2006年11月28日火曜日

楓の葉落ち姿

お気に入りの楓の、葉落ちの姿を早く見たいと思っていたのですが
今日までやっと我慢をしてきました

小葉性で美しく紅葉する姿も捨てがたかったからです

さて、ピンセットで軽く引っ張ると葉柄ごと簡単に取れるほどになりました(この時期が最適)
頭の方から徐々に葉を落としていきます

一年間の丹精の成果が見えてきますよ
さあ、枝先はどの程度になったかな



小枝の作柄は上々のようです
かなり枝が細かく分岐して密になってきています

フトコロ芽も充実しています
これも重要なポイントですよ



このあたりまでくると、それが一層はっきりしてきます
作柄は上々、間違いなし

ちなみに、この楓は葉刈りをしていません
芽摘みとマメな葉透かしだけで管理しました



作業終了

樹冠部はまだ未完成ですが、焦って急いではなりません
頭を作るのを急ぐと、枝の柔らかさとのバランスが取れなくなる恐れがあります

数年かけてジックリと樹冠を作りこんでいくのが正解です
ちなみに、↓の画像は二年前の姿

いかがですか?
小枝の出来ぐあいを比較してみてください



二年前の姿
現在の姿と比較してください



日本の山里の風景に見られる、雑木らしいやさしさをイメージして作り込むつもりです

力強い足元、素直な幹筋、きれいな枝分かれ、密な枝先
優美な姿は更なる可能性を秘めています

2006年11月17日金曜日

お気に入り楓寄植

今年の春先に手に入れ、しっかり根洗いした楓寄植
この楓を手に入れ植替えしたときの顛末は、3/10~3/17の「つれづれ草」に詳しく出ています

春から夏にかけて、水はちょっぴり辛目(少なく)し
ともかく、何度も何度も芽摘みと葉透かしを励行

その成果が上がって葉が小さくしまり葉肉も薄くなったので
ご覧のようにみごとに紅葉しました



画像もまあまあに撮れたので、開設以来同じだった「盆栽つれづれ草」の表紙も更新
当分はこの楓寄植でいくつもりです



今年の春、根洗い直後の画像



足元の土もかなり落ち着いてきました



私の手に入るまでは、ちょっとばかり樹勢が強すぎたようですが
芽摘みと葉透かし、それに水加減で、ずいぶん小枝の先の勢いは制御されました

落葉後のそれを確認するのが楽しみです

こんな感じで3年くらい培養すれば、枝先はさらに細かくなるでしょう
来年も、肥料と水を控えめにしてがんばります

よろしいですか、古木は古木らしい培養管理をします
ご飯(水と肥料)は少なめでいいんですよ(人間と同じ)

今日は私のお気に入りの楓の寄植をご紹介しました

では

2006年11月15日水曜日

十月桜開花

晩秋だというのにぽかぽか陽気が続いていますね
時には真夏日を思わせる日もあっったりして、まったくどうなってるの?

こんな年には、そのうち寒さが急にやって来て
すっかり暖かさに慣れてしまった盆栽たちが風邪を引かないかと心配です

ところで、一ヶ月ほど前に十月桜の葉を刈り取ったので、それから徐々に花芽が膨らんで
ポツポツと咲き始めました








蕾のほころびはじめの柔らかいピンク色
この時期には目を惹きますね



優雅な花弁の十月桜

渋い色彩の秋の色の中で
優美な薄ピンクは嬉しい色彩ですね

十月桜をお持ちの方で、早めに花を見たい人は
葉を刈り取りましょう、花が咲きますよ

そうです、葉を刈り取ることによって、植物の季節感覚をちょっとばかり狂わしてやるんです

では

2006年11月7日火曜日

 山もみじミニ

今日の教材は、山もみじのハサミ作りの名人が、約20年丹精したミニの模様木
仕立鉢で私のところへ来たものを、一年間はそのまま姿を整え、この春に化粧鉢に入れ替えました

