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2018年3月11日日曜日

山もみじ株立ち改作(植付け)


前項でお話したように左の枝というか寝かせた幹は切るつもりでいました。そこで、切る前にまずやることは植替えだと思って、上から3枚目の画像のように切立ちのオカメ小判を用意しました。

そして、根捌きをしたもみじとその鉢との相性を試しているうちに、株立ちの足元あたりの発達具合がいやに逞しくて魅力的に感じられるようになり、だんだんと切るのが惜しくなってきてしまったのです。

後姿


この画像が植替えのために根捌きを終えたところです。この時点で左の枝を切るつもりであったのが、だんだんと構想が違ってきてしまったのです。

具体的に言いますと、この株立ちはこちらのような大き目の鉢の方が映りがよく、木の迫力を導き出してくれるような感じがするようです。そして、足元付近もこころなしか迫力が増す印象です。

というわけで熟慮の結果、今回は切らずに今までと同じようなイメージで植えつけました。ただ心持ち高植えにしたので、地際に寝ていた幹は今までより露出しました。これで根連なりとか筏吹きとかの樹形のイメージはまったくしなくなりましたね。

左右に伸びた幹は今まで以上に、木の動きや表情を演出する役目が強くなった感じです。

後姿です。

後姿の拡大ズです。

そんなわけで、自身もまだきちっとした構想は固まってはいないので、このままもうしばらく木の充実を見てみたいと思っています。足元と左右の子幹の成長が全体のイメージに変化をもたらしてくれるような予想と期待を感じています。

では。







2018年3月6日火曜日

山もみじ株立ち改作(案)

今日取り上げる山もみじ株立ちの成り立ちを推測してみると、幹の芯の左右に閂状態に枝がある下から取木をして、それらを左右の地面に伏せ、さらに上に立ち上がった幾本かの小枝を幹に見立て、芯の幹を中心に配して総合的に株立ち状態にまとめたものです。

ですから、一応株立ちと名乗っていますが、これからもっと足元の甲羅が発達すれば甲羅吹きともいえるでしょうし、左右の端から端までの脇根が発達すれば、根連なりとも表現できるでしょう。

株立ち、根連なり、筏吹き、甲羅吹きなどの樹形は、その樹の成り立ちや成長過程の違いによって、どのジャンルに入るのか明確に区別できない場合もあります。ゆえに私はそのあたりのジャンルにはあまりムキにならないようにしています。

まあ、樹形のことは今日の本題ではありませんからこのくらいにして、話題を進めましょう。私は現在このもみじの改作の方向性で悩んで(迷って)います。

持込の古い、そして特に葉性(はしょう)のいい優良種ですが、主幹が真ん中の位置にあるので、左右が同じバランスで変化がないですね。

左右の変化を求めてどちらかを詰めるとすれば、それは赤印のある左だと思います。

試しに左部分を消してみると、主幹は大きく左へ寄った形になりました。そして右の数本の子幹にグッと動きがでてきました。

このように試しに画像で検証してみると、この形が正解のように思えますね。明日あたりにもう一度実物を見て決断を下しましょう。





2016年9月24日土曜日

初級・中級盆栽集中講座(9):出猩々もみじの本格ミニ盆栽改作

超初級から中級くらいまでを中心に(たまには上級編もまじえて)盆栽の手入れに関するご指導する初級・中級盆栽集中講座シリーズです。

  • 時期:2月下旬(ムロで防寒が必要)~6月中旬(葉刈りと同時に行う)適用
  • 樹種:出猩々もみじ・山もみ・楓じなど
  • 道具:又枝切り・剪定ハサミ・針金切り・ピンセット・切り出しナイフ・やっとこ・ミュム針金(一mm~3mm)
  • レベル:超初心者から達人まで
  • ポイント
    • 素材の選び方(根張り・幹筋・枝順などの整ったもの)
    • その後の管理 作業後、葉水をタップリかけて冬なら室へ、春夏は棚の上で培養
教材:出猩々もみじの取り木素材(幹の直径2.7cm、頭を除く幹の高さ5.5センチ)
(完成予定樹高8~9cm、左右の幅11cm)


