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2020年4月14日火曜日

真柏ミニ植替え


盆栽界の人気者である真柏。その人気の秘密は、サバ幹やジンの魅力とともに、丈夫で育てやすいことも主な理由の一つでしょう。植え替え時期も2月の早春から今頃までと、秋は9月から年内いっぱいが可能です。


去年、東京の愛好家「達磨さん」から譲ってもらった中に入っていた真柏のミニ。
上下12×左右15㎝のミニサイズの懸崖で、古さと木姿は申し分ありません。ただ芽摘みなどの追い込みが足りなかったために、ちょっとばかりサイズが伸び過ぎてしまいましたね。


去年の秋ごろ、懸崖樹形の頭の部分を強く反対側の幹に縛り付けて癖をつけておきました。針金を外しても、もう十分に癖はついていました。


見どころは足元の根上り状の変化に富んだところ。ミニ盆栽でもサバ幹の捻じれた野性はなかなかです。


後ろからの足元もけっこうな姿です。



真柏は挿木や取木でも繁殖可能な樹種ですから、植替えの根ほどきも多めにやっても大丈夫です。


用土は赤玉土に2~3割の砂を入れてやります。
植替え後、水苔などで土の表面を保護してやることを忘れないようにします。


小枝を整理してしまったので、後ろから見た姿がものたりませんが、活着すれば徐々に不定芽も揃ってくるので、それらを使って枝配りを整えていきます。

植替え後の施肥について
1 今の時期の植替え出れば1ヶ月ほどで根は活着しますが
2 その後には施肥を急いではいけません。
3 施肥は活着を見極めてから1ヶ月後(つまり植替えから2ヶ月後)から始めます。

2019年10月19日土曜日

真柏懸崖復活へ

ベテランの愛好家さんが長期入院ということで、残されたたくさんの小品盆栽たちのほとんどを、今月のはじめごろに譲っていただきました。


糸魚川真柏(上下18cm×左右21cm)の、細身ではあるがけっこう古い懸崖。立ち上がりや幹筋の捩れを見ればその古さはお分かりになりますね。

持ち主の愛好家さんは長い闘病生活にもめげず、盆栽を生き甲斐というか伴侶というか、うまく形容できませんが、とにかく盆栽大好き人間です。


が、しかし、今回の長期入院にはさすがに参ったらしく、ごらんの通り下垂した懸崖の利き枝の先端も日照不足で、やや弱り気味です。


こんな時には、まず枯れ葉や枯れ枝をきれいに掃除して、小枝の隅々まで日差しが入るようにしてやることが第一番のお仕事です。


雑草が生えていればきれいに抜いてやり、肥料も切れているようなので、即効性の液肥の薄いのをやっておきました。切ったりはったりの荒仕事はまだ先のことですね。

秋から冬にかけてはしっかり日光に当て、冬はムロの中で養生して、来春に植え替えます。鉢は現在とても映ってますね。間延びした枝先を少しずつ詰め込んで作り込みましょう。針金での整姿作業は来年の秋以降でしょうね。

2017年12月5日火曜日

真柏のジンの長さ

濃い緑色の葉と赤茶色の幹肌と、加えてジンやサバの白色が絡み合う真柏の色彩美は、松粕類の中でもひときわあでやかな装いが感じられます。

それ故か、アマチュアの方がジン付きの真柏を作った場合、ともするとそのジンが長過ぎる場合をよく見かけることがあります。

そこで今日は、つい最近市内の交換会でセリ落とした真柏小品(樹高16㎝)を例にして、ジンの長さについて勉強してみましょ


バックが白いのでこれまた白色のジンが見えにくくてごめんなさい。さて、手前の肩あたりにあるジンは形もよく締まっていて、自然界の力でもぎとられたような力が感じられます。

比べて裏側の下枝の細いジンは、ちょっと長過ぎるのとのっぺりとしているのとで、厳しさが感じられないので雰囲気に緩みが出てしまうようです。

そうです、ジンはお飾りではないのです。

なるべく目立たないようにしながら、あるべきところにはある、という感じで雰囲気を盛り上げる役目を担っているのです。


細くて長い、力の感じられないジンでは風景に厳しさが出てきませんね。


新しい正面を模索しています。左の肩のあたりのジンはまったくいじってはいませんが、やや左へ振った新正面の方が動きがあるようです。ジンも短く切りつめたので見る者の目が前のジンに集中します。


