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2021年8月3日火曜日

舞姫超ミニ逸品

「木は木なりに作る」とか「松は松らしく、雑木は雑木らしく作る」などの
格言は、我々が若いころに大先輩から教わり今でも大切にしてきた盆栽の心得です。
そんな大先輩に、このようなズングリムックリしたもみじを見せたとしたら、どのような批評をされるでしょうね?
「こんな奇形は不自然で、美しくない」
「もみじらしい優しさが感じられない」
「不自然で人工的なかんじがして風情がない」

明治、大正、昭和前期のあたりまでの盆栽の勃興期には、自然と人工の技術のほどよいバランスが珍重され好まれました。
ところが戦後の隆盛期になると、肥培技術や整形技術の驚異的な発達により、盆栽の概念もかなりの割合で変化してきたようです。
自然な風情よりも力強い造形美が好まれているようですね。



樹高13.5㎝ 舞姫もみじ


足元の直径 5.5㎝


昔ではこのような樹形は欲しくってもできなかったのです。
肥培管理や極端な整形による衰弱からの養生法などが未発達だったんですね。
この舞姫はこれほどの竹の子幹の特殊な樹形であっても、幹の傷はすべて癒えています。



後ろ姿


舞姫特有の切れのいい美しい葉形が印象的ですね。
ボディー作りはほぼ終了の段階です。やや間口が広がり過ぎてしまったので、左右をもっと締めていきます。

 

2020年4月1日水曜日

舞姫素材の骨格作り 1

舞姫の素材種木のてっぺんを、数年かけて大まかに作り込んでおき、春先か入梅前に取り木をかけます。目標を立てれば、樹形やサイズは時間のかけようでいくらでも自由になります。


樹高8.0×左右16.5cm

今日のこの素材は、挿し木苗を3年、その後取り木して2年間培養したもので、そろそろ本格的に樹形の骨格を作り出す段階になりました。
何時もの年であればとっくに化粧鉢に入れているのに、今年は新型コロナウイルスのおかげで、とても落ち着いて仕事に没頭できず、もうあと1年間は仕立て鉢で木作りすることになりました。



伸びた先端の芽を摘むより先に、フトコロの無駄枝や余分な芽を取り除きます。するとフトコロの中まで見通しが利いて骨格の決定が容易になります。



ずいぶんと無駄枝が減りました。この段階になってから。伸び過ぎた芽を1~2芽残して摘むようにします。かぶさっていた枝葉が透けて樹形がよく見えます。



樹形としては変形の株立ちの、いわゆる変わり木といったところですね。
まだまだ外す枝は沢山ありますし、本格的な幹筋も決まってはいません。典型的な模様木とか直幹とかの樹形ならともかく、変わり木の場合は柔軟なものの見方を心がけ、木の成長に歩調を合わせて骨格を決めていくのが賢明です。



右半分の主幹部分はこのあたりで小休止!
ここで一気に行かずに、木の成長を見極めてから改めてチャレンジすることにします。
たまには頭を冷やして再度挑戦すると、思わぬいい構想が湧いて来るものです。



後姿。

ちなみに、この教材は盆栽屋.comのショッピングに出品されている舞姫です。

2019年11月20日水曜日

舞姫もみじの紅葉

ふつう山もみじなどの雑木盆栽は、春の芽出し時、若葉の季節、紅葉や落葉時の寒樹の季節など、四季を通じて一年中に見ごろがあります。


ただし盆栽人の多くは、落葉後の寒樹の季節の小枝のほぐれ具合に一年の培養の成果を見て取るのがふつうなので、どうしても落葉中で枝先の見える秋から冬に力が入る傾向があります。


ところで私が力を入れて大量に培養している舞姫もみじですが、何年もやっているうちに気がつきました。単に葉が細葉で小さいだけでなく、葉肉が薄いせいか紅葉の色彩が非常にきれいなのです。写真のように明るくて濃いピンク色にあがります。


このくらいの色彩に染まってくれれば、少々枝ぶりが若くて未熟であっても、盆栽として気長に小枝の充実を目指しているうちに格調が上がってくるでしょう。

ちなみに美しい紅葉を眺めるためのポイントを幾つか挙げましょう。

1 春から夏にかけての生育期には芽摘みや葉透かしを怠らない。
2 夏場の水切れは厳禁です。
3 夏場は寒冷紗などで遮光する。

2018年4月25日水曜日

できの悪い子供ほど可愛い(舞姫三幹)