昨年入手しておいた出猩々もみじの取り木素材
枝は伸び放題で一見すると
こりゃまいったという感じですが
さにあらず!
木肌は古く、根張りも上々
枝順も見込みありです


まだ手をつける前の、足元から立ち上がりの幹筋
一の枝、二の枝までの拡大図
汚れているが、根張りのよさは分かりますね

まず全体をよく観察して構想を練る
この段階が一番大切です


さて、力のある一の枝から作業にかかる
枝元はすでに太くて針金でも下げることはできません
切り戻しで枝の曲を取るようにします

二又の上に立った枝を切り、下向きの枝を使います


ぶつ切りはコブのようで醜いので
切り口は斜めに削り、コケ順をよくしておきます


次は二の枝ですが、おなじところから2本の枝が出ています
どっちを使おうか?
思案のしどころです


手前の枝を使うことにしました
理由は、手前の方が幹からの枝の出方に無理がなく自然だったから
そして、節の間隔が詰まっていたからです
そのほうが間延びしない、つまったいい枝になります


さてと、頭の方は3本あります
これにはかなり迷いましたが、一番奥にあるのを使うことに決定
理由は、自然な仕上がりを期待できそうなのと
節間が詰まっている
また、元の左右に不定芽があり
これが将来、三~四の枝として使える見込みがあるからです


新しい芯の左右に不定芽が吹いていますね
将来この芽がものをいってきますよ


荒切りが終了しました

枝先は摘み込みません、幹の太さとのバランスが考えて
1~2年太らせます
太らせたところで、また短く切り戻して小枝つくりにかかります
この辺がポイントです


一枝と二枝に針金をかけます
目的は枝に曲をつけるため
もう一つは、伸ばしっ放しにするので風などに吹かれて元から折れないようにするためです


たすきのように一本の針金で、同時に2本の枝にかけます
針金はニューム線です
雑木にかける場合はやや太目のものを使います

理由は太い方が食い込んで傷になる恐れが少ないからです
それに、しっかりとして風に吹かれても大丈夫
くれぐれも細目の針金は避けてくださいね

根元も掃除したので根張りがよく見えますね
けっこういい根張りでしょ
木裏の根もよく張ってます



拡大図です
芯にも掛けました
裏枝は2本残してあり、これにも針金は掛かっています


作業完了時の全体図
二の枝に注目して下さい
枝元の部分だけに曲がついて、その先は真っ直ぐですね
どうして?
将来(1~2年後)枝元の数センチを残して切ります
そのため先の方まで曲をつける必要がないからです
また、先まで曲をつけると弱って伸びと太りが悪くなります

今後の計画
  1. 最低今年いっぱいは芽先を伸ばして、枝と芯を太らすことに専念します(肥培)
  2. 針金は夏ごろ一度はずし(その頃には食い込んでくるから)、同じ様にもう一度掛けなおします
  3. 枝と芯の太りが充分であれば、来春に節の芽を確かめて数センチを残して切り戻します
  4. そして、来春の新芽に今年とおなじ作業を施します(枝は二又になるように)
  5. 順調であれば来年いっぱいで全体の基本樹形が出来上がります
  6. その先は応用編になりますが、おおまかにいうと、小枝を殖やし樹格を上げていく段階となります

