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2010年11月14日日曜日

五葉松針金かけ

先日市内の交換会をのぞいてみたら、幾つかの兄弟木の中で
ちょっと見込みがありそうなのが目に入ったので、つれづれ草の教材にと求めたこの五葉松

安価なので無理して失敗しても惜しげがないし
そのわりには幹筋がおもしろいし、葉性は太くて短く理想的です

針金かけの整形によりがガラッと姿が変わるのが松柏類の魅力なので
幹筋におもしろさがあって葉性がいい五葉松に出会ったら、練習がてらにチャレンジしてみましょう


こちらを正面にしてきたのでしょうが、植え方が反っくり返っていて不安定
上に行くに従って幹と枝が決まっておらずに、いわゆる構図が成り立っていない状態


裏から見ると足元が不安定
幹筋も変化がなくなりますね


足元の変化を見せ場にして、途中から折れ曲がった幹をさらに下方向に下げたいが、針金を巻いただけでは無理
そこで、幹の途中の前後に木ネジをぶち込んで、上の幹を引っ張り込むための支点にします


上から思い切り圧力をかけて幹を下げます
力の加わる部分に少々のヒビ割れが生じても大丈夫ですから、とにかく思い切りです

最初の姿には力枝(利き枝)がなかったてめに、構図に弾みが感じられませんでしたので
やや裏枝になりますが、太めの枝を下げて利き枝として構図に変化を出します


頭の部分をたたみ込むように針金で調整します
頭部がコンパクトになるに従い、足元から幹筋のおもしろさが目立ってきたようです


左後方のあった枝は不要になりましたので切り取ります
葉ガサが小さくなり少しさびしい感じになりましたが、すっきり感もでてきました


反っくり返った幹をやや起こした完成図(樹髙13㎝)
根上がりぎみの足元に変化があり、ジンのついた幹筋が鋭角に折れ曲がって激しさが増しました

来春にこの角度で植替えます
2作すれば芽数も増え頭部や利き枝にボリュームが増し安定感が出るでしょう

ちなみに、今頃から3月いっぱいくらいが針金掛けの適期
さあ、あなたも掘り出しものの素材を探して、チャレンジしましょう!

2010年10月22日金曜日

スクール速報・五葉松針金掛け

「先生、この五葉に針金かけられるかね、もう1年待ったほうがいいかな」
ターさんが持参した五葉松、素材とはいえ模様が激しくかなりおもしろい持ち込みもの

たしかに葉数は少ないけれど、葉の艶はまあまあだし、冬芽が活き活きとしいる
「だいじょうぶ、だいじょうぶ、葉数は少ないけど、冬芽がしっかりしてるからね」

というわけで、針金かけの作業にかかるkとにしました
ところで小品盆栽の場合、ニューム線ではどうしても太めになるので、細かい箇所への作業がやりにくし

せっかくの矯正も外したあとに姿が戻ってしまいやすい
というわけで、骨格を本格的に決める場合は銅線を使ってやるべきですね

作業前に私がターさんにアドバイスした点は

1 構想をしっかりと描く

2 まず最初に、太めの芯針金(しんばりがね)を幹や枝の各主要部にかける作業から始める

3 あくまで骨格の構想を重視し、途中では各細部には気をとられないで作業を進める

4 針金の巻き方の見た目にはあまり拘らずに、針金の間隔をやや密にする(小品盆栽であるため)

5 コンパクトに仕上げるために、やや太めの銅線を選ぶ

でした



針金掛け完成の姿
うっかりして作業前の姿の撮影を忘れてしまったのです、もったいなかった!

作業が進んで少しずつ構図が見えてくると、ターさんは俄然やる気じゅうぶんで、相棒のツカさんもあっけにとられるくらい(笑)
とうとう午前中から午後の5時まで集中して仕上げてしまいました

うまくいきましたよ、小品盆栽らしいまとまりと強い幹模様を強調した動きのある姿ですね
これに自信をつけたターさんは、しばらくのあいだ五葉松の素材ばかりが目につくでしょうね(笑)



樹冠部ふきんと芯の拡大図
ちょっと針金が太いと思う方もいるでしょうが、基本の骨格をコンパクトにまとめるには、時にはこれくらいの冒険が必要です



後部やや上方からの姿



太めの針金をかけて幹や枝を強くまげるときには、指先の力だけでは無理なので
ヤットコで針金をしっかり掴んで曲げるといい(先端が角になったペンチでは針金を傷つけてしまうのでダメ)