前の年に取木した細い苗を去年(2017年)の春に、宗像一蒼さんの4cm鉢に入れた細い舞姫もみじですが、持ち込みの時間の経過というものはたいしたもので、やはり今春化粧鉢にいれたものより盆栽年齢的に眺めると、グーンと年上に見えます。

何時も思うように、やっぱり盆栽年齢は太さやサイズよりも持ち込みの古さからくる古色感、つまりは落ち着きから滲み出てくるものなのですね。幹の太さはわずかに2.5mmくらいですが、木肌や枝のゆすりなどに何となく自然味と古さが感じられます。


ところで、「自分の子供でもできの悪いのは心配でついつい可愛がってしまうもんだし、反対にできのいいのはほおっておいても何の心配もないので、かえって手がかけられないもんだ」と亡くなった母親がよく言っていたのを思い出しますが、自分で営業で作っている盆栽素材にでも、そのままあてはまるような気がします。

今日お見せした売れ残りのやせっぽっちの舞姫三幹も、できのいいのから売れてしまし、悪いのはどうしても長い年月手塩にかけることになってしまい、面倒見ている間に次第に愛情が濃くなってしまうという訳ですね。まあ命あるものですから形の優劣だけで差別をしないで、できるかぎり愛情をかけて育ててやりたいものですね。

2018年4月23日月曜日

取木から作る・舞姫もみじ

葉が小さく枝の先が細く仕上がる舞姫もみじは、ご覧のように葉も細身ですから、ミニ盆栽に作ったとき、姿に重苦しい感じがなくあっさりとしたさわやかなイメージです。
そんな雰囲気が気に入って5~6年前からポチポチと取木を主体にしてミニ作りに励んできましが、まだ満足の半分も行かないレベルですが、ともかく盆栽らしい形をしたものがやっと少しずつできてきました。
主幹の左に副幹が寄り添っており、反対の向かって右に細い2本の副幹が添っており合計4本立ちの株立ちとなっています。右のどちらかの1本を切って3幹にするか、2本とも切って双幹とするかの選択が考えられますが、最終結論は少なくとも今年一年くらいは様子を見ながら猶予したいとおもっています。

盆栽仲間でよく言われる迷ったときの格言では「切るのは何時でも切れるが、一度切ったものはもうつながらない!」、と言います。


というわけで、しばらくはこのまま4本立ちの変則樹形のまま様子を見ていきます。盆栽界には3幹に名木なしとの格言がありますが、この場合は三幹立ちを選択するのが順当な気がしますが・・・・
最後になりましたが樹高は11cmくらいです。

姿のどこにも無駄な力の入っていない、樹高約14cmの自然体の樹形がもみじらしくて好感が持てます。↑の作品も同じですが昨年の3月に取木をかけ入梅に親木から独立させ、今年の春先に化粧鉢にいれてやったばかりです。


自然体の樹形のため、ほとんど骨組みは現状のままで行きたいと思っています。このような盆栽は「木は木なりに作る」といわれるように、持って生まれた素直さを尊重して「もみじらしく」仕上げていきましょう。

2018年3月21日水曜日

掌上の舞姫もみじ

昨年の早春か入梅前に取木し、約1ヶ月で親木から外して秋までそのまま持ち込み、今春早めに根捌きして化粧鉢に入れてみました。

やや大き目の親木を選び、その上部をできれば2年ほど刈り込んでおいてから取木すると、あっという間にこのように掌(てのひら)に載る小さな盆栽ができるわけです。

舞姫もみじ超ミニ株立ち、樹高はわずかに5.5cm。舞姫は小枝の先が繊細なので、この状態からひと芽吹けばそれで十分愛らしい雰囲気が出て観賞に耐えられるから嬉しくなります。

もみじ類の株立ち状や寄せ植えのような多幹樹形は決して珍しくはありませんが、超ミニサイズでは単幹が主体で、温和なやさしい風景を演出する盆栽は案外少ないので、とっても貴重だと思います。

取木なので足元は案外に太くて逞しい雰囲気が見られます。鉢はなるべくこれより大きくしないようにして、こじんまりとさせて可愛さを強調しましょう。

この時点で骨格のデッサンは出来上がっているので、この先は枝先を徒長させないようにし、芽摘みと葉透かしを繰り返していけば、数年で柔らかく繊細な枝が見られます。ただし、葉刈りは行う必要はありません。

さあ、あなたも掌に載るほどに小さな超ミニ盆栽を作ってみましょう!