2015年9月23日水曜日

初級・中級盆栽集中講座(5):掘り出し素材の改作

超初級から中級くらいまでを中心に(たまには上級編もまじえて)盆栽の手入れに関するご指導する初級・中級盆栽集中講座シリーズです。
  • 時期:一年中
  • 適用樹種:全樹種
  • 目的:埋もれている盆栽素材を短期間に観賞価値を高め、立派な盆栽として育てていく(やりがいありますよ)
  • 道具:全て
  • レベル:超初級から達人まで、素材の魅力を見分ける眼力を身につけたら、安価で楽しめ、やめられない(成功した時の喜びは格別!)
  • ここがポイント
    • まず眼力を鍛えることが第一です
    • それには経験をつむことと
    • 名木をたくさん鑑賞すること(感心してばかりしていちゃあダメ!どんな名木でも自分のものだと思って遠慮なくケチをつける(口に出してはダメですよ)
    • そして、更に樹格を向上させるための問題意識を持つこと、ようするに鑑賞眼と批判眼とを調和よく鍛えるんですね

クチナシの小品盆栽・新しい正面さがし


伸び放題のクチナシ、足元と幹筋をみると、なんかものになりそうな雰囲気をもっている
いままでの正面の図
ちょつといい感じだが、向かって右の枝が胴の正面近くから出ていて、その奥のほんとうの一の枝が見えない
しかし、これを切ると傷になる
おもしろくない
他の正面をさがそう


グルグルまわして新しい正面をさがす
考慮に入れるのは
根張り
立ち上がりからの幹筋
枝順
それからもちろん、全体的な図です


ありましたよ、ありました
向かって左側面に、新正面らしき、イイ感じのところがみつかりましたよ
足元は抜群ではないが、幹筋はいいぞッ、頭まで筋が通るぞッ
枝順は問題なし
この正面なら幹に大きな傷をつくらなくてもイイ
ここに決めた!


さてと、一と二の枝の無駄な小枝を切って、幹筋がよく見えるようにしてみる
頭をいままでのと立て替えるので切ろう
旧の頭は新の頭の後ろになっているので
とばしても、正面の傷にならないので,グー!


旧の正面から見ると頭が有りません!
この角度は新正面の斜め後ろになっています


どうですか?
頭を切り替えがポイントで、その他は大きな枝を切っていません
これで盆栽としての基本がきっちり整った模様木になりました
裸になってますが、クチナシは芽吹きのいい樹種ですから
1~2年で吹き込みます
(時期が真夏なので、少しは葉を残しました、5~6月の適期なら葉は全部切ります)
植え替えは来春です

完成予想樹高はわずか9cmです
この寸法でこの幹の力なら、けっこう眺められますね

改作成功なので
盆栽市場へ売りに出しました
関心のある方はそちらへどうぞ

長寿梅の小品盆栽・足元を掃除するだけ



なにかいい雰囲気が匂うんで、買ってみました
現在、古いところが魅力ですが、株立ち状ではっきりした図が見えていません
なんかものたりない
思い切って
苔に覆われた部分はどんな風になっているのか、全容解明です!


なんと!なんと!
根上がり状に立ち上がった幹が横たわっていたのです
そこが苔に覆われて、株立ちにみえていたんですね
こんなにしっかりした幹が出現するとは、思いもしませんでした
感激!感激!
さっそく金ブラシでそっと掃除です(幹を傷つけないように)


掃除のあとは剪定です
枝が全体に上の方に向かっています、左右に張り出したように整えたいですね
まず向かって左の立ち枝をチョキン
これだけで木姿に動きが出るでしょう
ようするに、流れを作るんです


ゴチャゴチャした胴吹き枝を切り取って、幹筋をはっきりさせます
必要な枝を切らないように、事前によく検討してくださいね


どうです
だんだん図がでてきたでしょ
幹筋をはっきりさせて、枝の動きを調整していくと、構図が決まってきます
頭も詰めます


出来上がりました
針金も使っていません
ハサミだけで図が出ました
鉢が映ってはいませんが、根上がり状に立ち上がった幹が力強く屈曲して
最後に鎌首を持ち上げています
樹高わずか10㎝の長寿梅の小品が装い新たに、デビューしました

さて今後です
地面と平行している幹の部分が、ちょっと長いような気がします
丸か六角鉢に入れて、やや懸崖風に植え付ければそれも解消します
寸法が短くて古いので、かなりの盆栽に出世するでしょう