新正面


フトコロにあった長くて細めのジンはすべて短めに切り詰めたので、景色全体がコンパクトにまとまるとともに、より主要な見せ場である左肩の部分に力が集中されたようです。

それでは

2016年1月22日金曜日

真柏の掃除と化粧

冬の初めごろから暖冬だ暖冬だと騒がれいていたし
じじつ例年に比べて辛いなと思うほどの寒い日々はなかったですね

やっぱり、あのまますんなりとはいきませんでしたね
北陸から東北・北海道、あげくは九州まで荒れた天気になって列島中が震えています

まあ、1月の20日前後の大寒から2月初旬の節分くらいまでが
一年中で一番寒いのは毎年のことですね

ところが、盆栽界ではそろそろ春の作業の準備もしなくてはなりません
恒例の石灰硫黄合剤による消毒が済むと、こんどは植え替え用の鉢や用土の用意もあります

私も今年は大仕事が待っているんです
昨年取り木した舞姫もみじが100本近くあって、それらの根底の処理をせねばなりません

これから一人前の盆栽素材として育てていくためには
基本の骨格が大切なので最初に手抜きはできませんからね

さて、そんな毎日ですが今日はのんびりとした作業
真柏のジン洗いと石灰硫黄合剤での消毒とお化粧をしました

休眠中は水吸いが傷つきにくいので少々の手荒な作業も大丈夫
みなさんもやってみてください


掃除をする前に枝葉を水で濡らせておくと汚れが落ちやすいですね


水圧ポンプで掃除をすると効率がいいですね
でも、あまり無理をすると表皮を突き破って形成層を痛めないように


金ブラシや千枚通しなども併用して隅々まで汚れを落としてやりましょう


こんな感じです
あー、さっぱりした!


こちらもずいぶんきれいになりました


これから石灰硫黄合剤と水彩絵の具で本格的なお化粧が始まるわけです

2016年1月5日火曜日

スクール速報・真柏のお化粧

スクールの常連さんの中では一番の若手、トリクン

27歳の時から通い始めて既に5年くらい経っているので
盆栽年齢はそろそろ中堅の入口というところでしょうか(笑)

集中力とその持続力が半端ではないトリクンのことは
水石の台座作りでご紹介した通りです

さて、昨年の最後のスクールでは、そのトリクンが所属している
住まいに近い他の盆栽団体の展示会へ、出品予定の真柏の化粧仕上げでした



樹高40cmくらい、味のいい真柏の文人調の古木

参照ページ         

展示会に出品するときには真柏の場合

1 枝葉の部分は枯葉や徒長枝を整理し、細かい部分は銅線で最小限の矯正する

2 ジンや水吸いのよごれを掃除する(金ブラシ・水圧ポンプ)

3 ジンやサバに石灰硫黄合剤を塗布する

4 つや出しのため口紅を薄く塗布してよく磨く

5 鉢の表面に苔を張る

などが化粧の一連の手順です

このように何時間もかけて準備して展示会に飾ってみると
ものすごく勉強になるんですね

というのは、一生懸命にやった人ほど反省点が客観的に見えてきて
ああすればもっとよかったのに!と思うものです

だから、その度に問題点が見出せて
進歩につながるんですね

当然トリクンも大きな収穫をゲットすることになるでしょうね
例の集中力と根気で何時間も頑張ったんですから

2015年10月1日木曜日

真柏・石灰硫黄合剤

盆栽人にとってなくてはならない消毒薬であり
また盆栽のお化粧用にも使われる石灰硫黄合剤

2010年に少量包装品の製造と販売が禁止されて以来
500mlの普及版にはお目にかかれなくなって、盆栽人にはとても不便になりました

まあしかし、ウチに見える愛好家さんたちも、知り合いを頼ったり友人同士で融通をつけたりなど
それぞれにうまく調達しているようで、代用品の薬剤に頼るほどではないようです

話は横道にそれました

今日はしばらくぶりに真柏の中品を教材にして
ジンの掃除とお化粧をしてみましょう

参照したい過去のページ(必須)      


硫黄合剤用と水彩絵の具用との皿状の器を2枚
ハケはナイロン製のもの2~3本(動物性のハケはすぐに傷んでしまう)