後姿です。この株立ちのような樹形は、表からも裏からも見られる場合があります。一席の飾りとして添え物として使う場合のことも考えて、表と裏の二刀流で作っておくと便利ですね。

2018年2月21日水曜日

舞姫超ボディー

過去にも清姫もみじとか鹿島八房もみじなど、小葉性(こはしょう)の種類が大流行したことがありました。ただ、それはどんなに優れた品種にもいえることですが、優れた魅力の裏側には盲点というか、案外に致命的な欠点が内臓されていることもあります。

そして、ある年限培養されて盆栽として壮年期の充実するころになると、今までは長所とされてきた性質が逆に欠点となってうまくいかないことが顕在化してくるのです。

その端的な例が錦松です。矢羽のように割れて変形する皮の変化が喜ばれた錦松も、幹や枝葉の木質部が肥大せずに皮だけが病的に増殖変化するため、足元や枝元に圧力がかかれば、たちまちわが身を維持することができなくなります。つまり自らの重みを支えきれなくなってしまいます。

清姫もみじなども基本的な性質として、樹勢が弱かったですね。ボディーと枝の骨格が出来上がり、小枝も増えてこれから抑制した培養に移りながら古さを求める段階にさしかかると、いわゆる「ガレ」てくきて部分的な枝枯れをおこしたりしました。

その点、舞姫もみじは挿木での発根率もいいし取木も容易で、樹勢はきわめて旺盛です。切った傷の肉巻きもよく、いわゆる「ヤケ」ることが少ないので非常に作りやすい性質です。そんなわけで、超ミニの素材としては最高です。針金に頼らず、切込みによる「ハサミ作り」でいいミニを作りたいですね。

樹高10cmで足元の幹径は約5.0cm。もう盆栽屋.comのところに5年くらいいます。伸ばしては切り込み、切り込んでは伸ばして、やっとボディーと枝の基本がまとまりかけてきたようです。
今春は根を思い切り裁き、枝も大幅に攻めて、もっと節間の短い枝でしまった樹形をめざしたいですね。

ご覧のように根の状態は健康そのもの。

あらかじめ根の容積をナイフで半分ほどに切り込んでおきましょう。

足元の根張り付近や幹の真下の古い用土をよく振るい落としておきましょう。

ボディーと枝の基本が出来上がれば、次の段階では、根も枝も伸ばし過ぎないように、小さめに作りこむのが最大のポイント。

かなり枝先も追い込みました。樹高を測ってみると8.5cmですが、もっと小さくしたいですね。
目標は7.0cmでしょう。枝の長さも半分が理想でしょう。入梅までにもう一度強い追い込みを実行して全体をもっと小さく締めこみます

後姿

今年の入梅前の芽摘みや剪定がポイントになるでしょう。
またご紹介しましょう。

2018年2月20日火曜日

フリースクール’(舞姫もみじ)

取木無経験の数人の生徒さんはどうも腕がムズムズするらしく、ご自分の名札のついた舞姫もみじを取り出しては眺めております(笑)。
盆栽屋.comとしては、2月はやらずに3月も我慢し、本番は入梅前の5月中旬が最適と思っているのですが、この雰囲気ではとてもそれまでは待てない雰囲気ですな。

スエちゃんの種木ですが、上部の枝がゴチャゴチャしたあたりは、取木をすれば一応立派なミニ盆栽の骨格がゲットできる予定。

でも足元の古くなった部分も捨てちゃうともったいない。素材のすべてを無駄にしないのが宮本流。夏ごろに足元から数cmのところに貫通式呼び接ぎを施して、将来の芯(幹)を作っておきました。

上部を取木したあとはこの呼び接ぎ芽が木のてっぺんになるわけです。ちなみに、この芽がなければ、この素材苗は根から吸い上げた水分を枝葉へ吸い上げることができないので、次第に活動が不活発になって最後には腐って枯れてしまうことになります。

根元から数cmの位置に芽が接がれましたから、素材は上部がなくなっても下部は下部で生きていけます。ですから、毎年盆栽の素材として成長しながら、一方では半永久的に種木として生産活動をし続けるのです。

たとえば舞姫の4年生苗。裾のほうに芽がないと上部を取木した場合に、下部は枯れてしまいます。そこで上部に何本かの徒長枝を水揚げ用に残しておく。

その徒長枝を円状にグルット廻して足元から数cmの場所に呼び接ぎしておくとよい。なに?呼接ぎのやり方がわからない?

そうですね、時間のあるときにゆっくりご紹介しましょうね。チョーやさしいですよ。