2007年5月31日木曜日

山もみじ甲羅吹き

04/25のつれづれ草で芽摘みをし、葉が固まったその一週間後に葉透かしと葉切りしたのが↓の画像
前の姿と比べてください、これならフトコロに日も風も通ります

くどいようですが、とにかく成長期の盆栽の手入れでもっとも大切なこと
芽摘み、葉透かし、葉切りなど、これは雑木類も松柏類にも共通なことです


5月初め、葉透かしと葉切り作業後の姿


↑は2007/05/24撮影
今の時期では一ヶ月もしないうちに、日当りと通風のよくなったフトコロの芽が急激に活性化し
ごらんのように、またまたすっかり葉がかぶってしまいました

こうなったら、また同じ作業を行う必要があるんです
先端の芽を摘み、残った双葉の片方を透かし、さらに葉切りを施す


再び作業を施した後の姿

葉がかぶってフトコロ芽に日と風が当たらないようになったら
すぐ葉透かしと葉切りを実行!!

追伸
春に植え替えた雑木類もそろそろ二ヶ月が経ちました
少しずつ肥料を与えましょう

2007年5月25日金曜日

作る・出猩々もみじ

04/23に剪定した出猩々もみじ、順調にたくさんの芽が吹いてきました
さてここで、大切な作業をしなくてはなりません

たくさん出た芽を選別して不要芽をかき取ること
その不要芽とは

1 一箇所から多数出た芽のうちで節間の長いもの
2 勢いのよすぎるもの、弱すぎるもの
3 必要のないところから出たもの、また伸びる方向がふさわしくないもの

などです

中間の勢で節間のつまった芽を一箇所に2~3本残します
はじめから1本に決めてしまうと危険ですよ


2007/05/18撮影
芽かき前です


頭頂部付近の芽だし前拡大図


芽かき後の画像


頭頂部付近、芽かき後の拡大図
節間の長いもの、勢いのよすぎるもの、方向性がわるいものなどを切り取りました

おおよそ一ヶ月後にも同じ作業を繰り返します

2007年5月23日水曜日

作る・きんず2

このように思い切った改作の切り込み時には
なまじ葉を残さない方がその後の芽吹き芽の数が多いのです

一枚でも葉を残すと、勢いがその葉に集中し
他の箇所への芽吹きを阻害してしまいます



完成まじか



この画像は昨年の完成予想図



切り込み完成図

昨年の予想図よりも枝が多いですね
やはり実物に触れるとちょっと異なる箇所も出てくるものです

さて、頭がちょっと長いですね
でも切り込む勇気が出ないんですよ

今の長さならば芽が吹いてくれる自信があるのですが
予想図通りの切ると、いいところに吹いてくれるかが心配で、思い切れませーん!

期待が大きい優良素材の場合
思い切れないこともたびたびあるんです

イクジナシー!

しかし、ここで思い止まるのも男の決断
そう言い訳をして、ここまでにしておきます

さらに、保険に一芽残しました



後ろ姿

切り込み後の管理
置き場所・直射日光の当たらない片屋根の下で一日数回の霧水をやり
鉢の中はやや乾かし加減(多水だと根腐れします)

近々に芽吹きの様子をお知らせします

作る・きんず素材

2006/07/22と同じく07/25に紹介したきんずの優良素材
得がたい素材なので、どうしても慎重になってしまい、昨年には切り込みはできませんでしたが

しかし、今が適期
思い切ってとっかかることにしました

きんずは寒さの嫌いなことでは代表的な樹種
植替えや強い切り込みは必ず5月まで待って、入梅までに行います


現在の状態


将来の役枝を、おおよその長さに切り詰める

ここで問題なのは、一の枝とその後ろにある枝の中間にある太い枝
将来のためには切りたいのですが、いかんせん傷が大きくなる

ここが思案のしどころ


やはり切りました
きんずはヤケにくい樹種であることと、両側に枝があるので肉の巻き安い場所だから


こんな感じです


切り口は削りなおしてカットパスターを塗りましょう
傷の直径は約1.5cm、2年で完治を目指します

2007年5月10日木曜日

獅子頭の葉透かし

人気樹種の獅子頭もみじですが盆栽としての絶対数は不足気味
実生ができないため、接木でしか殖やすことができないのがその理由です

盆栽用素材は、さらに取り木をかけてゲットするのですが
よい根張りのもを得る確率は低く、熟練の技と根気が必要です(ミニ素材はなおさらです)

今日はちょっとばかり自慢できる素材を教材にして
徐々に枝作りにかかるときの手入れのコツをご説明します


接木苗の上部を切り込みあらかたの樹形の基本を作り込んだものに、二年越しに取り木をかけ
台木から外して仕立鉢で二年間経過した素材(樹高6.0cm)

このように優良な素材を得るまでにはけっこう年月がかかっていますね


根の充実とともに枝葉の伸長が活発になってきています
今年は飛躍的に樹格の上がる年ですから、勘所を外さないようにがんばりましょう

春一番の芽摘みと軽い葉透かしを実行、今回は二回目の手入れになります


山もみじのように徒長しませんから、現在の枝を少しずつ追い込んで姿を整えていきますが
そのためにはフトコロ芽に勢いをつける必要があります

各枝先を一節残しで積み込み、さらに残った二枚の葉の片方を刈り取ります
つまり芽摘みと葉透かしを同時に行うことになります

さらに残った一枚に葉切りを施します
根気の要る作業ですが、一芽一葉の扱いにも細心の注意を注いで慎重に実行


作業終了

作業前と比べて葉の数はざっと三分の一くらいに減りました
これでフトコロ芽が元気に活動を始めることは請け合いです


作業後のボディーの拡大図


同じく作業後にやや下方より見た拡大図

向かって右の一の枝の先端が跳ね上がっていますね
将来その手前の芽に力をつけ、先端の半分を切り落とし、枝の芯を下方に向け整えます

また上部には芯を立て替えるために切り戻した痕がありますね
幹の芯はここで右方向に向かっていますから、この箇所も来春に削りこんで肉巻きを図ります

さあ、あなたも二度目の芽摘み葉透かし、それに葉切りなど
勘所の作業を実行してください

獅子頭もみじだけでなく、雑木類一般にあてはまる手入れですよ

2007年5月9日水曜日

楓寄せ植

桜の花が終わってからの今ごろまでが、一年中でもっとも自然が輝く季節
野山の緑が目に染み入るようです

同時に盆栽人にとっては、一年を通じってもっとも気ぜわしい季節でもあります
雑木の植替えとムロ出しにつづいて、松柏類の植替えが終わったとおもったら芽摘みに追われ

肥料をやっていると新芽の先にアブラムシを発見、慌てて消毒
ともかく仕事は次から次にありますね

もっとも、年間の盆栽の作柄は入梅までの約二ヶ月の世話で決まるといっていいので
気を抜かずに、がんばれ、がんばれ、みずからを励ましている最中です



昨春に根を洗った楓の寄せ植えの作柄も順調です
水を辛め(少なめ)に培養しているせいで、小枝も落ち着き徒長しません

数日うちに軽く芽摘みをして、同時に葉も少々透かしてやろうと思っています
ところで写真をよくご覧下さい、寄せ植えの鉢土の上に肥料が置いてありませんね

そう、完成に近づき小枝作りがポイントになっている雑木類には
春の肥料はやってもほんの少々、若木のようにはやらないようにしましょう

当然のことですが、老木と若木の培養法は少々異なります