2019年1月4日金曜日

日本盆栽大観(盆栽の歴史)・3


上田喜代松氏 五葉松 2尺 朱泥長方 昭和14年4月撮影

足元を小さ目の鉢を用いることでキリッとしめて、幹や枝葉の変化を協調しており、類稀なる盆栽美が具現されています。
しかし解説では、この樹形を「異端型」とで言い切っていますが、変幻自在な樹形に慣れた現代の盆栽人にとっては、この表現はきつ過ぎるような気がします。
まあ、ざっと100年の月日の経過が受け取る側の感嘆詞を変化させるのも無理からぬことといえますが・・・
萩原章佑氏 五葉松 2尺5寸(上下) 紅泥六角古鉢 昭和13年11月撮影

元は宇都宮方面に在ったものを氏が手に入れ、加藤東華氏の整形により現在の雄大な大懸崖の樹形に生まれ変わったものであると解説されています。

稲垣三郎氏 黒松 2尺5寸(左右) 朱泥6角 昭和14年1月撮影

この黒松は50有余年の間、いくつかの岡崎の名家の持ち物となったが、まだ岡崎以外の家の所有物となったことはないと、三河っ子は自慢の種にしている、と解説にあります。それほど筋の通った本格派の名品であると言いたいのでしょう。


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