さてここでワンポイントレッスン
途中でターさんもやってしまった小さなミスですが、大切なことなので復習しておきましょう

このように先端に向けて針金を巻いてきたきた場合、二叉の手前で針金を止めてはいけません
赤点間の矢印の部分は曲げることができなくなるからです



このように先端に向かった針金を二叉の一方(赤矢印)まで巻き、もう一本のより細い針金を二叉の部分にもかけるようにします
つまりお互いの針金にはつながりができて、力が連続して伝わるからです



このような具合に連続した曲を作ることができますね

★ 針金にはできるだけ連続性を持たせよう!

では

2009年4月8日水曜日

真柏取り木(結束式)

小品の愛好家の多くは、ベテランになるほどに自らの好みのサイズを決めて楽しんでいます

20cm、18cm、15cm、12cm、10cmなど、それぞれに課題を設け
そのサイズの中で最大限の技術力を発揮すべく、日夜努力しているわけですが

近年の小品盆栽界ではサイズの短縮化が加速度的に進んでいます
ベテランの愛好家にも、1ランクか2ランク小さめのサイズに移行するひとが目立ちはじめ

小品盆栽を趣味にしようとするこの世界に入ってくる新人さんたちでは
10~12cmサイズを好むひとが目立っています

この現象の理由はいろいろ考えられます
まずミニサイズの際立った魅力や住宅事情などが考えられますが

やはりなんといっても、近年の盆栽技術の発達はめざましく、10cmサイズのミニ盆栽であっても
大きな盆栽に劣らない迫力や古色感が表現できるようになったことがあげられます

さてそこで今日は、より小さく、より優れた迫力、を求めて
真柏の取り木の勉強をいたします

施術の適期は1月から5月まで
冬眠期から入梅前の成長期にかけての長い期間に可能です


あと2cmほど樹形を短縮すれば10cm以内のミニサイズになる真柏素材
取り木により、樹形の短縮と足元の迫力を同時に実現する計画です


後ろ姿


白線が計画する新しい足元の位置
芯の予定地点(白丸)までは8cmです


取り木予定位置に細釘で印しをつける
結束する針金がずれないために便利な方法です


釘に沿って針金(1.5~1.8mm)を巻く


ヤットコで針金を締める
針金がやや表皮に食い込む感じ


事前に打っておいた釘のおかげで
幹に凸凹や傾きがあっても、このとおりピッタリと結束できます

つづく

2008年11月18日火曜日

五葉松双幹取り木素材

盆栽人にとってはめったに人の持たない稀少な名品と出会うのが夢
その強い衝動が非常な困難や辛抱を乗り越えて、盆栽界に名品を送り出しているのですね

今回紹介するのは、取り木による10cm以下のミニサイズの五葉松
まさに辛抱の賜物といえましょう

ご存知のように、黒松や赤松、真柏や杜松など他の松柏類に比べて
五葉松は追い込みの難しい樹種ですね

そのうえ成長も遅いなどの理由から
人気抜群の樹種でありながら、10cm以下のミニサイズは極端に品薄です


私の親しい友人(業者)が5年前、実生五葉松に取り木をかけました
雑木類に施す環状剥皮ではなく、根の欲しい箇所を針金でやや強めに縛っておき水苔を巻いておく方法です

この方法は環状剥皮と異なり時間はかかりますが
発根しにくい松柏類などに有効です

気長に辛抱してまる2年ほどで発根したしましたが
急いで親木から切り離さず、根数が殖えるのを待ったのです

5年の歳月が経ち、樹形も五葉松らしい温雅な双幹体として立派に成長しました
いよいよ親木から独立の時期がやってきたのです

しかし、ここで慌てて失敗しては5年間の辛抱がフイになってしまいます


現在の樹高(鉢の面から)樹高11×左右17cm
親木から独立した後の樹高は、うれしいことに8.5cmです

やや下方から覗いてみます、主幹の模様がいいですよ
向って右が子幹、左は主幹の一の枝です

白点のあたりが発根の予想される位置
その下は水苔を山盛りにしてあり、無数の根が鉢の中まで伸びています

さて、親木からいきなり切り離してせっかくの樹勢を損なってはいけませんから
来春、この山盛りの水苔を丁寧にすべて取り除きます(ピンセット)