まず最初は石灰硫黄合剤の原液を塗ります
ジンに硫黄合剤を塗るのは木質部の腐食を防ぐのが第一の目的だからです

ポイントは、水圧ポンプやブラシで幹の掃除を丹念にやっておくこと
また、硫黄合剤が水吸いの方へ滲まない程度に乾してから塗るのもコツの一つです


ハケの毛は動物性でなくビニール製のものを、大中小の3本くらい欲しいですね
使用後によく水洗いしておけば長持ちします


硫黄合剤を塗り終わったらよく乾かすこと
現役の場合は黄色く変色しますが気にしない


次に、水彩絵の具の白(ホワイト)をホンの少々の水で溶きます
硫黄合剤をホンの少し混ぜてもいいですが、仕上がり後にやや黄色っぽさが残りますよ


水吸い部分に絵の具がはみ出さないようにていねいに


こんな具合ですね
木目の割れ目にも絵の具を染み込ませること


でき上がりました
葉の緑と真白なジンと水吸いの紅色の対比が際立ってきれいになりました

それでは過去のページも参考にしながらゆっくりマスターしてください

参照したい過去のページ(必須)      

2013年4月12日金曜日

スクール速報・真柏超ミニ

手がけてからおおよそ4年か5年目くらいになるイシくんの真柏超ミニ
このところ著しい進境をみせています

ところが、おもしろいもので、良くなった場合には
案外に持ち主本人は気がつかないものなんですよ



でもこうやって、軽めの丸鉢から重厚感のある長方雲足鉢に植替えても
根張りが発達し足元の力強さが倍増したため、鉢負けせずピッタリの雰囲気です

ちなみに、真柏には紫泥系の地味な色彩よりも
このような朱泥系の明るい焼しめものが似合いますね

葉の緑と幹の明るい茶とジンの白、それが朱色の鉢とよく調和して
雅た華やかな雰囲気を醸し出してくれます



今まではやや深植えになってましたが、今回は足元の土をていねんいほぐした結果
みごとに発達した根張りが出てきて、安定感と力強さが見違えるようです



今年の課題は、枝先の剪定と芽摘みの繰り返しによって
図のように輪郭線を整えて樹格の向上を目指します

葉がさを小さめ追い込み、枝棚に弾みをつければ
幹筋の力が強調され、一段と逞しい印象になるでしょう

樹冠部の赤点が樹形の重心

もう一息です

2012年11月19日月曜日

スクール速報・真柏の検証

前項でご紹介したツカさんの相棒がターさん、この人がおもしろい
盆栽からはじまって、ギター、釣り、将棋からパチンコまで

無趣味の私などからみると、まるでやらないことはない感じで
その豊富な経験談を聞くはまことに楽しみです

さて、そのターさん愛培の真柏
飾れるレベルの持ち込み品で、今秋にサバやジンの部分に化粧を施しました

ところが、ターさんとしてはサバ幹の部分がややおとなしいのが気になったらしく
彫刻刀や電動工具を使って、新たな挑戦を始めたのです


サバの彫刻途中の画像です
白い部分は先日施した石灰硫黄合剤による化粧の跡

彫刻の結果はまだ出ていないので、そのご報告は後日として
今日はこの真柏の今後の樹形や培養方針について、あらためて観察して見たいと思います



1ー樹冠部が形よくぎりぎりの大きさまで成長しましたから
  今後は、これ以上の葉ガサにならないよう、摘み込みと剪定の繰り返しにより形を整えていきます

2ー1と2と3に囲まれた三角形の部分が、全体としての樹冠部になりますが
  独立した各枝がバランスよくまとまって一つの塊となるようにします

3ーこの枝の葉ガサを大きくすると幹筋が見えにくくなりますから
  適度な剪定と摘み込みを怠らないこと

4ー全体としての利き枝です
  常に力強く張り出すように努力しましょう

5ー木姿に弾みをつけるための大切な枝ですが、下垂しているために勢いがつきにくいですね
  常に上部の枝とのバランスを考えながら芽摘みをします

6ーこの枝も奥行きと動きを演出する大切な枝
  やはり下垂しているので丁寧な培養が要求されます



さて次に、ターさんは幹筋がよく見えるという理由から
この角度あたりを新しい正面とも考えているみたいなので、検証してみようと思います

画像をご覧になって、みなさんのご意見はいかがですか?
結論から言うと、私は反対で、現在の正面をとります

1 この角度だと足元の模様が緩くなり、ややおとなしくなってしまう

2 中間の幹筋の模様が、3曲とも同じリズムを繰り返しているので
  単調な印象をうけてしまう

の二つが主な理由です

私はそのことよりも、今回画像にして見て、植付け位置がやや狂っていること気がつきました
最初の2枚の画像を見て下さい

幹の傾き加減はぴったりと決まっていますが
やや左側に寄って植付けていますね

このように左に傾いた木の場合は
鉢の中央よりやや右側にずらして植付けるのが正解でしょうね

そうすれば構図的にバランスがとれて
さらに安定感が出るでしょう

そんなことに気がついた今回でした

それでは、また
ターさん、彫刻がんばって!

