「木は木なりに作る」とか「松は松らしく、雑木は雑木らしく作る」などの
格言は、我々が若いころに大先輩から教わり今でも大切にしてきた盆栽の心得です。
そんな大先輩に、このようなズングリムックリしたもみじを見せたとしたら、どのような批評をされるでしょうね?
「こんな奇形は不自然で、美しくない」
「もみじらしい優しさが感じられない」
「不自然で人工的なかんじがして風情がない」
明治、大正、昭和前期のあたりまでの盆栽の勃興期には、自然と人工の技術のほどよいバランスが珍重され好まれました。
ところが戦後の隆盛期になると、肥培技術や整形技術の驚異的な発達により、盆栽の概念もかなりの割合で変化してきたようです。
自然な風情よりも力強い造形美が好まれているようですね。
樹高13.5㎝ 舞姫もみじ
足元の直径 5.5㎝
昔ではこのような樹形は欲しくってもできなかったのです。
肥培管理や極端な整形による衰弱からの養生法などが未発達だったんですね。
この舞姫はこれほどの竹の子幹の特殊な樹形であっても、幹の傷はすべて癒えています。
後ろ姿
舞姫特有の切れのいい美しい葉形が印象的ですね。
ボディー作りはほぼ終了の段階です。やや間口が広がり過ぎてしまったので、左右をもっと締めていきます。
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