そして、鉢の上にビニール網(鉢底用)で土手を築き
赤玉土と砂の混合用土を入れます

そのまま来年1年間はしっかりと根作りに励み
再来年の春に親木から切り離し、そのときにほんとうの独立をするわけです

に時間をかけて慎重にやれば、樹勢を損なうことなく
独立後も順調な生育をみせるでしょう


足元の拡大図

葉の炭酸同化作用で作られて形成層を伝わって根に蓄えられる栄養分は
針金でせき止められて発根につながるのです

また、せき止められた針金の上の部分はごらんのように太って
盆栽としての理想的な立ち上がりとなります


(×)針金の縛り方
悪い例、一重だと上下がつながってしまうので二重に撒いた場合
一箇所で締めると隙間が空きやすく、圧力が一定にならない


(○)針金の縛り方
良い例、二本の針金を左右から締めると
隙間が空きにくく、圧力が一定になる

こんな小さな工夫も取り木成功へ道につながります
参考のために

では

2008年7月22日火曜日

作る・きんず

6/24のつれづれ草で枝の剪定と葉切りをしたきんず
あれからわずか1ヵ月足らずの現在の姿をご紹介しましょう

6/24の項とよく比較して勉強してください


6/24の整枝剪定と葉切り作業終了の画像


他の樹種がどんどん芽吹くなかで、きんずだけは6/24の時点でも新芽が動いていませんでした(これが普通)
それが、ほれ、この通り、剪定と葉切りをしたとたん、不思議なほど新芽が吹き出してきました

きんずにやっと遅い春がやってきたのです

きんずにはこのように、他の樹種とはちょっと違った特殊な性質があるのです
あのままにしておけば、まだ今頃になっても眠りから覚めない場合だってあります

きんずは寝坊助なんですね
ですから、時期を見計らって「たたき起こして」やりましょう

その方法が「葉切り」なんです
ご理解していただけましたか?



順調に伸びた新芽を針金で伏せてやりましょう
柔らかい新芽ですから、0.8ミリの細いニューム線で、そっと作業をします


6/24にかけた針金の延長の新芽にもかけます


真っ直ぐに勢いよく伸びた芯の芽は、特に強く曲げておきます
強く曲げることによって勢いをやや弱める効果があります


芯の付近の拡大図

勢いのよい新芽が針金で制御されたので、この後にも新芽が伸びだしてきますから
あと1ヵ月くらいのあいだに、もう一度針金をかけてやるといいでしょう

あとはこのまま培養し、夏の終わりごろに針金を外します
枝の剪定は来年の6月までがまん

いかがでしたか?
剪定と葉切りがまだの人は今からでも間に合いますよ

即、じっこう!

2007年12月24日月曜日

究極の針金かけ


樹高8.5×左右12.5cm

足元に器用な模様のある黒松、一枝と二枝も低い位置にあって腰の据わった姿が魅力

そのせっかくの足元の模様を幹の途中でダラケさせては、平凡な模様木になってしまいますから
頭をつぶすつもりで、コケ順に従って下から芯までしっかりときつい模様をつけます

しかし、足元から葉先までのサイズはわずかに8.5cm
この短い距離にしっかりと針金を巻いてきつい模様をつけるには、それなりの覚悟と技術が必要になります


ご覧ください

ニの枝の上、幹のコケたあたりから上に太めの針金がしっかりと巻かれていますね
針金と針金の間隔をせまく、きつめに巻くのがコツ

しかし、これが難しいのだ!



樹高11×左右14cm

次の教材は、立ち姿が雄々しくスケールの大きな構図が頼もしい黒松ミニ
何より足元の力と立ち上がりの一曲が利いていますね


足元から芯までの模様に統一感を出すために、ニ枝にかけた太い針金を芯まで巻き上げ曲をつけます


よくご覧下さい
針金と針金の間隔をせまく、きつめに巻いていますね

頭の部分は、1~2年後にもう一度前向きにつぶし、完成予定樹高の10cmまで短縮する予定
今年はここまでが限界のようです

ところで復習の項をご覧になりましか?
用いるのはヤットコですよ、ペンチでは先が大きすぎますしニッパでは力が入りません、柄の長いヤットコです

では