2012年3月20日火曜日

真柏ジンのお化粧

長年の風雨にさらされて白骨化したジンやサバのイメージは
真柏や杜松盆栽にとっては最大の見どころといって過言ではありません

しかし、せっかくのジンやサバでも、ときどきは手入れをしてやらなければ
汚れたり苔が生えたりして腐食してしまいます

ですから、一年に1回くらいは腐食とめの手入れをかねて
お化粧してあげましょう

時期は一年を通していつでもOK
でも、石灰硫黄合剤を使うので、冬期以外では薬剤が葉に触れないように気をつけましょう


用意するもの

石灰硫黄合剤と水彩絵の具のホワイト
くどいようですが、絵の具は水性にかぎりますよ、油性は絶対ダメ


ナイロン製の筆、大小数本
ちなみに、100円ショップで売っていますよ

これもナイロン製に限ります
動物性の毛の絵筆では、硫黄合剤のアクで痛んでいっかいこっきりになってしまいます


硫黄合剤は原液のままで使い、ときには白絵の具と混ぜたりします
また、この他に小さな容器に水を少々用意しておき、白絵の具を溶くときに使います


ジンやサバが汚れた真柏


こちらの真柏もかなり汚れていますね


幹掃除するための道具は、歯ブラシ、金ブラシ、千枚通しなどを使いますが
なんといっても高圧力の水圧ポンプが便利です(3万円くらいしますが、便利便利、欲しい片はお世話しますよ)


ジンやサバや水吸いにこびりついていた汚れが落ちました
このまま半乾きの状態まで待ちましょう


乾いたところでお化粧の始まり
まず、石灰硫黄合剤の原液を塗ります

硫黄合剤は木材の腐りどめのためですが、このまま乾くと真っ白には仕上がらず
やや黄色っぽくなります


硫黄合剤が生乾きのうちに、水彩絵の具のホワイトを上塗りする
生乾きだと絵の具がよく伸びます


仕上げりはこんな感じ
白骨化したジンのイメージが強調されまさいた


絵の具が水吸いの部分にはみ出さないように、ていねいに塗る


こちらの真柏もきれいにお化粧がおわりましたので
絵の具をよく乾かします

簡単でしょ

ジンやサバの腐りとめを兼ねたお化粧
グーンと鑑賞価値がアップしますよ

2011年4月13日水曜日

真柏ジン掃除

盆栽の手入れというと、剪定や針金かけ、それに植替えや芽摘みなど
どうしても切ったり曲げたりすることのイメージが強いですね

それで、どうしても盆栽の日々の地味な手入れの部類に入る「掃除」を軽視しがちですが
しかし、「掃除」は日々の水やりや施肥や消毒と並んで、もっとも大切な作業なんです

みなさんも、鉢内の雑草取りはもちろんですが、鉢底の点検を見落としたために
蟻やダンゴムシに進入された苦い経験があるでしょう

ある意味で、盆栽の管理は清掃に始まって、清掃に終わる
といっても過言ではありませんね

このことは全ての樹種にあてはまることなので
今回は真柏の剪定と植替えをかねてジンの掃除をしてみましょう


愛知のKさんからお預かりしている真柏
昨年いっぱい充分にに肥培したので、枝葉もよく繁り水吸いも目立って太りました

さてそこで、剪定の前にジンの掃除をして水吸いとの絡み具合を確かめてから
基本樹形の構想を練るのが正しい手順です


手動のルーターに彫刻用と清掃用の先端具を用意します


正面の水吸いは新しく削り込む部分はほとんどなく
高速ルーターに装着した金ブラシなどで掃除しました

きれいになったでしょ!

ジンに絡んだ真柏特有のおもしろさがハッキリと見えてきて、意欲を刺激してくれます
また苔や汚れはジンの腐食の原因ですから、常に清潔を心がけましょう


裏面には、水の通っていない水吸いの表皮が多く残っていたので
水の通った生きた水吸いとの境目をはっきりさせるために、彫刻を兼ねて掃除しました


剪定と植替えの作業も終了
植付け角度がやや変わって新しい構想もわいてきました

思い切って葉を透かしたので、フトコロにも新しい芽が期待できますから
夏いっぱいは肥培に努め、秋口になったら本格的に針金で整枝します

では

注)ジン掃除の道具について

高速のルーターなどは必携の道具ではありません
柔らかめの金ブラシや歯ブラシなど、身近にある道具でも充分役に立ちます