2010年6月1日火曜日

三年後のチリメン桂

盆栽樹種の中でも極端に成長が遅いことが知られているチリメン桂
それでも真剣に3年も培養すると、かなりの変化を見せてくれます

とはいえ、人間の記憶力はあいまいだし、成長の早い樹種に比べると微々たるものなので
写真を撮って画像を保存しておき、後で比較してみるのが一番です

比べてみて、出世していればこれからの張り合いになるし
もし下降線をたどっているようであれば、再建計画を立てるための指針にもなるでしょう

ご紹介するのは、フリースクールの常連のクロちゃんが挿し木から仕立てたチリメン桂の双幹ミニ
3年前、ある盆栽を買って頂いたときに下取りさせてもらったと記憶しています

たしかその当時で6~7年生だと聞いたようですから
そろそろ10年選手ということになります


2007年の姿(樹髙11㎝)

挿し木から無理な肥培をせずじっくりと育てたので
若木ながら幹筋や枝順などの基本的骨格はすでに出来上がっています

素材から仕上げる場合

当初は幹筋や枝順を決めず、とにかく肥培管理に徹しながら
「太らせる」ことを最優先させ、幹の太さが目的に近いところまで達してから樹形の基本作りにとりかかる

反対に、幼い苗の時代から幹筋と枝順の基本作りを意識し
無理な肥培はせずにコツコツと気長に培養する

大ざっぱに云うと以上の二通りの方法があります

ちなみに、最初の方法は短期間に太みのあるボディーを得ることができるが
基本作りのときに切り戻しの傷などができやすい

後者では、素直できれいな幹筋を得ることはできるが
力強い迫力のある幹筋を得るには、かなりの年月がかかります

つまりどちらにも長所と短所はあるんですね

しかし、ベテラン愛好家のほとんどは、ある時は徒長枝などをうまく利用しながら時間の節約をし
ある時は基本の骨格を崩さないよう、上手に制御しながら辛抱強く育てるなど

適宜に両方を使い分けることができていますね

あなたはこのチリメン桂はどちらの方法で培養されてきたと思いますか?
そう、几帳面で気長な愛好家さん向きの後者の方法ですね


今年の画像です

まず第一に気がつくのは、幹の太さはほとんど変わらないけれど
木肌の古色感としっかり感に3年間の培養の成果が感じられます

それと、親幹の上部から差し出された枝の利き枝の充実も目に入りますね
枝元のあたりが太っているのが見て取れます

また、樹冠部や各枝の棚もかなり吹き込んで充実してきましたね
もう一息の感じまでこぎつけたようです

太さは同じようでも、盆栽としてのポイントは以上のあたりです
3年前の姿と比べてみてください

両者の相違に気がつくようなら、あなたの観察眼は成長していますよ
もし、何度見比べても「?、?、?、どこが違うの?」だったら、これは勉強不足ですぞ


3年前の幹筋の拡大図


現在の幹筋

両者を比較して一番強く感じられたのは、「持ち込みの味」の違いです
とにかく古ぶるしく落ち着いた感じのことです

この持ち込みの味は盆栽にとって一番大切なことで、一種の「風格」ともいえるでしょうが
これらを感じ取るためには、普段から注意深く盆栽を観察し鑑賞してのみ培われる「眼力」が大切ですね

それでは今日のキーワードです
「持ち込みの味」・「風格」・「眼力」、それと素材の育て方に「二通り」の方法があるということでした

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