2020年6月17日水曜日

広東瑠璃釉外縁隅切長方

水盤に穴を開けて盆栽鉢として転用した中渡りの広東が、ふつう「有興隆・ゆうこうりゅう」と呼ばれている広東鉢です。
一見粒子が粗く柔らかく見える土目ではありますが、案外と重く、硬く強靭で粘り強い。それでいながら水はけがいいので盆栽の作がよくのり、実用鉢としてはもってこいです。


しかし、実用鉢だからといって、市場に出回る中渡りの絶対数はそう多いわけではないので、価格もその人気を反映して意外に高値です。


それに比べて普及品として出回っている新渡の広東鉢は、価格も超リーゾナブル。ところが、値段が値段だけにちょっと仕上げがお粗末な作りで、養成鉢の域をとても出られません。


40年ほど以前に日本から要請で注文制作された広東鉢。丸型の「有興隆」の落款が鉢裏に捺されています。ですから、その落款の丸型と鉢裏に捺されていること、さらに瑠璃色の釉薬であることなどが、この広東鉢の見分けのコツです。
中渡りの古い鉢よりはずーっと安いし、40年ほどの年月も経っているので、展示会用にも使えるほどに味も出ています。


気取らない素朴な作柄が広東鉢の特徴であり魅力でもあります。


「有興隆印」

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