の勉強にお役立て下さい。


間口7.8×奥行7.8×高さ6.0cm

数ある大助作品の中でも、雷神を描いたこの染付鉢は傑作といましょう
力のこもった筆致でリアルな表現の雷神、まさにど迫力
改めて大助の絵のうまさに感動します

これほどの使い味を持ちながら
無傷完品


鉢底の様子
薄手のすっきりした磁器のボディーです


雷神拡大図
恐ろしい顔の表情、筆致に力がこもっています
細部の足の爪先の表現などにも注目


呉須の濃淡もみごとです


大助の落款が見えます

思い出の銘鉢(14):佐野大助 染付丸鉢

盆栽屋.comの「思い出の名鉢」シリーズ(お客様にご購入頂きましたが)思い出深い名鉢をみんさまの鑑賞用に復刻致しました。また、この場をお借りして愛蔵者の方々に感謝申し上げます。どうぞ小鉢の勉強にお役立て下さい。


大助の絵画力のレベルの高さを示した最高傑作の名品
間口8.5×奥行8.5×高さ6.8cm


ボディーの正確さ、時代のよさはもちろんのこと
繊細な絵画の世界は、まさに月之輪涌泉に迫るほどの力量を示しみごとです

絵鉢作家の評価は呉須(青い釉薬)絵により定まるといわれています

単色の絵の具だけで遠近感や絵の興趣を表現するため
誤魔化しがきかず、実力がたちまち表に出てしまうのです

盆栽屋.comが大助ファンの収集家のみなさんに自信を持ってお勧め致します
無傷完品


拡大図
繊細な筆致です


情緒満点の大助の世界


丹念な描き込み


拡大図


鉢裏の様子

思い出の銘鉢(13):平安東福寺 高取釉切立雲足長方鉢

盆栽屋.comの「思い出の名鉢」シリーズ(お客様にご購入頂きましたが)思い出深い名鉢をみんさまの鑑賞用に復刻致しました。また、この場をお借りして愛蔵者の方々に感謝申し上げます。どうぞ小鉢の勉強にお役立て下さい。

東福寺初期の高取名品
間口6.7×奥行5.3×高さ3.5cm

ミニ鉢とは思えないほどの重厚な存在感は
狂いのない安定感したボディーと素晴らしい発色の高取釉の魅力によるものです

東福寺の好んだ高取釉の作品中でも
群を抜いた作品であると自負しています

無傷完j品
是非あなたのコレクションにお加えください


側面をのぞく角度より


反対正面


この角度もすばらしい発色です


初期の特徴がよく出た鉢裏


鉢裏の落款