2016年4月29日金曜日

取り木発根!

例年であれば関東では、3月初旬から中旬ごろがもみじや楓類の取り木の適期でしょうが
今年のように暖冬で春の訪れが早い場合などは、10日単位くらいで時期を早めてもいいでしょう

今年の私は、暖冬を意識して2月の下旬にはすでに作業を始めて
3月の末ごろにはあらかた終了としました

数日前、その最後の段階で日付を記しておいた数本の中の2本に発根を見つけました
そろそろとは思っていましたが、予想よりも10日ほど早い気がしますね

やはり気温が微妙に高いのでしょうね
ともあれ取り木の発根に接する時は、何時ものことであっても、やっぱり得したような気になりますね(笑)

参照記事 2014/05/23  2015/05/29


今年一番の発根を見つけました
針金で結束してくびれた箇所なのでずいぶんと早い発根です


水苔が流れ落ちてしまったため
乾燥して赤点の箇所からは発根していません

厳密にいえばこれは失敗
今からでも遅くはないので水苔を補充すべきですね


ここにも発根を発見!

このようなら剥皮した部分が露出していないので
いい状態の根張りが期待できます


取り木作業の収めに日付を記しておきました
一ヵ月と数日、四捨五入して一ヵ月で発根としておきましょう

順調ですねーッ
みんさんの成果は?

2016年4月22日金曜日

チリメン桂再生

長いこと盆栽をやっていて嬉しいことのひとつには
ぶつかって手にいれたものが思ったよりも出世したなんてときですね

それらがそう高価なものでなくとも
手にかけたなりに順調な進歩をみせるとそれは張り合いが出てきます

やはり盆栽趣味の醍醐味は
時間と手間暇をかけて育てるという素朴な行為がベースにあってこそ、極まっていくのだと思います

というわけで、先日久しぶりで寄った親しい同業者の棚の隅で
樹高10㎝くらいのややくたびれた感じのチリメン桂が目に入りました

幹に傷っけはありませんが、植替えをしていないせいか
痩せ気味であまり樹勢もいいとはいえません

ただ、素直な幹筋とまあまあに整った枝順がいいと云えばいいくらいですが
あとは、値札のラベルに記されている数字も気に入ったんです(笑)

1.2万円

ほんとかよ!?


「安かったら値切れ」は盆栽屋.comのもっとも大切にしている盆栽哲学

すぐさま「このチリメン、定価の半分か!?」とぶちかましておいて
最終的に8.000円でゲット

安ーッ!


鉢の中の根の状態はいっぱいで植替えの周期はきていますが
まずは全面葉刈りをして輪郭線を追い込む方を優先させました


チリメン桂は全面的な追い込みと植替えを同時にやってはいけません
どちらかを先にやってやや一ヵ月の間隔をおいて次の作業にかかるようにします


指先、ハサミ、ピンセットなどを使い分けて
根気よく全面的な葉刈りを仕上げる


追い込みながら輪郭線を整える


現在の正面よりもやや左に振ったあたりが新正面の候補
作業が終わってややピリッとした姿になりましたね

とても8.000円とは思えない(笑)

肥料も切れた感じだったので置き肥をやって
新芽が伸びて展開するまで我慢します

約一ヵ月経ったら植替え可能です
またご紹介しましょう

ちなみに、このチリメン桂はしばらく教材にするので「非売品」
ではよろしく

2016年4月18日月曜日

もみじの芽摘み

針金かけや剪定の整姿(せいし)作業に比べてははるかに地味ですが
その重要さにおいてはまさに肩を並べるのが芽摘みの技術です

過去の参照記事がありますから是非ご覧ください

2009/04//09  2009/04/30


安部性もみじ

桜開花前線の例から見ても細長い日本列島では、九州と北海道では芽出しの時期は
おそらく一ヵ月以上の時間差があるでしょうが

そこで関東中心でお話を進めるとすると
近頃の芽の進みかたはおおよそ↑の画像くらいで、まさに今は芽摘みの最適期です


ちなみに、このようにピンセットで軽く摘まめるくらいに柔らかいうちにやりましょう
芽の先端の節間(せっかん)が伸び切らないうちがいいですね


輪郭線から飛び出した徒長芽を軽く摘んだところ
この程度でも芽先の制御になって徒長が防げ、各枝の強弱のバランスがよくなります


舞姫もみじ

舞姫もみじの芽がいっせいに吹きだしてきました

2節3節と見る見る伸びてきますが、ハサミで剪定するのは早すぎるし
ほっておいては徒長しすぎてしまいます


そこで木の勢いを制御するために、全体的に芽の先だけ摘んでやります
このように徒長を防ぐためにも必要な作業が芽摘みです


ハサミやピンセット使わなくとも柔らかい芽は指先や爪の先で摘み取れます


全体の輪郭線を保つための芽摘み終了


舞姫もみじの株立


美しい芽出しの美しい葉を鑑賞するために
全体の輪郭を整えるように芽摘みをしました

それではみなさん、がんばって!

2016年4月6日水曜日

舞姫もみじの鑑賞と挿し木

一昨年(2014年)の入梅に取り木をして、昨年(2015年)の春に根をさばき
一年間しっかりと肥培した素材(三年目)

まだ骨格が完全には出来上がっていませんが
春の新芽が展開してきて何とかもみじ盆栽の雰囲気が出てきました



五本立の株ですが、春先に小さな化粧鉢へ移す時に
右外側の主幹の節間が長いので、一度追い込んで作り直すことにしました



右外側の主幹は立ち上がりから一節残してバッサリと切っておきました
現在そこから数本の不定芽が伸びているので、入梅前には将来使う芽も決まると思います

それにしても舞姫もみじの葉は細かくて切れも深く
おまけに赤芽で色鮮やかですね



新芽が展開する前の写真

もみじは完成度が増すと寒樹の姿が好まれますが
小枝のさびしい未完成の段階では葉があったほうが見られますね

以上、取り木をかけてから三年目(まるまるでは2年間)で
基礎が固まってきて何とか鑑賞できるようになりました

ここまで来ればしめたもの
後は焦らずゆっくりと持ち込めば年ごとに成長間違いなしですね

さて、次は舞姫の挿し木の中間報告です



右の大きめの4鉢は3/10に挿したもの
左側のやや小さめの1鉢はスクールの生徒さんが3/20にやったもの

今までに特に心がけたポイント

1 10日ほど前から、ビニールハウスの中でも入口に近く
  しかも、直射日光が数時間当たる場所に移動しました

2 挿し木作業をした時と、その後は10日間隔で消毒(トップジン乳剤)をしています
  
3 葉水はほとんどやらず、鉢の水も過湿にならない程度にしかやりません
  灌水は数日に一回くらい、表面がやや乾き加減になってからやるようにしています


挿し木後約30日ほどが経過しても、黒く変色(腐食)した挿し穂は見当たりません
好調!好調!

ほとんどの挿し穂の芽が動き始めていて
ご覧のように2割りほどは早くも葉が展開し始めていますね

続く