根張りや幹模様、それにコケ順などは申し分ないのですが
当初から枝に弾みがなく、樹冠部にもイマイチもの足りない感じがありました

つまり、枝に太細の強弱がなく、幹模様の終点になるはずの芯のいい位置に芽が出なかったのです
樹冠部のぼやけた木はどことなくしまりがないものです

ところが二年間、芽摘みと葉透かしなどの作業を辛抱強く行っているうちに
そのふたつの課題が一挙に解決したのです



下からの幹模様から見て、芯の芽は左方向に向かうのが理想的ですね

小さかった1の芽が伸びてくれました
また、2の芽も順調に成長してくれたのです

ですから、来春から樹冠部をを作り込んでいくにあたって

来春に2の芽を短めに切り、その元に吹いた芽を新しい芯にする
2の芽の元に芽が吹かない、または伸びられない場合を想定し1の芽も残しておく

その二段構えで臨んでいこうと考えています

さて枝を見ると、3の枝が太く力強くなってくれたことが何よりの成果で、ぐーんと弾みが出ました
今後は、役枝としていい位置にある4の枝の成長を促すように心がけます

他にもまだまだ不必要と思われる枝も多く着いていますが
それらは焦らず毎年少しずつ減らしていきます

枝を外すときには、まず絶対に不必要な枝から切ることが大切で
「初めからすべての枝を決めてかかることは危険です」

このことはしっかり憶えておきましょう

では

2006年11月5日日曜日

今再さんのお便り

次は「今再さん」のお便り
このHPの常連さんなら知らない人はいないはずですね

では、ご紹介しましょう
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回答:2番です。

私の水遣りは、4番に近いです。
私の日常の盆栽の水遣りとチェックは・・・

店の開店準備(掃除と店内に飾ってある鉢の水遣り)を終えると、
近くの棚場(知人宅の庭を間借り)に午前9時ごろ向かいます。
一通りチェックを入れた後、水遣りです。

春先は概ね1日1回、葉量の多いもの、下方鉢・陣笠鉢などで渇きの早いものはバケツにドブヅケします。
棚場に3箇所ばかりに、水を張ったバケツを置いてあります。
新芽が伸びた頃から午後4時~5時ごろで2度目のチェックと水遣りです。
消毒もこの時です。

梅雨明けのイマは、小品・ミニは大粒の赤玉土に軽く押し込んでいます。
葉焼けの目立つものは、木蔭に移動しています。

防寒保護の季節は、乾いたら遣るの方式で、概ね3日に一回のペースです。
結構まめに管理しているつもりですが、ことしは金糸南天(60年もの)、コトネアスター、白花山吹、百日紅を枯らしてしまいました。

とりとめも無く羅列いたしましたが、
水遣りとは、盆栽に水を遣るだけに留まらず、その日その日の盆樹との対話が楽しくもあり肝要だと思っています。

今再珈琲店

嘉さんのお便り

先日の「盆栽クイズ」の回答に添えていただいたお便りをご紹介しまます
まず、嘉さんのお便りです

掲示板にもよくカキコされている方です
このお便りを読んでご質問などある方は掲示板をお尋ね下さいね

今晩は。 何があっても一日一回はお邪魔しています。 最近は一文銭程度の大きさの鉢に入る超豆盆栽に嵌っており、
そんな盆栽はどこの通販にも無く仕方なく取り木、古枝の挿し木をセッセと実行してようやく45種100本程度になりました。

その道で日本一の先輩と4人で、今秋に発表展示できるよう鉢合わせも始めています。(盆栽世界が取材にくるそうです)
しかし以前は、2~3センチの鉢なんてどうするんだろうと見ていたものが、実際に必要になると無いもので、
あっても飛び切り高価で、しかも思案している間になぜか(なにに使うのか、コレクションか?)あっと言う間に売れてしまいます。
他の大きい鉢はほとんど動きが遅いのになんででしょう。 (青閑鉢 考えていたら売れてました又ありましたら、、、、)

回答は2です。
水遣りは、盆栽の普及に一番のネックとなるものでなんとか解決しないといけません。

いくら盆栽に嵌っても、人生の中には他にもチャレンジすることは一杯ありますし、またそれを許さないと盆栽人口は増えないと思います。
私も、宮本先生のようにカミサンにオンブニダッコで25年過ぎ良く見るとカミサンの顔は、年中真っ黒、水遣りのたんびにシャワーでは酷すぎと考え、
4年ほど前に関西の横井さんに自動散水機を設置してもらいました。

しかし工事に3人で2日かかりしかも重労働で値切にも力も入らず60万程度で手を打ちましたが、
正直、盆栽普及のために進められる費用ではないですね。

一万円以内ていどにならないと無理です。 今では自分でやればその程度で出来るそうですが、機械に強くないと出来ない話です。
世の中の多くが出来るような仕組みを完成させないことには普及しません。

それと、噴霧式の自動散水機は風に弱く短時間では心配で10分程度にセットしないといけません、 仮に夏は毎日3回自動を使いますと
月の水道代が5~6万円かかります。

しかも環境によっては噴霧方向にも考慮しないと隣近所にも迷惑になります(洗濯物にかけちゃうとか)
自動散水に頼りきりでは、木にもよくありません、基本は一日一回は手動散水で盆栽と語り合いながらやることですね。

それで回答は2です。

散水機への提案ですが、理想は鉢底からの浸透水遣りです。 棚を、だんだん畑にして時間がきたら、囲いのついた棚板に水を流し
浸透させたらその水を次の棚に流しこむ方法です。 水は100%使い省エネにもなり完璧な水遣りだと思います。
(閑があれば設計しますが先生どうですか特許ものですよ、水道代、風向き、環境、いずれもクリアー)

しかしあくまで理想は可能な限りの手動水遣りですね。
自動は手段であり目的にはなりえません。

希望の景品 NO1初代平安東福寺手捻焼しめ丸鉢

ハンドル名  嘉