2020年6月2日火曜日

古鉢の磨き方Ⅰ

ご覧の和の楕円鉢は、無落款で作者も窯元も不明の普及品ですが、盆栽歴50年になんなんとする90歳のご老人からゆずって頂いただけに、一口で云うところの古色感が半端ではありません。


和焼締楕円鉢(間口12cm)


盆栽が植わっていたため、鉢の胎土の色は赤茶色でホヤホヤなのですが、ボディーの部分には何十年分の水垢と汚れが積もりに積もっています。盆栽人はこの古色感を、侘びさびと理解し珍重しています。


上の2枚の画像は、さっと水洗いしただけですが、下の2枚は同じ鉢をある油性の液体を少々塗って、木綿の布でよく磨いたものです。


足の部分などは地肌の朱色が輝いていい味が出ていますね。
ボディーの側面はまるで墨汁でも塗ったようですが、即席でつけた時代は雅味がまるで違います。何十年と使い込んで自然についた時代感は「本時代」と云って、風格がまるで違います。
ところで、この朱色の土の美しさをこのように引き立てるには、先ほど云ったように油性の艶出し油を少々使うのがポイントです。
詳しくはパートⅡでいろいろとお教えいたしましょう。

Ⅱへ続く







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