今日の講義はこれまでですが、いかがでしたか?
盆栽は永久に未完成です
その持っている個性を、充分に発揮しているものばかりではありません
せっかくいい素質を持ちながら、実力発揮できずにいる盆栽達は、たくさんいます
みなさん!まずご自分の盆栽達が実力発揮しているか、それからとりかかりましょう!
掃除ひとつで、再デビューできるものがあるはずです
この講義により、盆栽を見るみなさんの眼つきがかわってくだされば幸いです
ではまた9月にお会いしましょう

2015年3月21日土曜日

楓株立ち改作(続編)

昨年の項を参照しながらお願いします

取り木をした苗を親株の足元に植え込み、全体の構図を決める作業
株立ち樹形にとってはもっとも大切な仕事で、これでイメージが決まっちゃう感じですね

で、この冬はかなりの暖冬だったので早めの作業となりました
結果は?

そうですね、あらかじめ取り木をしておいた苗が想像よりも細かったので
親株との調和に少々工夫が要りましたが、まあまあの感じに仕上がりました


昨年の晩秋の画像


昨年の秋の段階の計画図

実際の作業の段階になってみると取り木をした苗が細すぎて
とても一本では左下の大きな空間を埋めきれないことが判明


作業後の姿

そこで、5~6本に枝分かれした苗のほとんどすべてを使い
図のように枝が斜め方向に広がるように植え込み、奥行きも感じられるような構図をとりました

親株と子幹がやや離れ見えますが、それは保護の水苔のせいです
何年かの後には両者の根は、同じ株として癒着してしまいます

さあ、今年は行きますよ!
葉刈り2回を目標に樹勢の充実に励む予定です

2014年11月26日水曜日

楓株立ち改作


改作前の頒布コーナーの画像

熱心な愛好家が20年前に取木をかけて作り込んだ楓株立ち
自然味にあふれた幹立ちと長年の丹精を物語る枝先のほぐれが見どころです

有している素質からみて、あと5年ほどの適切な培養を重ねれば
小品棚飾りの脇置きや三点飾りの添えとして、国風展など一流展示会に出品可能です

上記のような解説つきで現在も頒布コーナーに掲載していますが
改作中なので今では姿がずいぶん変わってきました

この先もどんどん変化しそうな勢いなので
一度その過程をご紹介しておきましょう


現在の姿

まず一番の変化は正面を替え、前枝を取り木して外したこと
それに、幹筋と枝分かれの基本を整えるために大幅な剪定を敢行したことです


頒布コーナーの画像

正面を変えたために赤点が前枝となってしまい、足元が隠れてしまいました
そこで、その枝に取り木をかけて発根後元から切り落としました


現在の姿

赤点で示した部分に手前に向かった前枝があったわけですね
それを外したために、足元の座や幹立ちの様子がよく見えるようになりました


そして、今までは四幹か五幹か一見してはわからなかったのが
足元がすっきりしたために、はっきりと四幹とわかってしまいました

株立ちは、一見で数えられない6や8になれば偶数でも差し支えありませんが
やっぱり4本幹はちょっといただけないですね、すぐに目算されてしまいますからね

じつは、それを見越して前枝を取り木しておいたんですよ
そうです、同じ葉性の苗木を赤点の位置あたりに植え込むためですね


取り木をした前枝

来春にこの苗を親株の根張りに密着させて植え込みます
木肌の古さと葉性は同じなので、枝ぶりさえ調整すれば、やがて根と根が癒着して同の株になります


現在の株に密着させて植え込んだ想像図


現在の後ろ姿


現在の後ろ姿の拡大図


現在の後ろ姿の足元拡大図

今後の培養方針

1 来春に1~3本くらいの取り木苗を親株の根元に密着させて植え込む
2 植え込んだ素材と親株との枝のバランスをとり全体の姿を整える
3 葉刈りや芽摘みによって小枝を密にする

機会がありましたらまたお目にかけましょう
毎年の充実が楽しみな有望素材ですから

では