2006年10月16日月曜日

思い出の銘鉢(16):宮崎一石 染付け山水図切立長方鉢

盆栽屋.comの「思い出の名鉢」シリーズ(お客様にご購入頂きましたが)思い出深い名鉢をみんさまの鑑賞用に復刻致しました。また、この場をお借りして愛蔵者の方々に感謝申し上げます。どうぞ小鉢の勉強にお役立て下さい。


間口10.8×奥行8.5×高さ4.9cm

一石の同時期と思われる、間口、奥行き、高さがほとんど同じサイズの作品を散見しますが
いずれも精密な描き込みと構図のみごとさを示し、逸品ぞろいです

この作品も、両正面には人物を巧みに配し、絵画の物語性を強調し
山里の穏やかな風景と深山幽谷の自然とを左右の側面に描くなど、四面の絵画の奥深さにも工夫が見られます

まさに東洋山水画のスケールの大きな世界を
小鉢という小さな空間に描き切った一石の魅力溢れる逸品です

無傷完品


側面より
ゆがみよじれのない安定した線に囲まれたボディー


曲がりくねって上流に消える川や遥かなる山並みは
小橋を渡る高士の高邁な精神性を暗示しています


側面は里山の景色


こちらの側面は深山幽谷の厳しい景です


深山幽谷の拡大図

一石の絵画の特徴は、その落ち着いた的確な筆致と、微細で巧妙な筆のタッチにあり
決して輪郭線の勢いだけで見せるのではなく、根気よく対象物を描き出す叮嚀さと表現力に優れています


鉢底の様子


落款は小さめの一石
これは比較的初期に近い時期に使われています


落款拡大図

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