銀性八房(ぎんしょうやつぶさ)五葉松は、通称銀八(ぎんやつ)と呼ばれ、昔から四国の鬼無地区を主産地として、広く盆栽界に普及してきました、そのほとんどが黒松の台木に接木をされた素材から培養されます。葉は濃い銀の霜降りが鮮やかに映えて丈夫で美しく、また枝振りも整えやすいので、盆栽樹種としての知名度は、江戸時代から揺るがぬ人気を保っているといえましょう。
樹高31.5cm×左右37cmの中品銀八
頭の部分の葉の乗りがイマイチなので樹が若く見え、しかも重量感がたりません。しかし細かい繊細な幹模様と樹肌の古色感は抜群。銀八は丈夫で小枝の吹込みが早いので、あと2年も心がければ、樹芯(頭の部分)に重みが出て見違えるほどになるでしょう。
樹勢が強壮なのが銀八の最大の特徴です。現在は葉が少なくて向こうが透けて見えますが、数年で密集した重量感が出てくるはずです。
この銀八の模様木の長所は、足元の動きと樹肌の古色感。さらには端正に整った枝順も魅力です。
すぐれた特性をもった銀八にも泣きどころはあります。そう、挿し木や取木が効かないので接木による素材のため、接ぎ口が目立たなくなるにはかなりの年月が必要なことである。
現在画像に写っている部分は台木の黒松であろうと思われます。その境目あたりから上の幹が銀八になるわけです。とはいっても既に樹齢は何十年、正確な接ぎ目は判別できませんね
という訳で、この接ぎ口のマイナス点が過剰に騒がれて評価をおとした一時期もありましたが、現在の盆栽界では、あくまで全体の木筋や木姿での総合的評価を重視する傾向にあります。
一、二の枝の下あたりの幹がややクビレタ感じがしますね。あのあたりが黒松と五葉松の境目でしょうが、正確なところは切って調べるほかはありません(笑)
後姿にも接木らしい雰囲気が見られますが、抜群の古さがあるのでそれほど感じません。安定した後姿です。
後姿の拡大図です。
後姿。
霜降りが美しい銀八の葉先。
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