2013年11月24日日曜日

スクール速報・クロちゃんの山もみじ超ミニ

小品が主力ですが、超ミニから中品サイズ
またそれよりも大きい普通サイズの大盆栽まで,,幅広くこなすクロちゃん

十分な基礎力に加えて、自由な発想による応用力も備えているので
どのような素材にめぐり会っても、とことん作り込んでモノにしてしまいます

今日ご紹介するのは
樹高わずか4.5cmの超ミニ山もみじです

手がけてもう6~7年以上の記憶がありますが
力強くしかも個性的なボディーと、コンパクトにまとめられた枝先など高く評価できます


山もみじ超ミニ 樹高4.5×左右7.0cm

力にあふれた主幹と、左へ伸びた(一の枝にも見える)副幹とが基本的となり
数本の子幹(枝)がバランスを取るように配されて、全体に安定した姿を構成しています

素材の頃から葉性、枝性ともイイ素質に恵まれていましたが
鉢をバッチリしめて培養しているので、枝先はよくほぐれています


正面の姿をもっと拡大して見ると
枝先の密な様子がわかりますね

もともと葉性や枝性の素質はよかったのですが
最終的には培養管理の確かさが決め手になります

ちなみに、この超ミニは葉刈りはしていません
クロちゃんは芽摘み、葉透かし、葉切りをマメに敢行して、この細かい枝先を実現しているんですよ


樹齢はおおよそ25年になると思います
木肌は時代を帯びて、山もみじ特有の縦縞が出現しています


枝先のようすも、もっと拡大してみましょう


副幹(一の枝)も拡大
よくしまった枝先ですね


さて、ここまで見てきましたが
数年前から、この山もみじにも課題た生じてきました

そう、お気づきのみなさんもいらっしょるでしょうが

主幹の中間あたりの幹が熱を持ってしまい、やや太くなっていますね
ですから、その下方の幹が窪んでしまっているのです(赤点の箇所)


とにかくこのように、盆栽の成長過程ではいろいろ予期せぬ状況が生まれるわけで
それらを一つ一つ克服していくのが、育てるということなのだと思います

そういう点は、人生と同じで
問題がまったくない、そんなことってありはしませんからね

この窪みを治す方法はいくつかありますが
この数年様子を見ながらクロちゃんは、もっとも適切な対策を練っているようです


後ろ姿

ということで、数年先が楽しみです

それでは、また

2013年11月1日金曜日

秋雅展ご案内

恒例の小品盆栽展示会「秋雅展」が10月31日から始まりました
場所は上野の「上野グリーンクラブ」で、開期は10/31から11/3までです

みなさん、週末の天気予報は晴れ、お出かけください!
私は昨日行ってきました

遠方の懐かしい同業者の顔にも会えるし、盆栽業界の現況も肌で感じたいし
ひょっとして売店で掘り出し物にも巡り合えましからね



上野グリーンクラブは日本の盆栽の本拠地で
東京の上野公園内にあって、上野動物園と隣接した交通便利な場所です

三階建ての展示場をふくめ、約700坪の敷地内いっぱいに盆栽売店が出ていて
平日ながら好天にも恵まれ、ご覧のようにお客様がいっぱいでした


普段は豪快な笑い顔と大きな(ダミ)声が持ち味の
全国小品盆栽組合の理事長・谷幡さんも、神妙な顔つきで接客に追われています(笑)



売店の奥では盆栽セミナーが行われていました
講師は全国小品盆栽協会の理事長・広瀬さん、いつもながら真面目でていねいな教えっぷり

さて、本題の展示室に入るとぐっと雰囲気が違っきて
なんとなく背筋がピンと伸び、五感が研ぎ澄まされてきましたよ

なかに顔知りの愛好家さんの席がありました
無断で申し訳ありませんが、何席かをご紹介させていただきます



若宮さんの席飾り

国風展にも入選歴のある大ベテラン、10cmクラスをみごとにそろえました
キャリアも長いけれど、とにかく盆栽大好きでセンスも抜群



脇置きのちりめん桂、いい持ち込みですね
鉢は平安香山かな?



鷲津さんの席飾り

↑の若宮さんと同じグループの愛好家さん
いい先輩に恵まれてはや大家の域に達する勢い



山田さんの席飾り

ミニサイズに目標を定めてからの進境が著しい印象です
がんばってますね



箱卓の拡大図



山根さんの席飾り

山根さんは現代草もの盆栽作家の草分け的存在です
持ち込みに重点をおいたその作風は、玄人好みのいぶし銀の趣満点ですね



文人木に扇子をあしらった席飾りが印象的でした
松の緑と扇子の金と紅とが醸し出す典雅な雰囲気が会場に華を添えていました

みなさん、お出かけくださいー!
この週末は上野グリーンクラブで小品盆栽鑑賞に決まりですね