他の雑木に比べ春の芽出しの遅いけやきですが
さすがに5月に入るとそろそろ芽摘みの時期になります
芽摘みや葉切り、それに葉刈りなどの手入れは、人によって微妙な相違がありますし
目的によってもやり方を変えることもあります
今日はけやきの箒立ちを教材にして
若木から古木にまでひろく応用のきく芽摘みと葉切りの方法を勉強してみましょう
ここで注意!
春の芽出しからすぐに芽摘みを繰り返しながら
5月中旬から6月初旬にかけて全面的な葉刈りをする方法もありますが
今回の方法はややそれと異なり
全面的な葉刈りをせず、年に5~6回の芽摘みと葉切りを繰り返すやり方です
全面的な葉刈りをしなかった理由は
今春の植替えのさいに、かなりきつい根さばきをおこなったからです
実生から6~7年の若木の箒立ち、基礎の骨格はしっかりと出来上っているので
あとは適切な手入れを繰り返しながら、樹格の向上を目指している段階です
春に植替えたので春の芽だしはやや遅くなり
作業日は5月初旬
兄弟木、同じく春に植替えたので春の芽だしはやや遅くなり
作業日は5月初旬
基本の作業は、新芽の先端を1芽残して、残された葉の四分の三から五分の四を切り取る
2芽残す必要がある小枝の先端の葉の面積も、2芽とも表面積を減らす
簡単!
よく切れる小さいハサミで根気よく以上の作業を続けるだけです
えッ!新芽の先を摘むのはわかるけど、なぜ葉を少しだけ残すんですか?
そう聞きたいひともいらっしゃるでしょうね
全面的な葉刈りを行ったばあい
1 植替えたての場合など、樹勢を損なうことがある
2 反対に樹勢のいい場合では、いっきに芽数がふえて枝先がゴツクなるおそれもある
3 全面的葉刈りは、年に複数回やると樹勢を損なう恐れがあるが、この方法なら何回も実行できる
そのために緩やかな変化を求めて
葉の表面積をわずかにのこしてやるのです
特に注意するポイント(重要)
1,2、3芽と芽先を数えてみて、この場合のように1芽目の節間が極端に狭い場合は
2芽を残して摘むようにします
1芽目で摘むと昨年枝の元に複数の芽が吹いてしまい、その箇所がゴツクなる恐れがあるためです
そして、このように2芽目の葉の表面積を減らしておきます
摘み残しのないようにていねいに作業しましょう
また、昨秋から冬に掛けた針金も必ず外すことを忘れないように!
芽摘みと葉切りを施した芽先の拡大図
1 芽先の勢いが緩やかに制御されました
2 奥に日光と風が充分に入るようになり、フトコロ芽の生育が助長されるようになりました
このように、月に1回くらい(4月~9月)を目安に芽摘みと葉切りを繰り返し(
全面的な葉刈りは行わずに管理する方法もあります
また、5~6月に全面的な葉刈りを行う習慣のひとでも
それ以外の月には、このような芽摘みと葉切りを主体にした手入れ法の併用が、かなり有効です
なお、施肥についてはやや多めにやることをお勧めします
若木のうちは健やかに成長させながら、随助で適切な制御を加えて向上を目指すのが望ましいと思います
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