2023年4月22日土曜日

古谷石・嵯峨重塁

石仙堂命名の「嵯峨重塁」についての説明が不足しているようなので補足します。

京都盆地の北西部に位置する嵯峨地域は、なかなかに複雑な地形をしており、そのような風景の共通のたたずまいから命名に至ったのでありましょう。

辞書で調べると、塁は土で幾重にも重ねた小さな城のことを言うそうです。
ですから、幾重にも険しく重なった嵯峨の険しい山間部の様子を重塁と名付けたのでしょう。いくつもの鋭い峰が切り立っていますね。


峰々には多くの小城が重なり隠れています。
何とも迫力のある命名ですね。


後ろ姿、


間口12×奥行10.5×高さ4.8㎝

台座を外して見る。



後ろ姿。
 

2023年4月18日火曜日

愛好家Aさん」のこと

盆栽屋宮本園に出入りしていいる愛好家さんの作品です。
Aさんはミニ盆栽からミニ鉢の修理まで、多くのジャンルをこなしますが、最近腕を上げているのが水石の台座作りです。


安部川茅舎石
間口6.5×奥行5.5×高さ8.3㎝


日本の昔話に出てくるようなホンワカした屋根の感じがおもしろい。


後ろ姿。



台座の内側に漆を塗って出来上がりです。

 

古谷石・石仙堂石友斎百穂とは?

石仙堂の箱書きのある古谷石の小品を手に入れました。
これは「嵯峨重塁」(さがじゅうるいと」読むのでしょう)と読むとして、京都の北西の嵯峨地域の景色から命名された銘であると推測します。盆地を含んだ複雑な地形です。


石仙堂(せきせんどう)は石友斎(せきゆうさい)や百穂と同一人物です。
ですから、石仙堂石友斎百穂という長い命名になることもあるわけです笑。


後ろ姿。間口12×奥行10.5×高さ4.8㎝ 
古谷石特有の袋式の豪華な台座つきです。

昭和の中期から後期にかけて石友斎百穂氏により、多くの銘品が地元を離れ東京へと運び込まれました。



 

2023年4月16日日曜日

古谷石名品

古谷石・銘「富士」石友斎百穂
真口8×奥行4×高さ⒉6㎝

今までに手にした超ミニの古谷石の中でも、三本の指に入ることは確実(ナンバーワン)かな?
さすが石友斎と名乗る谷本百穂氏が世に送り出した傑作超ミニですね!
そうなんですね!石友斎百穂は昭和の中期から後期にかけて、古谷石の名品を地元和歌山から東京へと紹介した功労者なのです。
百穂氏の箱書きは、時と共に貴重なものとなっています。大切にしたいものですね。



間違いなき石友斎百穂氏の箱書きです。箱書きは古谷石の鑑定証となります。


後ろ姿。時代感も抜群です。


箱の裏書きです。



袋式の独特な台座です。


後ろ姿です。


山の頂部分をつまんで空中に持ち上げても台座は外れません。
これも名人芸ですね。