贋物とのお答えが多かったのですが、約30%くらいの方が本物とのお答えでした
東福寺真贋鑑定のポイントを申し上げましたね
1 全体のイメージ(作風)
2 釉薬
3 土目
4 足の付け方
5 水穴の位置と開け方
6 落款
順を追ってご説明いたしまよう
この鉢を一目見て、盆栽通人であれば”東福寺”と感じるでしょう
それほどに全体のイメージは似ています
ぼってりとした胴の形
さらに、白に緑の入り混じった釉薬の使い方、このあたりが”東福寺”と感じさせるポイントです
また、使い込みの時代感もけっこうあることも識別を難しくしているところです
鋲の打ち方も一発仕上げですね
これも東福寺に似せた手なのです
拡大図で見ると、それよりも気になるのが釉薬の表面の質感です
何となく薄っぺらな感じ、これが怪しい
鉢裏から観察した姿も、おおよそは東福寺そのものですが
もっと近づいて見ましょう
二重になった底、これを「押し底」と呼び、東福寺にはよくある作りです
水穴の位置も東福寺とそっくり
真裏から観察します
ここでまず気になるのが、半磁器の土目
東福寺の使う土目は多彩ですが、この土目は東福寺らしくない
さらに、足のカーブが胴のそれに沿っていませんね
つまり、胴と足との調和が感じられません、そのあたりが東福寺本人の手と異なる印象です
最後に落款ですが、不明瞭ですね
東福寺は鉢作りの名人ですが、落款の捺し方も名人でした
落款の左右上下を均等な力で押すのでしょう、それも手早く
浅くなく深くもなく、手早くスッキリと捺された明瞭な落款が東福寺鉢の特徴なのです
贋物はたいがいこの辺りで馬脚を現してしまうのです
最後にもう一度オサライです
1 全体のイメージ(作風)・かなり似せています
2 釉薬・かなり似せています
3 土目・まったく似ていない
4 足の付け方・似せているが胴との統一感がない
5 水穴の位置と開け方・似せている
6 落款・ダメの決定打
ということで、土目・足・落款の三点に着目して贋物と判定された方
あなたは鑑定上級者です
では
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